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明治安田生命J1リーグ第29節 神戸戦 前日監督会見

99月
9月9日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、10日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第29節のヴィッセル神戸戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー前節のアビスパ福岡戦はインテンシティの高さが非常に良かったと思います。改めて、前節をどう振り返りますか?

福岡は前々節のガンバ(大阪)戦もホームで、負け方が負け方だったということもあり、強い気持ちで入ってくるだろうと予想できたので、そういうところで絶対に負けないという話をしました。マテウス(カストロ)が出られない状況の中で、重廣(卓也)と仙頭(啓矢)が「ここがチャンスだ」ということで、非常にアグレッシブにやってくれたと思っています。交代メンバーはまだ足りない部分はありますが、気持ちを出して闘ってくれた選手もいました。ただ、相手が10人になった状況の中で、できればもう1点取ってアピールしてくれるような選手がいればなと。そういう選手が出てくることに期待していきたいと思っています。全員がそういった意識を持ちながら、その前の自分たちのガンバ戦が不甲斐ない試合だったので、福岡戦は自分たちのアグレッシブな闘いをしようということと、いろいろな状況が重なって非常に気持ちを高く持って闘ってくれたのではないかと思います。


ーそういったいいメンタリティーを継続するためにはどのようなアプローチが必要だと考えていますか?

状況的には前節と変わらないと思います。(ヴィッセル)神戸も非常に厳しい状況の中での試合ですが、それはどのチームも一緒で、我々も決して「上を目指しましょう」と簡単に言える状況ではないと思います。とにかく必死に闘って、勝点をしっかりと持ち帰ってくるという気持ちを出して闘っていかないと、神戸の気持ちに押されてしまうと。神戸は個の力を持った選手が多いですしね。ガンバ戦では相手が新しい監督になって、フレッシュな選手たちが気持ちを出してきて、チームとして完成形ではなかったと思いますが、少しでも気持ちの部分で押されてしまうと結果的にああいう形になってしまうと。そのくらいJリーグのチームは差がないと思うので、まずはベースの部分でしっかりと闘えるかどうか。神戸もこの試合に懸けてくると思うので、まずはベースのところでしっかりとやれるかどうかが大事になるのではないかなと思います。


ー福岡戦の3点目はすごくいい形だったと思います。ああいうゴールを増やすためにはどのような意識や意図が必要ですか?

ずっとやり続けてきていることで、それが結果として出たゴールだと思います。福岡戦の前に取り組んだわけではありません。ああいうゴールを残りの試合で出せるように、自分たちの武器をしっかりと磨いていくことが大事だと思います。


ー先日の公開練習ではランゲラック選手を入れてのビルドアップを練習していました。彼がつなぐことをそこまで得意としていないことを踏まえてのビルドアップについてはどのように考えていますか?

でも、去年のランゲラックと比べたら、相当足元は使っていると思います。前節の福岡戦は雨が降ったことでスリッピーなピッチ状況になっていて、さばくのが難しい状況だったと思います。福岡の選手でさえ目測を誤る場面がありました。うちが(ボールを)バウンドをさせて交錯しそうになった場面もあったので、前節はピッチの問題があったと思います。今節も(会場に)行ってみないとなんとも言えないですが、神戸のグラウンドも決してずっといい状況というわけではないので。今はちょっとわからないですが、アウェイではミッチ(ランゲラック)もアジャストして、難しいところはシンプルにやってくれていると思います。この間の公開練習の時にキーパーを入れながらのビルドアップのトレーニングをしましたが、普段の練習の中でも入れる時は入れながらやっています。開幕当初と比べたら、一つ飛ばしてサイドにつけるということは、代表クラスの選手に失礼ですが、やれるようになってきたと思います。飛ばすところはしっかり飛ばすというところで、開幕当初は(サンフレッチェ)広島戦みたいにかっさられた場面もありましたが、その後はそういうこともなく、シンプルにやるところはシンプルにやって、つなぐところはしっかりとつないでくれています。引き続き刺激という部分は必要だと思いますが、ミッチもポジティブにいろいろなことに取り組んでくれているので、あまり心配はしていないです。


ー先ほど「交代メンバーにもっとアピールしてほしい」とおっしゃっていましたが、シンプルに結果を求めるのか、フレッシュさを生かして相手にプレッシャーをかけてほしいのか、どちらが強いですか?

どちらもです。


ー具体的にこの選手に期待している、ということはありますか?

みんなに期待しています。もう誰でもいいです(笑)。数えてはいないですが、交代で出た選手が得点した回数はそんなに多くないと思うんですよね。先発メンバーで決められなくて、交代選手で決まるという試合が増えてこないと、勝点を伸ばせないと思います。そういうところは引き続きいろいろな刺激を与えていきたいです。期待している選手をメンバーに入れているので、そういうメンバーに期待はしていきたいと思いますし、今回はメンバーに入れない選手も試合に出た時に、フレッシュな運動量や結果という部分でポジションをつかむと思います。重廣は(ルヴァンカップ準々決勝第1戦の浦和)レッズ戦で1アシストというデビューを飾り、次の試合で1ゴールということでガチッとポジションをつかみました。そういう目に見える結果の部分と、重廣の運動量は今までチームになかったプラスアルファの要素ということでポジションをつかんでいるので、両方を期待したいと思っています。


ーG大阪戦での敗戦からの立ち直りという部分では、選手にどんな声を掛けましたか? 喝を入れたのでしょうか?

いや、喝は入れていないです。「いつもやれていることをやれていないよね」という確認を全体でしました。なので、いつもやれていることをやっていこうと。1週間空いてしまったことや、その前の試合で(ジュビロ)磐田に勝ったことで気持ち的に緩んでしまったのか。本来であれば、夏休み最後のゲームでもっと気持ちを見せて、観に来てくださったファミリーの皆さんにしっかりとしたプレー、試合を見せなければいけなかったと思いますが、フワッとした試合にしてしまった。入りからそういうシーンが多く見られたので、福岡戦は、ということで。ただ、(福岡戦も)一発目で藤井(陽也)が背後を取られたり、1対1で(ジョルディ)クルークスのシュートを止めましたが、ああいうシュートが入ってしまうとどうなっていたかわかりません。でも、ガンバ戦に比べたら明らかにしっかりと試合に入れて、インテンシティの高い試合ができたと思います。それはなにか特別なことではなく、浦和戦でもしっかりやれていましたし、(サガン)鳥栖戦でもしっかりと闘えていたと思うので、普段やれていることをしっかりとやるということが、明日の試合も重要になると思います。


ー「勝って兜の緒を締める」という部分もありますか?

勝って兜の緒を締めるほどの余裕は全くないので。必死に一戦一戦闘うしかないのかなと思っています。


ーここ最近はスタメンが固定されてきています。そういったチーム状況は監督にとって理想的ですか? それとももっと激しくポジションを競い合ってほしいですか?

ある程度固定できていることはチーム状況がいいということなので、うれしい状況ではあります。ただ、先ほども言ったように、同じメンバーでずっと闘ってしまうと慣れや緩みが出てきてしまいがちなので、そこに割って入るような活きのいい選手が出てきてくれるとまた喝が入って、チーム内の競争もいいサイクルに入っていくと思います。この間はチアゴが非常にいいプレーをしてくれたので、ディフェンスラインはいい競争になっていると思います。ウイングバックや前線のところでいい意味での競争が出てくるとチーム的にもさらに良くなっていくと思います。


ーマテウス選手が離脱している中で、前節の3点目のようにチームとしてやってきた形で点を取れたことは成長の証だと思います。マテウス選手がいない中での戦い方の手応えはありますか?

いや、まだ1試合やっただけなので、なんとも言えないと思います。前回も言いましたが、(マテウスは)スペシャルなものを持っていて、コンビネーションがなくても個の力で(ゴールを)取ってしまう選手です。そういう選手がいない中で、どこまで全員が同じ意識を共有してプレーできるかがすごく大事だと思います。逆に、いないなりにいい面が出ていると思うので、そういうところをしっかりと生かしながら闘っていくことも大事です。マテウスが早く戻ってきてくれることに越したことはないですが、すぐに戻ってくるというわけにはいかないので、しっかりとみんなで闘っていければと思います。


ーチアゴ選手がいいプレーをしたことによって、ディフェンスラインを入れ替えられるようになったと思います。彼が入った時と、入らない時の違いをどう捉えていますか?

丸山(祐市)のコンディションというところで、今シーズンは前十字靭帯の手術から復帰したばかりなので、しっかりと見極めながらというところも当然あります。チアゴは空中戦に強いですし、対人も強いので、前節みたいな相手には「チアゴが必要だな」ということで使いました。その期待に応えて、エアバトルでしっかりと勝ってくれました。セットプレーでは、チアゴがいるといないとでは攻守において迫力が全然違うので、そういう彼の良さを出してくれたと思っています。丸山に関しては、フィードの部分が非常にいい選手なので、前線の選手をうまく使ったり、チームのリズムを出すところに特徴がある選手だと思います。もちろん対人の部分にも長けた選手なので、そういう意味ではチアゴよりオールマイティで、いろいろなプレーができると思っています。ただ逆に、チアゴは空中戦や対人が強く、特に外国籍選手とマッチアップした時に、身体で押したり、腕で押してくるポストプレーヤーがいると思いますが、そういう選手にはチアゴをぶつけたほうが起点にされづらいというか。身体で押したり、体重、身体の太さという部分でチアゴも全く負けないので、その点は使い分けながら起用してきたつもりです。双方の良さがあると思いますが、みんなが揃った状況の中でどっちも使えるということがベストだと思います。今言ったような形だけで判断するわけにはいかないですが、そういうことも考えながら起用していきたいと思っています。


ーその2つのパターンでは藤井選手のポジションが変わると思います。彼のセンターとサイドでのプレーをどのように評価していますか?

どっちもやれると思います。先週は左サイドで(プレーして)、左足(でのプレー)を苦にしないですし、ボールを持ち運べるので、藤井に関してはどちらでもやれると思っています。右サイドもできると思います。中谷(進之介)に関しても真ん中でやれると思います。陽也に関しては真ん中もサイドもやれると思っています。