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明治安田生命J1リーグ第24節 仙台戦 前日監督会見

2310月

10月23日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、24日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第24節のベガルタ仙台戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


ー雨が降り寒い中、お疲れさまです。

お疲れさまです。今日は雨がすごかったですね。


ー準備期間が限られている中で練習をしていると思います。練習では回復がメインになってくると思いますが、相手の対策や分析もできているのでしょうか?

明日、どういった形で選手たちをグラウンドに送り出すか。使えるものは全部使わなければいけないと思います。昨日は移動で半日を使ってしまい、移動の疲れもあった中でトレーニングをやりました。昨日はリカバリーの日にして、今日のメニューは今の体の状態で、明日の試合でなるべくキレのあるいい動きをできるように、という方向性のトレーニングをしました。こういう日程でもプレーしなければいけないので、普通なら出ない力をどれだけ引き出せるか。そういった選手個々のメンタル面の準備や、チームとしての雰囲気作りにもかなり重点を置いて、この2日間は選手たちと一緒に過ごしました。


ーメンタル面へのアプローチについて、具体的にどのような行動をしたのでしょうか?

チーム全体として我々自身が、自分たちをどのように評価しなければいけないのか。とにかく上にいきたいと思っていて、そのためになにをするべきか。そういった意味で、1日1日で積み上げていくことは絶対に変えません。日程的な影響があり、今は敗戦が続いています。ただし、我々は新型コロナウイルスに関連したことで苦労し、どのタイミングでも良くないですが、良くないタイミングでケガ人が重なってしまいました。そういった戦力面でも影響を受けてしまいました。もし結果が出ていなかったら、「そういったところも影響があるだろう」と言わなければいけなかったかもしれません。しかし、選手たちが命懸けでやってくれて、例年のグランパスと比べていい結果を出せていると思います。いろいろな足かせがあったにも関わらず、例年よりも遥かにいい状態でシーズンを過ごしています。それはものすごく大事です。自分たちで必ず実現しようとスタートし、今はいい形でシーズンを終えられる可能性が残っています。直近の試合結果に対して自分たちが自信を失うのではなく、ここまで振り返り、これだけの素晴らしいシーズンを送れているということ。そしてあと10試合をどのように闘うか。その結果によって「またいつもと同じか」と言われてしまうのか、「本当に変わった」と言われてしまうのか。「多くの困難があった中でこれだけやれたという自信を持ちなさい」と選手たちに伝えています。しかし、もっとやれるとも思っていますし、選手たちがサッカーに取り組めるようにいろいろな言葉を掛けています。それは今回だけではなく、ずっと掛けてきました。今回もそういった形で、「絶対に諦めずにやろう」と声をかけました。


ーこの1週間を振り返ると、川崎F戦はいいディフェンスができ、横浜FM戦はそこが後手に回っていたと思います。ディフェンス面の修正点について、選手たちにどのように伝えているのでしょうか?

結果がついてくる、結果がついてこないという面で左右されてはいけないと思います。その中でチームをどのように用意するか。横浜FM戦は「疲労を感じ、プレーに影響があった」と言いました。ご質問いただいたように2つの試合を比較しても、川崎Fは「すごく内容が良かった」と発言しましたし、横浜FM戦は川崎F戦と比べると少し物足りなさが残ったゲームになりました。今節はただの中2日で迎える試合ではなく、中2日のあとの中2日で迎える試合なのでコンディション的には重さがあります。しかし、そのあとに少し期間が空くので、「まずはここで1回、全部を出しきろう」という意識で準備します。このやり方をやってきて、疲労がある中でも闘い、結果を出してきました。選手たちはそういった戦い方を学んでいかなければいけないのかなと。この日程で勝つためには、今シーズン用の過ごし方、ゲームへの入り方、戦い方があると思います。目の前の試合に向けては、今の状態だけど仙台戦でどうすればベストを尽くせるか。そこに集中してやりたいと思います。


ーマイボールの質を高めることも重要になってくると思います。

おっしゃるとおりです。サッカーは、ボールを持っていれば相手が主に走ります。こちらのペースで走るという部分で調整したかったら、まずはボールを持つことが大事です。直近の試合でどうだったかというと、川崎F戦は横浜FM戦と比べてテクニカルなゲームになりました。戦術的なやり合いがあり、ポゼッションすることもできるゲームだったと思います。チームとしてポゼッションをどのように位置づけているかというと、かなり大事なウエイトを置いています。川崎F相手にもある程度のポゼッションをできると思います。どういったタイプのポゼッションなのかは別の話になります。ポゼッションという観点では、できなくないと思っています。ただ、横浜FMは、我々の陣地内にほぼ全員の選手が入ってプレーしていました。そして背後を取らせないようにして、取られたら取られた時の対応をする。背後を取られるのはまずいでしょうけど、ベースとしてそういったやり方があります。横浜FM相手にポゼッションサッカーをやるのは、なかなか難しいと思います。そこをわかった上で、どういった形で裏を取るべきか。ほかのチームと対戦する時にはない広大なスペースがあり、そこにチャンスがありました。裏を突けていたら、もう少し違う話ができたかなと。疲れがあり、なかなか裏を取れませんでした。横浜FMはそういう相手とわかった上で、ポゼッションではなく縦に速いサッカーをやろうという目標を持っていました。ポゼッションに関してはそのように位置づけています。


ーこれまでの仙台の戦いをどのように分析していますでしょうか? また仙台戦のポイントを聞かせてください。

今シーズンの仙台という括りで見ていくと、選手の入れ替えがかなりあったのではないかなと。補強した多くの選手が、今シーズンの中心になる存在でなければならなかったのかなと。メンバー構成を見てそのように思います。現状も、ケガ人が多く出てしまっています。なかなか思うように選手の起用をできないままシーズンを過ごしてしまっているのかなと。仙台が思い描いていたシーズンとは違うと思います。チーム内のことについて一切コメントするつもりはありませんけど、ここにきて選手がケガやほかの理由でチームを離れています。メンバーもどのような編成なのか読めない部分もありますので、どういった試合にするのかはメンバー表を見てみないとわからないと思います。結果が出ていない試合のメンバーを見ても、「このメンバーで闘っているのに(この結果なのか)」と思うことがありますし、メンバーを変えながらやっていますよね。試行錯誤しながらの取り組み方になっているとみています。


ー今シーズンも残り10試合になりました。首位の川崎Fが一歩抜け出している中、グランパスが目指すべきところはどこになってきますか?

私がこのクラブに来た時から、どういったポジションで今シーズンの残り試合を迎えようとしているのかという括りでみていきます。正確に覚えておらずすみませんが、10試合以上で1勝しかしていないような状況で、残り8試合のところで監督に就任しました。絶対に残留をしなければいけないことが唯一の目標で、そのミッションをクリアしました。去年からの下積みがある状態で今シーズンがスタートしました。クラブは残留させ、「しっかりと勝つチームを作ってほしい」という目的で監督就任の話をしてくれました。そういった取り組みをしていく中、今年は我々だけではなくどこのチームも川崎Fを捕まえられないと思いますし、川崎Fの優勝はほぼ確実だと思います。その中で残り10試合です。まず目指さなければいけないのは、当たり前のことですが、なるべく上にいかなければいけないこと。我々には「2位のポジションを狙っていかなければいけない」と言う資格があると思いますし、そういうことが言える状況だと思います。ただ、グランパスに来てから1年、選手たちをはじめクラブに関わる全員が継続的にしっかりと強いチームを作るための作業をしているか。それを自分に対して問い掛けながら、もっともっとやっていくということ。今やっているのか、今やっていないのかという話ではなく、やっていくという空気が漂うことで、勝ち続けるチームができると思います。今年は近年の中ですごくいい順位に位置しています。「今年は久々にいい順位だったね」で終わり、来年から元に戻ってしまうのではなんの意味もないと思います。チームとして本当の強さを築き上げていく中、私は私の役割をしっかりこなすことでその一端を担うことができます。しかし、監督1人が替わっただけでそれが変わるわけではありませんし、どれだけ選手を入れ替えてもそれが変わるわけではないと思います。クラブ自体が根本的に、「勝ち続けるチーム」という空気になっていかなければいけないと思っています。10試合後に、「最後はツキがあったね」と言われるかもしれませんし、「本当にものすごいチームに仕上がったね」と言ってもらえるかもしれません。あらゆるものが自分たちの味方になるように、しっかりとやるべきことをやって、なるべく高い順位を目指すこと。チームをずっと支えてくれるファミリーの皆さまにしっかりと約束し、「全力を尽くします」と言いたいと思います。


ー今シーズンは新型コロナウイルスの影響もあり、ACL出場チームがイレギュラーなシーズンを過ごしています。それでも、来年もACLはモチベーションになってくるのでしょうか?

先ほど言ったことが、チームとして取り組む上でベースになってくると思います。まずはリーグ戦で高い順位を目指すこと。ACLの出場権を獲得しても、それが行われるのか、行われないのかわかりません。行われるとしてもいつやるのかわからないですし、いきなりすごいタイミングで日程に組み込まれるかもしれません。そこに関して前もって予測することは意味がない行動なのかなと。ファミリーの皆さんに約束したように、全力を尽くしてなるべく上の順位にいきたいです。徐々に状況が良い方向に向かっているように見えた時期もありましたが、残念ながら母国のイタリアをはじめヨーロッパでは1日に100人以上の犠牲者が出ている国もあり、安心できない状況が続いてしまっています。私は多くの方にメッセージを届けることができる立場ですので、サッカーを愛している人たちを含めすべての人に、早く収束することを願っていますと伝えたいです。新型コロナウイルスを気にしなくていいような世の中になることを願いながら、1日1日、その時にやれることをやって全力で過ごすこと。それは我々も変えません。そういった取り組み方を変えずにやっていき、少しでも頑張っている姿を見せることが大事だと思います。そういった姿勢を貫き通していきたいと思います。