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EUROJAPAN CUP 2022 ASローマ戦 前日監督会見

2411月
11月24日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、11月25日(金)に行われるEUROJAPAN CUP 2022 ASローマ戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー今回の試合は「お祭り」みたいな部分もありますが、今シーズンのラストゲームという面もあり、いろいろな感じ方があると思います。長谷川監督はどのように位置付けていますか?

今シーズン最後のゲームなので、やってきたことをしっかりと出せるように闘っていきたいと思っています。


ー最近は負傷離脱のリリースがいくつかあり、メンバーが限られると思います。選手起用についてはどのように考えていますか?

やれる選手でしっかりとやっていきたいと思います。今回、交代の回数は3回でいつもと同じですが、メンバー交代は15人まで可能なので、ベンチに入ったメンバーは全員出していきたいと思っています。


ー若手を起用するいい機会でもあり、シーズンをとおしてやってきたことの中に彼らを入れるという意味でも貴重な機会かなと思います。

ヨーロッパのトップリーグのチームとやれる機会はそうそうないので、自分たちの持てる力を存分に出していければと思っています。


ーASローマの分析をされていると思います。どのような部分で自分たちの武器を出していきたいですか?

昨日の(ワールドカップの)ドイツ戦もそうですが、日本人の特性というところ。組織的ないい守備からいい攻撃と。後半になって守備がハマりだして日本のサッカーが動き出したと思うので、そういうところを全面に出すような闘いをやっていきたいと思っています。


ー監督も昨日の試合はかなりエキサイトしましたか?

ドイツに勝ってくれたという、日本サッカー界にとっても本当にうれしい結果だったと思います。あと2試合、なにがなんでも勝点を上積みして、決勝トーナメントに進出してほしいと思っています。


ーチームの積み重ねという点で表現したいことはいろいろあると思います。今回の試合でどんなことを出してほしいですか?

ローマも堅守速攻のチームだと思います。インテンシティの高い試合をしてくると思うので、そういうチーム相手に負けないこと。本場の強さというものを肌で感じ、そこで自分たちの現在地を確かめる部分もあると思います。そういう中で少しでも高めて、相手を上回って、結果としていい形で締めくくれるように闘っていきたいと思います。


ーJクラブはAFCチャンピオンズリーグでアジアのクラブと闘う機会はありますが、ヨーロッパのクラブと闘う機会はそれほどないと思います。アジアのクラブとヨーロッパのクラブで、どのような違いがありますか?

間合いや判断の早さは、Jクラブとヨーロッパのチームで違うと思います。あとはパスの強さ。自分たちの時はフレンドリーマッチでヨーロッパのチームとやる機会があったのですが、最近はそういう機会が減ってきて、なかなかそういうチャンスがなかったと思います。(ヨーロッパのサッカーを)観ていたり、いろいろな話を聞いていても、パスの強さや寄せの速さ、判断の早さはJクラブと違う部分だと思います。最初の15分でしっかりと感じて、慣れてほしいなと。そうすれば、しっかりと闘っていけると思うので、ファーストコンタクトがすごく大事になる試合なのかなと思っています。


ー「自分たちの時」というのは、監督が現役時代の話ですか?

そうですね。現役時代だったり、清水(エスパルス)時代もありました。トッテナム(イングランド)などのヨーロッパクラブやリーベル(・プレート/アルゼンチン)とも試合をしましたし、いろいろなチームが参加していました。予選で負けてしまいましたが、ヨーロッパや南米のチームと試合をする機会がありました。ガンバ(大阪)やFC東京時代は、スルガカップ(スルガ銀行チャンピオンシップ)で南米のチームと対戦する機会はありましたが、なかなかヨーロッパのチームとやる機会はなかったと思います。本当に貴重な体験というか、機会を与えてもらったと思っています。


ーローマの選手の中で、注目している選手はいますか?

FWの(タミー)エイブラハム選手やボランチの(ネマニャ)マティッチ選手。あと名前を忘れてしまったのですが、イタリア代表の22番の選手(ニコロ ザニオーロ)は楽しみな選手ですね。守備では(クリス)スモーリングらがいるので、どのくらい自分たちの攻撃が通用するのか、というところは見てみたいなと思います。


ー今シーズンは連勝といういい形で終われて、一区切りついた段階でシーズンの振り返りをされたと思います。そういった部分はこの2週間でどう生かしてきましたか?

今回の試合は、名古屋グランパスとしても非常に力の入る試合です。ローマも(トレーニングウェアに)トヨタのロゴが入っていますし、そういうつながりもあってクラブ的にも「しっかりとやってもらいたい」という思いが強いです。選手たちは1週間の休みのあとにしっかりとトレーニングをしてくれたと思います。気持ち的には難しい時期の試合ではありますが、先ほども言ったようにこんなに貴重な機会はなかなかありません。それぞれがいい機会、チャンスだと思って、限られた時間の中で自分の持っているすべてを出してもらいたいと思います。


ー今シーズンの締めくくりという面だけでなく、来年のスタートという面もあると思います。

「来年のスタート」と言うのは難しいですが、ずっと積み上げてきて、来シーズンに向けてやってきているので、引き続き今シーズンでやってきたものを出していきたいです。それがヨーロッパのトップリーグのチームに対してどこまで通用して、どういうところが足りないのか。現在地を知る上でも非常に大事な試合になると思います。


ー今回出る選手にはこの試合をどう生かしてもらいたいですか?

ピッチに立つだけでいろいろな刺激があると思います。パッと相手ベンチのほうを見たらモウリーニョさんが立っているわけですから、そういう経験はなかなかできないと思います。そういう雰囲気の中でプレーするだけでいろいろな刺激があるのではないかなと思っています。なので、持てる力をすべて出して闘ってもらいたいと思っています。


ーワールドカップのドイツ戦では長谷川監督が指導された選手も出場していました。特に堂安律選手のゴールはうれしかったのでは?

律のゴールも非常に良かったですが、なによりも日本代表が勝ったことで現在地を示してくれたと思いますし、我々にも大きな力を与えてくれました。それに負けず、明日の試合は頑張っていきたいと思っています。


ー指導した選手が世界の舞台で活躍する姿をご覧になっていかがですか?

指導したことは別にして、純粋に日本代表のサポーターとして皆さんと同じ気持ちでテレビの前で応援していたので、「教え子がどうか」というのは気にしていません。「日本代表が得点を挙げた、勝利を挙げた」という目線でしか見ていないので、あまりそういう感情はないです。


ーモウリーニョ監督と長谷川監督は3学年差で、お互いに2000年に指導者のキャリアをスタートした同世代の指導者です。どういった印象を持っていますか?

世界トップレベルの指導者だと思っています。モウリーニョさんが書いた本も昔読みましたし、一世を風靡した監督だと思いますので、明日試合をするのが非常に楽しみです。


ーヨーロッパの監督の指導法や練習法を取り入れることはありますか?

自分自身もヨーロッパに行ってトレーニングを見た経験もあります。ただ、いろいろと淘汰されていくものです。やってみて自分のサッカーに合うか合わないかなので、どの練習を今使っているのかは自分でもあまりよくわかっていません。必要な練習だけ残っていく感じですかね。誰でもそうだと思いますが、初めは見て真似して、少し違うと思ったらまた工夫して、といろいろな変遷を辿っていくと思います。自分で考えた練習もありますが、実際に見に行って「こういう練習があるんだ」と取り入れている練習ももちろんあります。


ー例えば、どんなことを取り入れたのでしょうか。

それは言えません。


ー「ベンチに入ったメンバーを全員使いたい」とおっしゃっていました。若い選手たちにはこの試合をとおしてどういった飛躍を遂げてほしいと考えていますか?

若い選手はいろいろな刺激を受けることで伸びると思うので、いろいろな刺激を受けてもらいたいなと思います。


ーなにか一つのことというよりも、総合的な部分で刺激を受けてもらいたいということですね。

はい。実際に(トップレベルの選手と)同じピッチに立つことで雰囲気は伝わってくると思いますし、感じることがあると思うので、それぞれがなにかを感じて、今後のプレーに生かしていってほしいと思っています。


ー監督は以前、「ドーハの悲劇は悲劇じゃない。日本サッカーはあの経験をきっかけに大きく成長した。それを考えると悲劇ではない」とおっしゃっていました。昨日のドイツ戦はドーハの悲劇で悔しい思いをした長谷川監督の教え子である堂安選手が同点ゴールを挙げて、逆転勝利に貢献したということで日本サッカーの成長という意味でも大きな意味があった試合だったのかなと思います。

そういうことで言えば、ラストの勝っている状況の中でしっかりと勝ちきったということ。ドーハの悲劇と言われている試合に森保(一)監督は選手として出ていていました。(昨日は)あそこで追い付かれるか、勝ちきるかというのはこの予選を考えても大きかったと思います。リードしている状況で、セットプレーを含めて危ないシーンはあったと思いますが、そこで勝ちきったというのは森保監督にいろいろな思いがあって、その思いが出ている選手たちに伝わったのかなと思います。


ードーハの悲劇世代の1人として感じることはありますか?

森保監督も「まだ1試合」という話をされていましたし、予選をしっかりと勝ってベスト8以上というのが日本代表の目標でもあるので、ぜひその目標を叶えてもらいたいと思っています。