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【インタビュー】深堀隼平「20歳の現在地」

249月

虎視眈々と、活躍の時を伺う若きストライカーがいる。

思い通りにいかない高卒1年目の中で、自らのスタイルを形成。

2年目では得意の形からプロ初ゴール、A契約締結を勝ち取った。

しかし乗り越えるべき壁は高く、メンバー外の週末が続く。

偉大なチームメイトを追いながら、牙を研ぎ続ける日々。

深堀隼平、20歳の現在地とは――。


インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部



8月30日にA契約を締結しました。昨シーズンにトップチームデビューを飾り、リーグ戦2試合に出場。今シーズンはここまで公式戦9試合に出場し、3得点をマークしています。この数字についてはどのように評価していますか?

深堀 C契約のうちに公式戦で3得点と分かりやすい結果を残せました。その数字を残せたことは、すごく良かったと思います。だけどルヴァンカップのガンバ戦のように、数多くあったチャンスを決められない試合があったことも事実です。そういう意味では、C契約の間にもっと多くの得点を取れたという後悔もあります。リーグ戦でも数試合でスタメンとして起用してもらえましたけど、得点という結果を残せなかった。決してチャンスがなかったわけではありません。リーグ戦の初ゴールもA契約前に記録できたと思います。正直、決めたかったですね。なので数字全体を振り返ると、全然物足りないというか、満足ができるものではありません。自分が思い描いていたようなプロ生活を歩めていないという印象です。現状は、そんな感じですね。


数字ではなく、自身のパフォーマンスについてはどのように感じていますか?

深堀 今シーズンの始めは、練習に全く絡めない時期がありましたけど、突然来たチャンスで自分の得意な形から点が取れました。これが今シーズンのターニングポイントだったと思っています。そこで点を取れたことで、自分の得意なプレーに対する自信をさらに深めることができました。その結果、練習から思い切ったプレーが多くなったり、ボールを呼び込めるようになりましたね。僕は普段の練習からいいパフォーマンスができることを大切にしています。そういう意味では、その時以降、練習からいいパフォーマンスを続けられていると思いますよ。だけど、練習でのパフォーマンスを評価してもらって帯同メンバーに入ったり、スタメンに選ばれたりしても、そこで結果を残せていないのが僕の現状です。まずは練習からいいパフォーマンスを継続していく。さらにここからレベルアップするために、そこで得たチャンスを物にする必要があります。ルヴァンカップでは結果を残すことができました。次はリーグ戦に絡んで点を取る。そしてスタメン争いに割って入らないといけないと思います。ピッチの上で自分の特長を発揮できたら、スタメン争いにも加われるはず。これからはチャンスが来た時に、もっと貪欲にゴールを狙っていきます。


練習で取り組んでいることに、充実感や手応えを感じているということですか?

深堀 そうですね。自分が自信を持って練習に取り組めていることに加えて、チームメイトから様々なことを学べることも自分にとっては大きなことですね。周りには素晴らしい選手がたくさんいます。普段のシュート練習でも、他の選手の盗める部分がたくさんあるんですよ。ゲーム形式でも相手チームにはジョーがいて、同じチームには(佐藤)寿人さんがいる。学ぶべきところはまだまだたくさんあるなと毎日のように感じています。こういう環境はどこのチームにもあるわけではありません。だからこそ、自分がグランパスでサッカーをやれていることに感謝して、毎日を過ごそうと思っています。自分のパフォーマンスの充実だけではなくて、周りの選手の技を盗むことができるという点も含めて、満足する練習になっていますね。



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