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【The Scene】第24節浦和戦(丸山祐市)

278月

選手が自身のプレーを振り返り、瞬間的に思い描いていたイメージやその選択に至った理由を明かす『The Scene』。今回は26日(日)の浦和戦で攻撃的なプレーを披露し、逆転勝利に貢献した丸山祐市にフォーカス。最終ラインから見えていた景色や攻撃の糸口となった配球について語ってもらった。


―昨日の浦和戦で勝利を収め、リーグ戦6連勝となりました。

毎試合、決勝戦に臨むような気持ちで戦ってきた結果だと思います。様々なメンバーが起用されている中で勝ち続けられているというのは、チーム力がついてきたというか、チーム一丸となって戦えている証拠なのかなと感じています。試合に出ているメンバーがピックアップされがちですけど、試合に出られないチームメイトの存在なしでは、6連勝という結果はなかったと思います。僕自身、FC東京に在籍していた前半戦は、主力組の相手としてトレーニングに臨むことが多かったですけど、常に「試合に出て勝ちたい」という強い気持ちを持ってやっていました。そういった想いを持って取り組むことで、チーム内の競争が激しくなり、試合に絡んでいるメンバーも「自分もしっかりとやらなくてはいけない」という気持ちになります。全員が高い意識を持って練習に取り組めていることがポジティブな雰囲気で戦えている要因だと思います。


―まずは立ち上がりに迎えた決定機の起点となったシーンから振り返っていただきます。ガブリエル シャビエル選手からボールを受ける前、前線を二度見ました。この時は何を確認していたのでしょうか?

最初は武藤(雄樹)選手のポジショニング、距離感を確認しました。最終ラインのボールを狙ってきている印象がありましたから。その次にジョーのポジショニングを見ましたね。


―ボールを受けた後には中央やサイドにボールをつける選択肢もあったと思います。

はい。ただ、ジョーが相手の裏で受けられる状況ができていたので、スルーパスを通そうと。この場面でもそうなんですけど、(金井)貢史はいつも変なところにいるんですよ(笑)。ただ、その動きにより岩波(拓也)選手が釣られ、相手のディフェンスラインにギャップが生まれたんです。


―縦パスの質はイメージ通りでしたか?

そうですね。グラウンダーだと引っ掛かってしまう可能性がありましたし、ボールが走るピッチ状況も踏まえてショートバウンドさせるボールを選択しました。ゴールに直結するようなパスが出せたと思います。また、最終ラインを高く保っていた浦和に対して、“背後への脅威”を与える上でも効果的なシーンだったと感じています。槙野(智章)くんをはじめ、相手には前に強いDFが多かったですからね。最終ラインの選手にとって裏を取られるのはすごく嫌なことなので、そういった意図も含めて裏へのボールを選択しました。


―しかし、訪れた決定機を生かすことができませんでした。その中で迎えた22分、オウンゴールで先制点を奪われてしまいます。

先に失点をしてしまうと難しい試合展開になります。でも、仮に取られてしまったら「これ以上はやらせない」と切り替えてやるしかありません。ただ、先制は許したものの、焦りはありませんでした。それがいいのか悪いのかは分からないですけど(笑)、チームとして得点を取る自信がありましたからね。


―小林裕紀選手とは何か話しましたか?

(小林)裕紀くんは責任感が人一倍強い選手なので、失点直後は落ち込んでいましたけど、多くの時間が残っていたので切り替えてやろうと。ちなみに、今日の練習で「すごくいいヘディングでしたね」といじったら、「ああやって決めんだよ」と言っていました(笑)。昨日の試合後に一番ホッとしていたのは、間違いなく裕紀くんだと思います(笑)。

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