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玉田圭司「これからも楽しく生きていきたい」

612月

ー今シーズンはどのような1年でしたか? 

ジェットコースターのようなシーズンだったんじゃないですか。前半戦で勝ち点を一桁しか取れなかった中でJ1に残留できたというのは、このクラブにとってすごく大きなことだと思います。やっぱりJ1とJ2では違うから。本当に残れたことを次のシーズンに生かしていかなければいけないと思います。 


ー個人としても多くのことを考えさせられたシーズンだったのではないでしょうか。 

こんなにも「1勝することが難しい」と思ったシーズンはないですね。選手生活の中で、最も「勝つためにどうすればいいか」を考えさせられたシーズンでした。 


今シーズンでチームを離れることが決まりましたが、ショックというのはそこまでなかったですね。これも人生だと思う。自分が思ったようにいかないものだし、俺はそういう人生が好きっていうのもあります。こういうことがあると、うれしいことがあればその時に感じるうれしさが何倍にもなるものですよ。俺自身、そういう経験を何度もしてきたしね。だから、俺っぽいのかなとも思います。これはサッカーに限ったことではないですよ。人生だから。いろいろと成長するためには必要な経験だと思うし、俺自身もまだまだ成長できると思っているから。乗り越えられない人にこういう経験は訪れないはずだしね。これからも俺は楽しく生きていきたいと思います。 


ー2017シーズンに復帰してからの2年間で、一番の思い出を教えてください。 

昇格や残留っていう出来事はあったけど、何よりもいろいろな選手とプレーできたことが一番の思い出かもしれません。選手の入れ替わりもたくさんありましたからね。


ーサッカーの楽しさを改めて実感した2年間でもあったのでしょうか?

そうですね。すごく楽しかったです。いろいろと考えることが多い2年間でしたけど、それもそれで楽しかったかな。


ー新たな楽しさを発見できた理由はどこにあるのでしょうか?

これは誰かに教えられたものではないと思います。練習をやっている時にふと思いついたものもあったし、いろいろなサッカーを観ながら学んだものもあります。名古屋に単身で来ていたから、一人の時間が多かったんですよ。その分、考える時間も多くあって、いろいろなサッカーを観る時間も増えました。もちろん、家族と過ごす時間が一番ではあるんだけど、単身であったからこそ新しい発見があったのかもしれないし、ある意味でそれがプラスに働いたところもあったと思いますね。


ー改めてファン・サポーターと接した時間を振り返ってみていかがですか?

2年前に戻ってきた時、「帰ってきてくれてありがとう」という言葉をたくさんもらって。泣いてくれた方もたくさんいました。そういう姿を見ると俺だって燃えるし、「このサポーターのためにやってやる」って気持ちになる。その中で去年、J1に昇格することができました。少しは貢献できたのかなと思います。


ー最後にファン・サポーターにメッセージをお願いします。

本来であれば、皆さんに直接報告しなくてはいけないことだったと思います。そこだけは本当に残念です。11年間も在籍できる選手ってなかなかいないと思います。愛されたと思っていますよ。2006年に移籍してきて一度離れて、また戻ってくることができて、良かったなと思います。皆さんには辛い時も、いつも支えてもらいました。大きな励みになったし、自分の力以上のものを出せた時だってあります。間違いなくそれは、皆さんの力のおかげです。本当に感謝しています、ありがとうございました。