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3/6(月)長谷川健太監督トレーニング後コメント

63月
3月6日(月)、練習後の長谷川健太監督監督のコメントをお届けします。

長谷川健太監督


ールヴァンカップの初戦を迎えます。

今年はレギュレーションが変わって、各グループ2位まで(が無条件でプレーオフステージに進出)という形ではないので、しっかりと1位通過を狙えるように闘っていかなければいけないと思っています。


ーリーグ戦では2勝1敗といい流れでもあると思いますが、メンバーを代えながら持続するのは難しいことだと思います。どうチームをコントロールしていこうと考えていますか?

選手たちには「チャレンジしろ」と言っていますので、こちらもいろいろな意味でチャレンジしていきたいと思っています。


ー若い選手への期待は?

皆さんも練習試合を観ているのでおわかりだと思いますが、若い選手で練習試合でアピールするような選手がいるとはまだあまり思えないので、現実的なメンバーで闘っていきたいと思っています。


ーそこまでターンオーバーをするような形にはならなそうでしょうか?

一応、そういうふうに考えています。


ー対戦するヴィッセル神戸もどういうメンバーでくるかわかりませんが、リーグ戦ではいい勝ち方をしています。

今、状況的に非常にいいチームだと思います。我々の戦いをしっかりとしながら、勝てば大きな自信になると思います。アウェイの戦いで、しっかりと勝点を持って帰ることを最低限に考えながら、勝利を目指して闘っていければと思っています。


ー攻撃面ではいい流れができ始めていると思います。メンバーを入れ替えながら継続していくためにどんなことを表現してもらいたいですか?

チームとしてやろうとすることは、誰が出ても変わらないので、メンバーが代わっても意識して取り組んでもらいたいと思っています。もちろん、今出ているメンバーにしか出せないコンビネーションはありますが、逆に違うメンバーが合わさることによって、化学変化ではないですが、いろいろな可能性が見えると思いますので、出る選手には思いきってプレーしてもらいたいと思っています。


ー今大会は「U-21選手の先発出場義務ルール」があります。甲田英將選手が世代別の日本代表の活動に参加しているため、神戸戦は適用外となりますが、今大会をとおしての起用法についてはどのように考えていますか?

基本的に今までも、昨年も若い選手を使ってきていますので、若い選手が公式戦を経験する、一つ大きな大会だと認識しています。ただ、今回はおっしゃられたとおり、甲田が代表に選ばれているので適用外になります。本当は使いたい若手が出てきてほしいですが、無理に使うものではないと思っています。勢いのある若手が出てきたら使っていきたいとは思っています。そうでないのに無理にメンバーに入れるとか、先発で使うということはないと思っています。


ー対象になる若い選手に言葉を掛けたりしているのでしょうか?

していないですね。それは自分でつかむものだと思いますので。練習試合にしても「ここで評価するよ」という話はしています。例えば、ベンチに入ってもあまり出場時間がなかったり、全く出番がなかった選手に対して、遠征のあとに練習試合を組んだ時なんかは、「コンディションが悪くていつもの自分の力を出せないと自分自身で判断するのであれば、試合をやらなくていい」という話をしています。ただ、「やります」と言ったからには、やれるということでこちらも判断するよと。我々はやはりゲームの中で判断していくしかないと思っています。もちろんトレーニングの中でも判断しますが、練習試合は一つ大きな判断材料になると思っています。そこでしっかりとやれるかやれないか。やれる選手に関してはしっかりと評価をしていきたいと思っていますし、やれない選手に関しては評価を下げる、メンバーに入っていてもメンバー外になる可能性があるよと。もし「やる」と自分自身で判断するのであれば、そのくらい責任を持ってやってくれという話を常々しています。選手それぞれがそういう場で評価されているんだと、十分理解してくれているということで、こちらとしてはメンバー選考をしていきたいと思っています。


ー前節のサガン鳥栖戦では野上結貴選手が右ウイングバックで出場しました。ルヴァンカップは今までなかなかできなかったこと、やりたいけど……、と思っていたことを試すような場にもなりますか?

それはメンバーを見ていただければわかると思います。スタメンが出た時に、「こういう意図なんだろうな」とわかっていただけるような布陣でいきたいと思っています。


ー相手もどんなメンバーでくるかわからないという点では、先に自分たちの形を出してほしいというのが監督の考えでしょうか?

そうですね。今シーズンに関しては。前節はスタッツ的にはパスの本数がだいぶ増え、鳥栖がああいう形で朴(一圭)が出てくるような戦い方をする中で、ポゼッション率もあまり変わりませんでした。パスの成功率も第1節、第2節より上がっています。運動量がもっと少ないかなと思ったのですが、鳥栖が多かったのであって、うちのスプリント回数や運動量が第1節、第2節よりも減っていたわけではありません。しっかりと動けていて、ボールを動かせる回数は増えてきていると思います。あとはこれはどこが相手でも同じですが、最後の部分のクオリティをもっと上げていかないと、もっとビッグチャンスを作るということにつながっていきません。神戸相手でも、しっかりと運びながらも、最後の部分。今の神戸は非常に守備が堅いので、最後のクオリティを上げていかないと、得点を奪うということにつながっていかないのかなと思っています。そこはコンビネーションだけではなく、個の力というところにも期待していきたいと思っています。それぞれが持っている個人の力を最後のところで思う存分に出してほしいと思っています。


ー前節の試合後に「鳥栖のほうが気迫が上回っていた」、「移動がある中で、そこで勝っていかないと」という話がありました。日程が詰まっている中でのアウェイ連戦では、選手たちにどういうメンタリティで向かってほしいと考えていますか?

今話したように、運動量が第1節、第2節よりもだいぶ少ないかなと思っていたら、意外とそうでもなかったので、数字的に見ると動けてはいたと。ただ、鳥栖のほうがスプリント回数や走ったディスタンスに関しては多いので、そこで負けていたというところは、正直に数字が表していると思います。こちらがいくら数字を落とさなくても、相手のほうが気迫、気持ち的に上回って、走るとか、基本的なベースの部分で負けていたらやはり勝てません。第1節、第2節は、京都(サンガF.C.)にしても横浜(FC)にしても、そこの部分で上回っていた部分があると思います。前節は、鳥栖が昨年から勝てていないというのもあったと思いますが、そういう気迫の部分で、最後のところで決めきれなかったり、セットプレーからでしたが、「なんとかホームで」という部分に、最後に少し圧されたのは否めないと思います。そういうところを含めて、しっかりと相手の攻撃を抑えつつも、仕留めるところで一発合わせて仕留められるかどうか。そういうところで相手のバランスが崩れて、追加点につながっていくと思います。選手たちにも客観的な数字の話をして、動けていなかったわけではないと。ただ、相対評価で向こうのほうが数字が上なのはたしかなので、いくら自分たちが変わらないと言っても、相手に上回られてしまうと負けてしまう可能性が高くなります。そこでもしっかりと負けないという部分。あとは前線に入る回数は増えてきていますので、そのあとのクオリティというところ。京都戦みたいにピタッと合えば得点になると思います。今回はキャスパー(ユンカー)が(永井)謙佑に出したパスがちょっと長かったりとか、クロスがちょっと合わなかったり、マテウス(カストロ)のシュートの感覚がまだ合っていないですが、そういう感覚をそれぞれが合わすということで、クオリティの違いを出していけると思いますので、あとはそこをやっていこうという話をしました。


ー速い攻撃を出す中で、前線にいる選手のクオリティの高さによって彼らだけでいけてしまう時と、いかずに作り直したほうがいい時の判断がすごく重要になるかなと思います。

おっしゃるとおりです。そういうシーンを映像で見せて、「ここはいかなくていいんじゃないか」と。ファストブレイクという言葉が先行していますが、「なにがなんでも速く攻めろ」と言っているわけではありません。奪ったあと、相手が整う前に速く攻めなければいけないので、そこを大事にしようと。逆に一旦相手を引き出すような形でビルドアップした時には、当然、時間的には掛かっているわけですから、「極端な話、5分でも10分でもボールを回していていいんだよ」という話もしました。だからそのいく、いかないの部分。ゴール方向ではないほうの裏で起点を作って、そこで一回相手を押し込むような、そういう部分で押し込んでもいいのではないかという。そこで押し込んで、もっと相手のディフェンスラインの背後を狙うような攻撃を仕掛けていくと、さらに押し込んでボールを奪って、という展開に持ち込めると思います。そういう部分の確認ができたという意味では良かったと思いますので、それを試合に生かして、うまく全体が共通認識のもとでゲームを運べるようになってくると、さらにゲームマネジメント的に洗練されていくのではないかなと思っています。そういうタイプのボランチが一人いれば、その選手がコントロールしながら、という形になると思いますが、なかなかそういう感じの選手はいません。それでも、自分たちでやっていけばやれないことではないと思うので、そこの判断をしっかりと合わせていくという作業が今後必要になると思っています。