NGE

明治安田生命J1リーグ第17節 神戸戦 前々日監督会見

179月
9月17日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、17日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第17節のヴィッセル神戸戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


―今週は試合まで準備期間がしっかりとある週です。いいメンテナンスの期間となったのでしょうか?

どういう1週間だったかという前に、どういうゲームだったかです。そのゲームは結果がすべてなので、結果について話さなくてはいけませんが、今週のトレーニングをどうやってゲームと結びつけるかという点で話します。この前の試合は走れていなかったのか、チャンスが作れなかったのか、ゴール前にどれくらいいけたのか、ゴール前にどういったボールを入れることができたのかを考えると、いつゴールが入ってもおかしくない時間帯が作れていました。なので、我々としては悲観していません。一方で、絶対にやってはいけないミスから失点している部分もありました。そういう部分はもう一度確認しています。なぜゴールに入れられたのかではなく、どうしてそういったプレーが生まれてしまったのかをさかのぼって修正をしています。そういう作業から始めた1週間でした。あとはコンディションに大きな問題がある状態ではありませんし、阿部(浩之)も前田(直輝)もいい状態まで戻すことができました。全員が完全に元気な状態とは言えませんが、いい状態にして、やるべきことをやれた1週間でした。


―昨日のトレーニングで全体練習に合流していた長谷川アーリアジャスール選手、宮原和也選手の起用の目処は立ったのでしょうか?

まだじゃないですかね。



―神戸に対して準備していること、注意していきたい部分を教えてください。

この前の試合もそうですし、これまでのシーズンを見てもそうですが、唯一勝ち目のある戦い方ができていなかったのはFC東京戦でした。ほかのゲームは結果として勝利できなかったものもありましたが、ありえないミスが名古屋側にあったため、勝ちきることができなかった、あるいは相手に勝たせてしまったことがほとんどだと思っています。サッカーで良く言われている「ミスをしなかったほうが勝つ」ということは本当のことなのだと、選手たちに感じてもらえるような振り返りをしました。ほかのチームのプレーの見ながらも学ぶようにしているのですが、直近の試合でも出てしまいました。全員で目を逸らさずに、誰にも起こりうるという前提で、誰がどう間違えたのか、DFだけではなくMF、FWも含めてもう少しやれることがあったのではないかと考えています。失点というものは、1個のミスだけではなく、いくつかのミスが重なり合って起こるものです。誰かのミスを誰かがカバーすれば失点にならないこともあります。チームとしてやられたという意識を確認をしました。一方で、勝利に持っていけたであろう要素もたくさんありました。神戸はタレントがそろっていますが、だからといって特別に神戸仕様のチームを用意する必要はないと思います。その中で、神戸はミスを許してくれる相手ではないので、平凡なミスをなくして、自分たちの良さを出せる固い試合展開ができるように準備をしています。


―チャンスを決めきるためのアプローチはどのようなことを考えていますか?

ゴール前でそういったシチュエーションをイメージしていなかった、準備ができていなかったということはあまりないと思っています。練習の中でいろいろなシチュエーションを想定して、いろいろなシュートの形を選手たちの中でイメージできていると思いますから。あえて挙げるのであれば、厳しさかなと。ここで決めきるという想い、チャンスはこの1回しかないという危機感を1回のチャンスでどれだけ持てているかということだと思います。チャンスが作れているから、(外しても)またチャンスを作ればいいという考えを持つことは絶対にあってはいけません。全部決めきっているチームはほかにあるので、選手たちはそういった感覚を持つことを目指していく必要があります。ゴールを決めるために必要な要素はなにか、という曖昧な質問に対しては、いろいろな要素の中に“運”というものも入れたいと思います。私は運というものを、もらえるものではなく、運をも味方につけるような行動をしてこそ味方についてくれるものだと考えています。運を神頼みにするような位置づけにはしたくないと思っています。


―神戸の印象を教えてください。監督がグランパスで初勝利を挙げた相手でもあります。

昨年にものすごく重要な勝利を挙げた相手なので、もちろんいい記憶はあります。先ほども言ったとおり、個々の能力がすごく高いチームだと思います。去年の神戸はその能力をうまくまとまっていて、すごくいいチームだったと思います。その形は今も続いていると思いますが、日程の影響もあってか、今年はチームとして良い戦い方を継続させるという部分で苦労しているのかなと見ています。それでも、ほかのチームとの対戦と同様に、私は一番いい状態の神戸を想定して準備をするようにしています。神戸は水曜日に試合をしているので、試合の中では疲労の影響も見抜きながら戦っていきますが、準備の段階ではすごくいい状態の神戸をイメージしています。また、継続性という部分に問題があるのではないかと思っているので、我々との対戦ではうまくいっていない時の神戸と当たれたらと願っています。


―昨日のトレーニングでは守備陣を集めて話をしていました。どのような意図があったのですか?

鹿島戦や横浜FC戦の3失点目など、最近はシーズンの序盤ではなかったような失点がありました。我々としては押し上げていくマイボールのシチュエーションで、ディフェンスの選手も含めてそれぞれのポジションを取ろうというタイミングで中盤の選手がボールを失った状況で、どう守備をするかということです。それはディフェンス陣として難易度の高いシチュエーションだという話をしました。また、それぞれの失点について見つめ直して、もっとやれることがあったのではないかという話もしました。サッカーにおいて全く同じシチュエーションで守る、攻めることはなかなかないと思いますが、コンセプトとして持っているものがあれば、相手がゴールする確率を下げられたのではないかと。まずはそういった話を言葉でしました。相手にとっては願ってもない形でボールを奪い、あとはディフェンスラインしかいないところをどう崩すかという状況です。ゴールに直結する選択肢を持たせないようにするために、まずは相手にしっかりと寄せ、そしてほかの選手はどうすべきかという、細かいやるべきことを説明しました。その後に映像を見てリンクさせ、理解を深めてほしいと伝えるために、彼らを集めました。決して、彼らのせいだけで失点をしているわけではありません。4人だけ、あるいは3人だけで守らなくてはいけないシチュエーションが生まれてしまった場合に、もう少しあがくことができたのではないかということを伝えました。


―運を味方にするために必要なこととは?

この前の横浜FC戦ではちょうど3人を交代で入れたあとから一方的に攻める時間帯がありました。同点ゴールもありましたし、その後もそうです。6回、7回ほど決めてもおかしくないチャンスがあり、毎回こちらが頭を抱えなくてはいけないシーンがありました。そういったシーンで入らなかったのは運がなかったからで処理してはいけません。強いチームならその半分は自分たちの力で決めきっているはずです。そういう見方をした上で、ギリギリまで、これ以上なにもできないというところまでやったとしても入らない時があります。運に頼らなくてもできるところまではやる、というように位置づけています。どうすれば運が転がり込むかではなく、なるべく運に頼らなくてもいいように、意識して取り組みたいと考えています。