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JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦 仙台戦 前々日監督会見

176月

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本日6月17日(月)、トヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフステージ第1戦のベガルタ仙台戦に向けて、風間八宏監督が記者会見を行いました。


風間八宏監督


―大分戦は押し込む時間帯の多い試合でした。監督としてはいい傾向だと感じていますか?

そう思います。あれで点差が付けられていれば、ものすごくいい試合、いい作品になったと思う。それくらい圧倒はできたと思います。その中で決めるところを決めないといけないし、それから我々はいつも言っている通り、そこがすべてじゃないので。もっと質を上げていかないといけない。もっとチャンスもできるはずだし、もっとピンチを少なくしないといけない。そういうところも含めて、試合の進め方、相手をしっかり見て楽にやれるようになればいいと思います。


―大分戦から中3日でルヴァンカップの仙台戦を迎えます。ある程度メンバーを入れ替える必要があるのでは?

そうだね。その後も中2日なのでね。いつも言っている通り、我々は全員で闘うチームなので。そういう意味では、今一番コンディションのいい選手たちが出るべきだと思うので、こちらもそれを見ながらやっているところ。疲労があるなら、疲労のない選手のほうが必ずいい力を出すに決まっているわけだし。いつも言っている通り、このチームとこのチームではなくて、今一番いい選手を出して闘おうと思っています。


―大分で披露したものを、そういったメンバーが引き継いでもらいたいと。

そうだね。これはいつも言っている通り、チームの中でどんどん細かい技術のところを理解してやっているので、それを全面に出してやってくれたらいいと思います。


―昨日の練習では基礎的なことをリマインドとしてやっているように感じました。

リマインドというよりも、ボールを本当に失わないという人たちは、小さい頃からボールを失ってはいけないという、失うことの怖さを知っている。だから、失ってもすぐに取れるし、そういうところだと思う。若手の何人かの選手たちは、トライすることと、失敗してもいいというところが違う。いつでも怖いんだと。それを頭の中でしっかりと「一回も取られない」と意識してやったら、それがいつの間にか怖くなくなる。そこまで突き詰めてもらわないといけないし、それは全員に言えることなんだけど、そこまで突き詰めたいね。ボールを失うことはないんだという。簡単に言うと、ボールを失うとはどれだけ怖いんだというところから入らないと。でも、そんなことはびくともしない。「取りに来い、取りに来い」と言ってくれるようになればいいから。そこまでならないといけないと思うし、そこを目指してやっていきたいと思うので。


―そのための技術を身につければ、絶対の自信を得られるということですか?

いつも言っているけど、例えばボールを持たせます。「あなたのボールはいくらですか?」と。50円だったら落としても大丈夫だよね。100万円だったらどう持ちますか? 取っていい? 本当にボールを大事にする人はそれを持って「さあ来い!」と行くわけだから。これが本当に1億円のものを持ったとして、「ここに取りに来い」と言えるくらいの自信は、毎日すごくこだわりを持ってやらないとできない。だから価値は自分で決めろということね。そういうところをしっかりやっていかないと、本当に最後の緻密な1本のパス、あるいは緻密な1本のシュート、あるいは相手を交わすところ。そういうところが全く違うものになるので。そこは意識ではなくて、明確にしていかなければいけない。いろいろなことを使って、みんな見えているので。すごく目は良くなっている。すごくはっきり見えてきた。あとはそれを実行に移せるかどうか。それは選手にも言っているけど、あとは数でしかないから。それぞれのところで臨んでほしいというところですね。


―大分戦にはエドゥアルド・ネット選手とマテウス選手を帯同させませんでした。彼らの出番はルヴァンカップに回したということですか?

そういうことではないね。まだまだコンディションが戻ってきていなかったり、このテンポに入ってきていないということ。いつも言っているけど、「2人がどう」ではない。特別な選手ではなくて、みんなが一緒の選手だから。その中でいつもの状態で彼になにを望んで、彼らをどうすると一番力を出すか。それと同時に、チームとして誰が一番いい流れを作るか。そういうところなのでね。別にそれは特別なことではないです。


―大分戦ではジョー選手が復帰し、存在の大きさを再確認できました。ジョー選手の近くにいる選手の動きも、今後は重要になるのではないでしょうか?

彼のボールのない時の動きを見ていればわかるんだけど、常に相手を動かして、フリーの状態を作り出す。ものすごく細かい作業をずっとしている。機会はないと思うけど、一回(マークに)付いてみたらわかると思う(笑)。彼は決して体でやっているわけではないから。あの大きさでそういう相手との駆け引きをものすごく理解している選手なので、そういう意味ではうちで一番場所を使わない選手。すごくいい選手なので、みんながああいうふうになってほしい。彼の周りでというよりも、みんなが同じように場所を使わずに、相手から一瞬一瞬フリーを作っていって、そこに正確な技術が積み重なっていったら、もっと驚きのあるゴールがたくさん取れると思うし、もっと驚きのあるプレーが出てくると思う。


―ジョー選手の近くにいる選手はシュートを打てる機会も多くなるのでは?

全員そうだね。だから、「誰かが誰かを引き寄せたら誰かが空きますよ」なんてサッカーはやっていないから。全員がその瞬間、その瞬間にフリーなる。何人フリーになるか。それは人との駆け引きで、場所を探すのではなくて、人を外すということ。それが全員できれば、どれだけ密集になってもね。グラウンドの中に2000人いるといわれたらそれは無理だけど(笑)、11人なのでね。必ずフリーになれる。そこはテクニック。


―よく「ポジションは関係ない」と語っています。そういう意味ではDFがゴールをしても全然おかしくないと。

そう。タイミングをもっと覚えていってね。これは本当に緻密なところなので。前半はボールを持てているんだけど、場所、場所、場所と空いている場所に逃げているだけ。後半にあれだけチャンスを作っている時は、場所を使っていないし、人を外しているので。そのためには「いつ動く」というのがすごく大事だし、「どう動く」というのがすごく大事。それをずっとやっているので。それはまだまだ。先は相当長いし、限りはないことなので。それがみんなできるようになったら、本当にフリーの選手がもっと出てくる。もっと楽に出てくる。今度はそれと同時にそういう動きの中で見逃さない出すほうの技術ね。それももっと要求される。だからいつも言っているけど、俺たちの技術に限りはないので。このくらいでいいというのはないので。それはずっとみんなで突き詰めて、そこの部分は本当に個人でやってもらわないと。チームでやったって10回か20回でしょ。1人でやったら1000回でも2000回でもできるから、そういうところをみんなでやっていきましょうというチームです。


―ジョー選手が不在の間は苦労した試合が多かったです。ジョー選手が出場しない時には、全員がそういった意識を持って、プレーすることが必要になると。

どちらにせよ、どういう形でも一緒なので。それができるかできないか。ジョーがいるいないではなくて、それができるかできないかで試合は大きく変わってしまう。ボールを持つことはもうできるようになっている。それをできるかどうかは、そこが本当の人のクオリティーになってくるので。そこをみんなに求めるし、それからみんなもそれを理解しているから。理解していなかったらできるようにならないけど、理解してトライしているから、それでいいと思います。


―「みんながジョーになれ」というのは難しいかもしれないですけど、ジョー選手の人の外し方は他の選手の参考になると。

もう背は高くならないからね(笑)。彼は一番サンプルになる選手だと思います。


―先日敗北を喫した仙台との試合になります。「もう一度負けてはいけない」という気持ちはありますか?

いつもそうだけど、一つひとつの試合の中で成長していかないといけない。それからしっかり勝つことは同じで、負けも本当は自分たちが負けるわけがないと思ってやっているわけだから、そこはどんな相手でも関係ない。自分たち次第なんでね。それはいつも言っていること。今まで、何かを意識してやった試合は1回もない。一番はなにかというと、俺たちが本当に練習をしてきてやってきたことがやれたのかということ。やれた試合は全部素晴らしい試合になっている。そこが一番、俺たちの中では大きな課題でもあるし、大きな敵なんでね。そこにしっかり目を向けてやっていきたいと思います。

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