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佐々木理アカデミーダイレクター 2月24日囲み取材

242月

21日に名古屋グランパスU-18に所属する甲田英將選手のトップチーム登録(2種登録)が発表されたことを受け、佐々木理アカデミーダイレクターが報道陣にトップチーム登録に至った経緯や甲田選手のプレースタイルについてコメントした。


ー甲田選手のトップチーム登録が発表されました。プレー面の特長を教えてください。

彼はボールを運ぶこと、シュートまで持ち込むドリブルにおいて、キレのあるプレーができる選手です。アタッキングサードでプレーすれば、フィニッシュまで持っていける力を備えていると思います。


ー最も力を発揮できるポジションは?

ユースではサイド、攻撃的MFとしてプレーしているので、そこが一番力の出るポジションかなと思います。とはいえ、マッシモ フィッカデンティ監督のニーズに応じてプレーしてくれると思います。


ーチーム状況としてはサイドバックでの起用も視野に入れているのでは?

どうでしょうね。キャンプではプレーしたと聞いていますけどね。そこまで経験しているわけではないですけど、監督の要求を聞いた上で、頑張って対応したとは聞いています。今後どこでチャンスがあるかわからないですけど、本人は要求に応えるためにやってくれると思います。


ーボールを運べる能力に長けるのであれば、サイドバックとして出場しても十分にプレーできるのでは?

そうですね。持ち上がっていくプレーであったり、そこから味方につなげていく、ボールを前に運ぶために(ボールを)渡すプレーもしっかりできると思います。そこは発揮してほしいところですね。


ーキャンプでは攻撃的なサイドバックとしていいプレーを見せていました。サイドバックとしての資質が見られる場面はありましたか?

監督がサイドバックにどういったことを求めているのか、正確には把握できていないですけど、今のサイドバックはボールを受けて、攻撃の起点になることも必要ですし、そこからアタッキングサードに出ていくプレーが求められています。攻撃に関してはしっかりできると思いますよ。守備面に関しては個人の力を上げていって、チームのやり方に応じてどのようなことをすべきかを高めていかなくてはいけません。ただ、それはサイドバックでも前にいても同じことです。ユースに戻ってきてから試合を見ている中ではサイドMFをすることが多いですけど、守備に関してはトップチームで要求された意識が見られます。成長していると思います。


ートップチームに登録されたことに関して、本人はどのように感じているのでしょうか?

経験という面ではなくて、トップの戦力、チームの力になるようなつもりでやろうと話しました。彼もそれはしっかりと理解した上で、キャンプにも参加しています。彼自身は、試合に出るチャンスをつかみたいと思ってプレーしているはずです。そういう意気込みを持っていると思います。


ーキャンプへの参加、今回の2種登録は、フィッカデンティ監督からオーダーがあったからなのでしょうか?

そうですね。監督は昨年ユースの試合を観てくださる機会もありました。その中で、「アカデミーの選手をキャンプに参加させられないか?」と。「(トップチームとアカデミーに関して)今年はさらに連係していこう」という話があった中で、トップチームからそういう話がありました。アカデミー側、山口素弘執行役員フットボール統括も「ユースの選手をキャンプに参加させたい」というオーダーを出していて、彼が参加することになったということですね。そこで彼がチャンスをつかんでくれたのはうれしいことです。


ーキャンプでの取り組みについて、監督から合格点をもらったと捉えていいのでしょうか?

監督がどう思っているかわからないですけど、そう受け取っていいと思います。実際に見てくださった上で2種登録という話が出たと思うので、最低限の基準は満たしているのかなと感じています。


ー利き足は?

右です。


ー得意なサイドはありますか?

左右両方いけると思います。ただ、フィニッシュは右足なので、左サイドのほうがフィニッシュに持っていきやすいと思います。


ー高校1年生での2種登録となりました。大きなポテンシャルを秘めているのでは?

僕らの立場としては、(ポテンシャルは)あると思っています。ほかにも多く候補がいますけど、今回は彼がキャンプに参加するチャンスを得て、実際に2種登録までつかみ取ってくれました。もちろん、今後に期待をしています。しかし、2種登録が最終的な目標ではなく、ここからまた力をつけて、トップチームでより必要とされるようになってほしいですね。実際に今日も練習に参加していますけど、今の時点でゲームに関わることが決まっているわけではありません。また、試合に関わったとしても、「1試合関わったからOK」というわけではないです。今の状況に満足せず、しっかり努力してほしいなと思っています。期待しています。


ー甲田選手の2種登録は、アカデミーに所属している選手にとって大きな刺激になったのでは?

なっています。そういうチャンスをつかみたいと思っている選手は、「先を越された」と言っていますしね。古賀(聡)監督もユースの選手たちに言っていますけど、トップチームに求められた時にいいコンディションで力になれる、実際に参加した時に自分の良さを出せる状態で常にいることが大事です。今回のことで、それを身に染みて感じられたと思います。ユースに所属する選手が刺激を受けられる状況かなと思いますね。


ーフィッカデンティ監督は細かな決めごとをする指揮官でもあります。甲田選手は感覚的にプレーする選手ですか? それとも論理的に考えてプレーするタイプですか?

基本的には感覚が強いタイプだと思います。トップチームではチームとしてより機能するために、細かい部分まで落とし込んでいると思いますけど、ユースに関しては個人を伸ばしていくことのウエイトが大きいです。そういう意味で、トップチームのほうが要求の細かさがあると思います。彼には振り返っていろいろな話をさせたり、書かせたりしていますけど、そこに対してもしっかりと取り組んで学んでいく必要があるとも言っていました。いろいろな刺激を受けて成長していくと思います。


ー自身の体験をレポートのように提出することもあるんですね。

やっています。感覚的な選手は感覚的な記憶だけで終わってしまいますから、自分が感じたことを整理するために、自分で振り返って書いたり話したりするようにしています。トップチームの練習に参加した時もそうですけど、代表に参加した時も実施していますよ。


ー甲田選手のプレーを現役選手で例えるとしたら?

それ難しいですね、(記事に)そのまま出てしまいそうですから(笑)。中盤で細かくタッチしながらボールを運び、フィニッシュに持っていくタイプです。誰ですかね(笑)。


ーエデン アザールと言ったら言い過ぎですよね?(笑)

(笑)。でも、タイプ的には似ていると思います。ドリブルでフィニッシュまで持っていけますから。でも、サイドバックで起用されるとなったら、アザールは使えなくなってしまいますよ(笑)。