NGE

10/28(金)山口素弘GMオンライン記者会見

2810月

10月28日(金)、シュヴィルツォク選手に対してAFC(アジアサッカー連盟)から処分が下されたことを受け、山口素弘GMがオンライン記者会見に出席しました。


■山口素弘GM

本日、AFC(アジアサッカー連盟)よりシュヴィルツォク選手に対して、ドーピング規定違反によりすべてのサッカー関連活動に関し、4年間の活動禁止処分が発表されました。シュヴィルツォク選手はAFCチャンピオンズリーグ準々決勝の浦項スティーラーズ戦後に行われたドーピング検査において採取されたA検体から禁止されている物質が検出され、同時に採取された別の検体(B検体)においても禁止されている物質が検出されました。この結果を踏まえ、先ほどご説明したとおり、すべてのサッカー関連活動に関して4年間の活動禁止という処分が下されました。4年間というのは、シュヴィルツォク選手に暫定処分が決定された2021年12月9日から起算される形となります。シュヴィルツォク選手は昨年7月にグランパスに加入し、チームのために全力でプレーしてくれました。クラブとしては彼には感謝の気持ちを持っていますが、今回起こってしまったことに対しては非常に残念に思っています。なお、シュヴィルツォク選手とクラブの契約につきましては、現在弁護士を通じて協議中となります。


■質疑応答

4年間の活動禁止という厳罰と言える処分が下ったことについて、どのように受け止めていますか?

山口 先ほども話したように、皆さんもご存知のとおり加入後にいいプレー、すばらしいゴールを重ねてくれました。クラブのためにプレーしてくれたことに関して、クラブとして感謝しています。ただ、今回こういう処分が下され、残念な結果になってしまった。それが本音かと思います。


ドーピングに関する調査もされているかと思いますが、どういった禁止薬物なのか、どういった経緯で摂取することになったのかなど、どのような結果が出ているのか教えてください。

山口 基本的に調査はAFCに委ねています。なにが検出されたのか、どういうものだったのかなど詳細については、クラブに届くというよりもシュヴィルツォク選手個人に通達があるという話になっています。我々は詳細について認識できていない部分もあります。ドーピングに関してAFCは個人の問題と捉えているのかなと認識しています。


クラブとしてドーピングに関する管理、周知もされていたかと思います。彼との間にどういったコミュニケーションがあったのでしょうか?

山口 チームとしてはシーズン前にドクターが選手、スタッフに対してドーピング講習であったり、薬やサプリメントなどの話をし、説明、確認を行ってきました。クラブから提供する薬に関してはドクターが、サプリメントに関してはドクター、栄養士、トレーナーが管理しています。病院で処方された薬に関してもドクターが確認しているというのが基本です。


シュヴィルツォク選手はサプリメントをよく摂取していたり、普段飲んでいる薬があったりしたのでしょうか?

山口 そのあたりは把握しきれない部分もあります。先ほど言ったように、ドーピングに関しては個人の問題になってしまうのかなと思います。クラブが提供する薬はドクターが管理していて、選手個人が購入、摂取するサプリメントに関しては第三者の認証が得られているものか、大手企業の製品の文書によってドーピングに関わるものが含まれていないことを証したものを推奨していたというところです。この問題により、クラブとしては啓発を強化し、全選手が摂取しているサプリを今まで以上に調査し、確認して対応しています。


サプリメントを摂取する際の報告など、クラブ、選手との間に取り決めはあるのでしょうか?

山口 基本的に口に入れるものはドクターが認識できる状態にしておくというところです。


報告義務はあったのでしょうか?

山口 そうですね。


処分が下されて以降の約1年間、シュヴィルツォク選手とはどのようなコミュニケーションを取っていたのでしょうか?

山口 基本的にはシュヴィルツォク選手がドーピングに関する弁護士さんをつけていたので、弁護士さんを通じて話をしていました。


頻度はいかがでしたか?

山口 約11カ月、頻繁だったといいますか。我々としては調査に関してシュヴィルツォク選手からの要望があればできる限りの対応をして、協力していたというところです。


今後、どのようなコミュニケーションを取っていくのでしょうか?

山口 まだ連絡を取っていない状況です。先ほどの話にもあったように、契約の問題もありますので、弁護士を通じて話をするということになっています。


契約するにあたり、契約書にはドーピングに関する事項が含まれていたのでしょうか?

山口 契約の中身に関しては答えられません。申し訳ありません。


この結果を受け、山口GMとして、クラブとしてどういった責任を感じていますか?

山口 今回、多くの関係者にご迷惑、ご心配をお掛けしたことに対しては大変申し訳なく思っています。クラブとしてはAFCに判断を委ねるしかない状況で、委ねた上で処分が下されました。クラブとしてはアンチ・ドーピング違反はスポーツの公正さを毀損するもので、到底許されないと考えています。今後に関しては選手に対する啓蒙をより強化していこうと考えています。この11カ月の間、皆さんにもいろいろと聞かれ、ファミリーの皆さんも心配してくださり、それ自体クラブとして大変申し訳なかったなと思っています。先ほども言ったように、スポーツにおけるアンチ・ドーピング違反は許されるものではないと認識しています。


シュヴィルツォク選手からどの物質が、どのくらいの量が検出されたかはクラブとして把握していないということですか?

山口 はい。また、それを公表するというのができないというところもあります。


把握はしているけど、ここで公表はしないということですか?

山口 正確に言うと、詳細は把握できていないというところです。先ほども話したように、いろいろなやり取りは基本的にはAFCとシュヴィルツォク選手個人との間で行われていたので。


「すべては把握しきれない」というお話でしたが、今回摂取した薬物というのはクラブに報告しているもの以外から摂取されたと考えられるのでしょうか。

山口 それは私の判断ではわからないですね。ただ、シュヴィルツォク選手からの要望やAFCからの要望にはしっかりと真摯に対応しました。薬やサプリメントはすべて提出しました。


クラブとしては、シュヴィルツォク選手から提出されたものの中に禁止されている物質が含まれているものはなかったという認識でしょうか?

山口 そうですね。


シュヴィルツォク選手の当初の説明では「故意に摂取した覚えはない」とおっしゃっていました。その主張は変わっていませんか?

山口 それはシュヴィルツォク選手の発言ですよね。私たちはそういうふうに認識しています。


クラブとして、シュヴィルツォク選手は故意に摂取していないという認識ですか?

山口 本人がそう言っていますので、クラブとしてはそう認識する他ありません。


そこについて、クラブとしての調査はしていないということでしょうか?

山口 調査についてはすべてAFCに委ねています。


当初は「本人の言っていることを信じて、クラブとして対処していく」という話でした。その意向も変わっていないですか?

山口 はい、そうですね。


彼は今後3年間プレーができない状況です。契約についてはどういうスタンスで協議をしているのでしょうか。

山口 協議中です。


契約を続けるのか、続けないのか、ということも協議中ということですか?

山口 はい、そうです。


シュヴィルツォク選手と弁護士を通じて頻繁にやり取りをしているという話がありました。シュヴィルツォク選手側はどんなことを求めてきたのでしょうか。

山口 詳細は伝えられませんが、シュヴィルツォク選手がAFCに対して弁明をするにあたって用意してほしいものを、クラブとしてできる限り用意して協力してきました。


先ほど「口に入るものは報告してもらう」という話がありましたが、食事に関しても報告義務があるのでしょうか?

山口 毎日の食事を報告するということはありません。


その報告義務はサプリメントや薬、プロテイン等のみということでしょうか?

山口 そうですね。


クラブとしてはサプリメント等の摂取は管理しているので、本人が「意図的ではない」と言っている以上は、事故的に摂取してしまったと考えているということですか?

山口 AFCが判断することなので、クラブがどう考えるかをここで説明することではありません。


所属する選手を守るという部分もあると思いますが、事故的なのか、意図的なのかというのは処分の重さに関わってくることです。本人が「意図的ではない」と言っている以上は、どこかから紛れ込んだと考えるのが自然かなと思います。

山口 そうも考えられると思います。


AFCとクラブのやり取りはあまりなかったということですか?

山口 あまりなかったかどうかという量はわかりません。いろいろな調査の協力はしましたが、やり取りの量が多かったか少なかったかは、その基準がわからないので。ただ、この11カ月で頻繁にいろいろな話、調査に関してのやり取りはしました。


「選手のサプリメント等はクラブのドクターが確認している」という話は、クラブがAFCにしたのではなく、シュヴィルツォク選手を通してそういった体制であると証明した形ですか?

山口 そうですし、AFC側から質問があった時にもすべて答えています。


AFCからの質問というのは、クラブの管理体制に関してでしょうか?

山口 詳細は言えませんが、いろいろです。


昨年の12月から裁定が出るまで約11カ月掛かっていますが、過去の事例を見ると調査が比較的長期間にわたっています。AFCから説明を受けていたのでしょうか? また、この調査期間の長さについてクラブとしてどう感じていますか?

山口 私自身もすごく長いと感じています。裁定が出るまでこんなに時間が掛かるのかと。私自身も過去のこういった案件がどのくらいの期間で、どう行われているのかを把握するために勉強しました。その上で11カ月はちょっと長いと思いつつも、それだけAFCがしっかりと調べているのだと思っていました。そして当然その間、先ほどもお話したように皆さんもそうですし、ファミリーの皆さんからの心配の声は私の耳にも届いていました。その都度「私もわからない」という答えしかできないことを非常に心苦しく思っていました。直接AFCからの回答がなかなかなかったり、基本的に報告はあまりありませんでした。正直に言うと、今回のAFCからのリリースも、「今日リリースする」という案内も受けていません。そういう状態でした。先ほども言ったようにファミリーの皆さんに心配をお掛けしていた、またクラブとして詳細をなかなか伝えられないもどかしさは私自身も持っていました。その間、何度も調査があり「もう一回これを提出するの?」と感じることもありました。ただそれはクラブとしてシュヴィルツォク選手に協力すべきだと思っていたので、しっかりと最大限協力してきました。


AFCからリリースについての連絡があったのは今日ですか?

山口 厳密に言うと、私たちも今日AFCのホームページを見て知りました。リリースについては今日、裁定については27日の夜に知りました。ただ、リリースがいつ出るかは把握していませんでした。


今年は暫定処置としてすべてのサッカー関連活動に参加することができていませんでしたが、年俸は支払っていたのでしょうか?

山口 それは契約に関することなのでお答えできません。


活動禁止処分が4年になるのは重大な過失がある場合です。A検体、B検体のどちらでも禁止されている物質が検出されたことで重い処分になっているのか、重大な過失があると認められたためなのかはAFCから連絡はなさそうですね。

山口 間違いなくいろいろな調査をされた中でそれが出たというのは、当然私も今までの事例を見ていますが、4年は重い処分だと思っています。


シュヴィルツォク選手が意図的ではないと立証できた場合は処分が軽減される可能性があるという情報もあります。今後、シュヴィルツォク選手から「意図的ではないから処分を軽減できるように働き掛けてほしい」と要望があった場合は、選手に寄り添って対応していくのでしょうか?

山口 今までと一緒です。クラブとしてできる限りのことを、今までどおりしっかりと協力していくというのは変わりません。


今回の裁定に関して、シュヴィルツォク選手は申し立てをする意思はあるのでしょうか?

山口 それは本人次第だと思います。


暫定的な処置となっていた約11カ月の間、シュヴィルツォク選手からサッカーをすること、グランパスでプレーすることに対する意思表示を受け取っていたのでしょうか?

山口 プレーすることへの意思表示というか、「早く戻れるように」という思いを持っているとは聞いています。


グランパスでプレーを続けたいという意思を受け取っていたのですね。

山口 はい。


彼が暫定的に活動禁止処置となっていたことで今シーズンの編成への影響もあったと思います。

山口 非常に難しい問題がありました。全く影響がなかったということはないです。


裁定がいつ出るかわからない中で、戦力として数えてながら編成を考えなければいけない部分があったと。

山口 そうですね。先ほども話がありましたが、今までの事例を見て、故意ではない、間違いがあったということで処分が軽くなった、期間が短くなったというケースがあったのは例として見ていましたので、そういう可能性もあるのでは、というのは私の頭にありました。もしかしたら素早く戻れるのではないかというのもありました。そういう意味ではいろいろな影響があったと思います。


■山口素弘GM

ホーム最終戦の前日に申し訳ございません。本日はありがとうございました。明日、クラブとしてしっかりと今シーズンのホーム最終戦を闘いますので、明日もよろしくお願いします。