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明治安田生命J1リーグ第5節 鳥栖戦 前々日監督会見

167月

7月16日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、7月18日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第5節のサガン鳥栖戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督が記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


ー前節のセレッソ大阪戦はいい形で勝利を収めました。今節に向けて、練習の中で強調していることは?

「うまくいく時はいく」、「うまくいかない時はいかない」というような戦い方ではなく、どの試合でも自分たちの力を発揮できるように、そしてそれがどういう形なのかが明確にあった上で、取り組んでいます。試合に勝ったからどうなるというものではなく、次の試合でもいいものを出せるようにするということです。その中で、毎回同じメンバーで闘うわけではありません。それぞれの良さが出ることで、チームの色が変わる部分はありますが、ベースを継続することが大事なテーマになってきます。今週、特別になにかをしたわけではなく、今までと同じように取り組んでいますよ。


ー攻撃の形が多い印象を受けます。攻撃面での手応えはいかがですか?

どういうサッカーをするのかという面で大事なのは、まず勝てるサッカーをすることです。1試合1試合の勝ち方もそうですし、最終的な順位でも上位にいる必要があり、それを実現できるようなサッカーを目指しています。具体的には、前線に多くの人数を掛け、攻撃時にはサイドバックも攻撃に参加していくということ。多くの選手が攻撃に絡み、それぞれが役割をこなしていくと、ボールホルダーはいろいろなパターンの選択肢を持てるような状況ができると思います。今のところ、前線の選手たちはいろいろな解決策を選ぶことができており、多くのチャンスを作れていると感じています。いい部分ではありますけど、もっともっとやらなくてはいけないとも思っています。


ー再開後に3試合こなした中で、想像以上に良かったと感じた点はありますか?

今シーズンやっていくサッカーに対して、時間を掛けて準備ができたのは2月の開幕前です。ルヴァンカップ開幕戦の鹿島戦では勝利をつかみ、リーグの仙台戦は勝ってもおかしくないような内容でした。決定的なチャンスで決められていれば勝てたわけですからね。そこである程度、「こういうサッカーができる」という兆しが見えました。そこから間が空いてしまいました。その間、いろいろなことに取り組めたかというとそうではなく、ほとんど活動できない状況でした。ご質問いただいたことに回答すると、2月につかんでいたいい部分を再開後にすぐに出せたことでしょうか。攻撃時でも守備時でもそうですけど、このサッカーは誰かがどこかでサボってしまうと連動性がなくなって、すぐに壊れてしまいます。そういう意味では、ハードなトレーニングをしなければこのサッカーをやる体力、フィジカルを保てません。技術的にも戦術的にもどこかが欠けてしまうと、崩れてしまうものです。相当にハードなことを求められている中で、練習再開できるようになった日から、選手たちはスイッチを入れてトレーニングをしてくれました。それがいい方向に向かっている要因だと考えています。


ーC大阪戦で見られた試合運びのうまさは、監督の指示はもちろんですが、選手の判断による部分も大きかったかと思います。選手の“試合を動かす力”についてはどのように捉えていますか?

準備をする段階でいろいろなアドバイスをしていますけど、サッカーというのは一瞬ですべてが変わるスポーツです。縦に急いだほうがいいのか、あるいはゆっくりとプレーしたほうがいいのか、やってみないとわからない部分もあります。両チームの選手が向かい合った状態でそういった部分を読み取る力、それをみんなに伝える力、そういった力に長ける選手がいればそうでない選手もいます。グラウンドの中で周りに対して声を掛けられる選手がいて、協力的にプレーできる選手がいる。そのあたりのバランスも今のところうまくできていると感じています。交代選手が入ったとしても、声を掛け合うことでうまくできていますしね。もちろん、準備の段階で選手にはアイデアを渡しますけど、あとは選手がしっかりとやってくれているということです。


金崎夢生選手が契約の関係で鳥栖戦に出場できない中、山﨑凌吾選手や前田直輝選手を最前線で起用する可能性があるかと思います。彼らに期待していることは?

選択肢が多く持てていることは私にとって幸せな悩みです。全員を毎試合使ってあげたいところです。その中で、試合に出るチャンスが来た時にどれだけのものを見せられるか。それが、そのあとの人生も含めて選手にとって一番大事なことですから、「そのための準備をしてくれ」と伝えています。極端に言えば、出られないから拗ねて適当に練習をするとか、チームがうまくいかないことを願うとか、そういう感情を持たないでほしい。選手たちは常に「試合に出るチャンスが来たら」という意識で取り組んでくれていると思います。今節はスタメンで試合に出ていた金崎が出られないわけですから、必ず誰かが出場機会を得ます。練習でもいい姿勢を見せてくれているので、頼もしく感じていますよ。質問にもあったように、前田または山﨑のどちらかをスタートで使うことになるでしょう。前田は序盤から試合に出ている一方で、山﨑はあまり多くの出場時間を得られていない状況ですが、直前まで2人の状態を見極めた上で、決めたいと思っています。


ー1トップの選手に求める役割はなんでしょうか?

ゴールに近い選手がいれば、そこにボールを入れて、縦に速いサッカーをすることは絶対です。縦にいけるなら、縦にボールを運ぼうと。ただそんな簡単にできないので、必要な時にポゼッションをすることもあります。「ゴール前に構えて点を決ることが仕事」という昔ながらのセンターフォワードを求めているよりは、ボール回しに関わる技術があり、戦術理解能力や体力がある選手を1トップに求めています。今年のグランパスの選手はそういうことをできると思いますし、そういう選手が1トップでプレーするべきだと思います。

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