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明治安田生命J1リーグ第34節 C大阪戦後 監督会見

511月
11月5日(土)、明治安田生命J1リーグ第34節が行われました。名古屋グランパスはヨドコウ桜スタジアムでセレッソ大阪と対戦し、1-0で勝利。試合終了後、長谷川健太監督が会見に臨みました。

長谷川健太監督


相馬(勇紀)選手が決めて良かったと思います。最後の試合で4位のセレッソ大阪相手に、しっかりと勝つことができたというのは積み上げてきた成果だと思っています。前半は苦しい時間もありましたが、しっかりと耐えるところは耐え、後半のゲーム展開に持ち込むことができたと思います。今日、来られなかった選手、出場がなかった選手も含めて、全員の力を今日の試合で出せたと思っています。


1年間、ファミリーの皆さま、ここにいる記者の皆さま、本当に応援していただきありがとうございました。中盤までどうなるかわからないシーズンでしたが、中盤以降で少しずつ勝点を積み上げることができました。中盤戦以降は自分たちの狙ったサッカーができる試合も増えてきましたが、まだまだ足りなかったと思います。来シーズンはさらにパワーを上げられるよう、みんなで頑張りたいと思います。


ー今日はチャンスを与えたい選手が何人かいると話されていました。その選手の評価をお聞かせください。

ナウド(レオナルド選手)は起用したかったのですが、そうした状況になる試合がなかなかありませんでした。今日はよく闘ってくれたと思います。起点になっていましたし、ゴールこそありませんでしたが、一定の力を出してくれたと思います。


ー耐える時間が多く攻撃に出られない展開でしたが、ゲームのマネジメントとしてはどう考えていたのでしょうか?

奥埜(博亮)選手と鈴木徳真選手が中央、どちらかと言えば鈴木選手が1アンカー気味で奥埜選手がインサイドハーフ、清武(弘嗣)選手と2シャドーのような形での4-1-4-1という形を取るのがセレッソ大阪のここまでの戦いでした。しかし、今日は奥埜選手がいなかったことで清武選手がもっと前に来るかと思っていたのですが、ダブルボランチのように立っていました。そこで、清武選手を警戒するあまり、こちらのインサイドハーフが高い位置へプレッシャーを掛けることができず相手にボールを持たれる時間が多かったように思います。「後半はもっといけ」という話をして、特にインサイドハーフが相手のサイドバック、松田(陸)選手と舩木(翔)選手にプレッシャーを掛け出してから、バランスは良くなったと思います。前半にピンチとなったシーンは、自分たちでつなごうとして奪われてからが多かったので、後半はボールを動かす位置を話して、仙頭(啓矢)が非常に気の利いたポジションを取ってくれたと思います。彼が少しためることで、前線にいいボールを、特に相馬への大きな展開や、前線の選手を動かすようなボールを出し、展開が変わりました。前半、うまくいかなかった中でもディフェンスラインを含めて耐える部分で耐えたことが後半につながったと思います。


ー相馬選手のゴールを含めた今日の評価をお聞かせください。

今日は「皆さんに期待されている」、「やらなければ」と気合いが入っていたと思います。そういう意味で今日はなにも言うことはありません。守備の部分でも彼の良さが出ていたと思いますし、攻撃の部分でも仕掛けるプレーが多く、終盤には(相手キーパーの)退場を誘う飛び出し、ゴールも決めて言うことはありません。本当に、代表選手らしいプレーをしてくれたと思っています。


ー相馬選手の決勝ゴール後、すぐに試合が終わりました。なにか言葉は掛けたのでしょうか?

「今日は仕掛けろ」という話をゲーム前にして、「わかっています!」という感じでしたので、特になにか特別なことを言ったということはありません。


ー来シーズンへ向けた課題として得点が挙げられるかと思います。今シーズンからの積み上げとしてなにをお考えでしょうか?

最後、クロスから得点が入りました。サイドから点を取るという形を作らなければ、中の攻撃も生きてこないと思います。グラウンダーの速いクロスからの得点は今年もあったと思いますが、いいクロスをヘディングで仕留めるというゴールはあまりありませんでした。サイド攻撃をもっとブラッシュアップしていきたいと思います。今日は仙頭が入ってから、中でのスルーパスなど裏へのボールをみんな狙っていましたし、そのあたりの仕掛ける意識は高まってきていると思います。引き続き、そうした部分の磨きをかけていきたいと思います。


ー最終戦、勝つか引き分けるかで順位も含め大きな差がある試合でした。勝利したことの意味を、来シーズンへつながる部分も含めどう捉えているのでしょうか?

けが人が戻ってきたこともあるのですが、終盤に酒井(宣福)を入れました。前節は点を取りましたが今日はベンチスタートで、酒井と永井(謙佑)を途中から使えるということは、中断期間中に補強し、選手層が厚くなった部分だと思います。そういう意味では、終盤で相手が10人になっても展開が変わらないのは寂しいですし、押し込む展開が増え、ゴール前での迫力も出てきたと思います。最後、10人の相手を仕留めることができたのは大きかったと思います。宮原(和也)も終盤から出てクロスで何度かチャンスを作っていました。思うように点の取れないシーズンでしたが、リーグ終盤でこうやって点を取って上位のチームにも勝ちきることができたのは自信になると思っています。


ー失点数がJ1最少タイですが、総得点数は「30」と得点数が少ないシーズンとなりました。このアンバランスを修正していくのは難しい作業なのではないでしょうか?

今年はクバ(シュヴィルツォク)がいませんでした。シーズン中に戻ってくる可能性もあったのですが、B検体でそれもダメになり、戻ってこられなくなりました。昨年、リーグ戦、半分のシーズンで7点取った、そして10点は取れる可能性のある選手がいなくなりました。前田直輝選手も昨年は3得点(リーグ戦)、山﨑(凌吾)選手もいなくなりました。(ガブリエル)シャビエル選手もいなくなった、昨年より明らかに攻撃のメンバーが少なくなった状況でスタートしています。私としてはやれることはやったと思います。ディフェンスラインもキム ミンテ選手が鹿島(アントラーズ)へ、木本(恭生)選手がFC東京へ移籍しました。もちろん入ってきた選手もいましたし、河面(旺成)選手も頑張りましたが、先に言った2選手に比べるとやはり経験値の面で勝てません。昨シーズンはACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出ていたということもありましたし、出場のない今シーズンもそのままのメンバーで、というわけにいかないのはわかりますが、攻撃的なメンバーでそれだけ少なくなった、そしてけが人もあり、前半戦はメンバーがそろいませんでした。(石田)凌太郎もレンタル移籍から戻しましたが、本来はFWの選手ではありません。マテウス(カストロ)も本来はFWの選手ではありませんが、前で使わざるを得なかった。「どうやったら点を取れる?」と記者の皆さまにもよく聞かれましたが、現場は現場で点を取るため、スタッフも含めてよくやってくれたと思います。中断期間中に、クラブも今年は予算のない中でよく選手を獲得してくれたと思います。来シーズンはどこまでクラブがやってくれるか期待しつつ、現場は「人がいないから点が取れません」では話になりませんので、人がいなくてもしっかりと積み上げて点を取れるように。チャンスの数を増やすことで得点も増えてくると思いますし、そこは現場の責任としてしっかり準備をしたいと思います。ただ、30得点で勝点46を獲得しました。「30得点しかしていない」という批判はありますが、少ない得点でも勝点46を獲得したことも評価してもらいたいです。メンバーをコンバートし、システムも途中から4バックを3バックに変更し、なにがグランパスにとって適しているのか試行錯誤を続けました。それがダメだったのなら監督として責任を取らなければいけないと思いますが、その状況で選手が応えてしっかりと闘ってくれました。夏の移籍市場がオープンになった時期にメンバーが加わったということもありますが、開幕からいたメンバーも、「このままではいけない」と頑張ってくれました。もちろん、まだまだ物足りない、名古屋のサッカーはこんなものではないという意見はわかっていますし、そこはなんとかしなければいけないと思っていますが、点が取れない、それは仕方がない。今の形で5得点しろと言われてもそれは難しいです。サッカーはまず勝たなければいけない、残留もしなければいけない、もちろん優勝も狙わなければいけない。今シーズンは中盤でもう狙える位置ではなかったので、その部分は割りきって勝点を取るためにどうしなければいけないのかを現場として考えなければいけません。それでダメなら責任を問われますし、現場としては預かったメンバーのフルパワーをどうやって出すかを考えています。10得点以上できる選手を獲得しないと、シーズン50得点はできないですし、優勝も争えないと思いますので、そこは点を取れる選手を補強することもしなければいけません。クバが抜けた穴は大きかったと思います。それでも、その穴を埋めるため選手は頑張ってくれたと思います。そこはそこで来シーズンも続けつつ、補強という面でクラブに頑張ってもらい、優勝を狙えるような陣容で来シーズンを闘いたいと思います。