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明治安田生命J1リーグ第29節 神戸戦 前々日監督会見

289月

9月28日(月)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、30日(水)に行われる明治安田生命J1リーグ第29節のヴィッセル神戸戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


ー神戸は前回の対戦から監督が替わっています。監督交代によってなにか変化を感じる部分はありますか?

選手の入れ替えに関しては監督の起用法というより、コンディションなどを考慮して、ずっと同じ11人でやるチームはどこもないと思います。メインで使う選手が変わったというよりは、ディフェンスラインが3枚から4枚に変更され、チームとして根本的にやり方を変えています。我々はそこを見極める必要があると思います。


ー前節は成瀬竣平選手が右サイドバックで先発出場しました。オ ジェソク選手、宮原和也選手なども控えている中、彼らの違った持ち味をどのように使い分けていこうと考えていますか?

3人はコンディションがいいので、その状態を常に続けてもらって、出るべき選手が出る形になります。ご質問いただいたとおり、それぞれの特長は違います。「この試合は誰が出るべき」という試合もあると思います。いつ呼ばれても大丈夫なようにコンディションを保ってくれればと思います。


ー選手によっても相性があると思います。「この選手とこの選手は一緒に起用したほうがいい」などと考えていますか?

我々がどのようにサッカーを捉えているかという、いいところを突いてくれた質問ですね。右サイドの前で誰がプレーするのかというより、チーム全体として「今日の試合はこうなる」というくらいの幅まで見ています。各ポジションすべてに言えることですが、右サイドバックに関する質問ですので、誰が右サイドでプレーするかではなく、ボランチに誰が出るのか、センターバックが誰なのか、全部の組み合わせによってそれぞれの特長を生かすことが大事です。3人の中で、ディフェンス面で優れた特長があるのはオ ジェソクかなと。ディフェンスライン4枚が一体となって、「まずはしっかりと守る」というゲーム展開が予想される場合は、オ ジェソクを起用する確率が上がると思います。成瀬と宮原に関しては、もちろん守れないわけではありませんし、素晴らしい選手です。我々がボールを持った時になにができるかは、2人のほうが優れていると思います。成瀬のほうがスピード感がありますし、ボールを持った上でドリブルなどをしていく特長は彼のほうがあります。宮原は成瀬よりスピードで劣っても、ゲーム全体を見る目を持っていて、ゲーム展開を読む頭の面でもいいものを持っています。マイボールになった時に気の利いた動きができる能力もすごく高いです。3人それぞれに良さがあります。「試合によって使い分ける」と言いましたが、先ほど言った特長以外にも、メンタル的に「彼が試合に出るべきだ」ということもあると思います。より守備的にいかなければいけない試合でも、成瀬や宮原を起用する場合もあります。攻撃的にいかなければいけない試合でも、「オ ジェソクを使わなければいけない」というコンディションを維持しているなら、彼を使います。起用を決定するいろいろな理由があり、「なにをもとに選手を選んでいますか?」と聞かれても難しいです。ただ、そのように選手を見ています。


ーアウェイでの勝利が遠ざかっています。連勝するために必要だと感じていることは何でしょうか? やはり、やり続けることが大事なのでしょうか?

継続というより、まず勝つことでしょうね。勝つためになにをするかは、勝つことです(笑)。今まで「こういう部分がもっとこうだったら」と、勝ちにつながらなかった、足りない部分についてコメントしてきました。例えば、前半は圧倒したのに、後半は自分たちがゲームを最後までコントロールできなかったこと。そういった部分を分析し、負けた理由という言い方をしましたけど、「勝てたのに」という話もしてきました。おっしゃるとおり、しっかりと継続することによって、90分間やりきらなければいけないという強い気持ちを持っていくことが大事だと思います。


名古屋目線で試合を見ていただいた時、最近のアウェイの試合では相手を褒める気持ちを持たなければいけませんが、敗戦後はなにかもったいないなという感覚が残ると思います。それではいけないと思っています。「今日は悪いけど、隙は見せないよ」といったように徹底的に厳しくやって、勝利をいただいて名古屋に帰ってくることをやらなければいけませんね。


ホームでしっかりと勝てていて、アウェイで勝てないところが、もう一つ上にいけない理由だとわかっていると思います。チーム状況をどのように見るか。一緒に名古屋を応援してくれる方でも、結果が出ない中で「根本的にやり方を変えたほうがいいんじゃないか」と思ってしまう方もいるかもしれません。「継続性がポイントなのか」という質問をいただいたのは、私としてはいいことだと思います。横浜FC戦まで話を戻しますけど、失点をする背景にはいろいろな理由があります。ずっと攻め続けていましたが、試合時間を考えながら、どのくらいの割合で攻めと守りを考えなければいけないのか。そこの意識が弱すぎたということも原因としてあります。たらればを言うのは良くないですが、分析をする中では「あそこがこうだったら」、「あそこがこうであれば」というあらゆるシチュエーションを考えています。結果的に苦しまなかったとしても「こうだったらやられていたかもしれない」、我々がものにできなかったとしても「こうだったら結果が出ていた」という見方もします。やり方を変えるというより、継続でいいということを選手にも伝えています。


ー前節は、金崎夢生選手とはややタイプが異なる山﨑凌吾選手が先発出場しました。彼をどのように見たのか、またFWの選手に求めていることを教えてください。

金崎がメインで出て、試合中に疲れたら山﨑が代役をやるという位置づけには全くしていません。タイプ的には、2人は真ん中にドンと構える、昔ながらのセンターFWではないのかなと。どちらもスペースにアタックすることが好きですし、サイドにも顔を出すタイプです。その中で特長が違う部分もあります。山﨑はスタートで出たことで、よりいいイメージを持ってプレーし、それをグラウンドの中で披露してくれたと思います。試合によっては使い分ける、というアイデアを持たしてくるようなプレーをしてくれたと思います。金崎は連続で出場し、少し無理がある状況でプレーしていたこともあります。そこで山﨑があれだけのプレーをしてくれて、できるところまでやってくれたので、出場時間がいつもとはひっくり返る状況でした。金崎もプレーした中、いつもより負担は少なくなったのかなと。どちらも使えるという選択肢を与えてくれるのは助かります。


ー前回の神戸戦では後半から米本拓司選手がイニエスタ選手をマークしました。彼をどのように抑えるかはポイントになってきますか?

イニエスタ選手だけについての話をすると、彼を完全に抑えることは無理だと思いますし、そういったレベルの選手だと思います。どれだけ選択肢を減らさせることができるかが、イニエスタ選手への対策を考える時にベースとしてあります。その中では、イニエスタ選手が我々のゴールの近い位置でプレーしている時、どれだけ自由にやらせないか。ゴールに直結するプレーが危険だと位置づけなければいけません。彼に対してなるべく圧をかけ、なるべく自由にプレーさせないことが大事です。そういった面で見ると、イニエスタ選手以外にも危険な選手はたくさんいます。前線の選手はそれぞれの能力が高く、フィジカルも強い選手がそろっていると思います。ほかの試合と同じになりますが、一番出してほしくない特長をどれだけ消すか。そこに向けて準備したいと思います。


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