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明治安田生命J1リーグ第28節 福岡戦 前日監督会見

29月

9月2日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、3日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第28節のアビスパ福岡戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。


長谷川健太監督


ー本日、マテウス カストロ選手のけがについてリリースが発表されました。彼が抜けることによるチームへの影響をどのように考えていますか?

中心でやってきた選手で、特に攻撃を引っ張ってきた選手なので、マテウスのけがはチームにとって痛いです。ただ、逆に言うとここでポジションを得る選手が必ず出てくるので、マイナスの部分だけ(を考えるの)ではなく、また新たに出てくる力に期待しながら、明日のゲームをしっかりと闘っていきたいと思います。


ーどのくらいで復帰する見込みでしょうか?

いや、わからないですね。個人差があるみたいで、なんとも言えないということで、(治療)期間はリリースしませんでした。


ー戦術的にも影響の大きい選手だと思います。彼がいないことで出てくるであろうチームの良さや強みはありますか?

全員でプラスアルファをやっていかなければいけないので、また違ったチームの力を出していかなければいけないと思っています。もちろん個の力は大きな部分だと思いますが、サッカーはチームスポーツなので、一人ひとりが出られない選手の分をどれだけ補えるか。逆にそういうチャンスを得た選手が結果を出して、プラスに転じることはあることなので、そういう新たな力に期待しながら、マテウスがいない間は全員でしっかりと闘っていければと思います。


ー前節のガンバ大阪戦は反省点が多くあったと思います。改めてその反省点についてお聞かせください。

まず、ガンバ大阪が多少ポゼッションをしてくるという記事も出ていましたが、後ろでビルドアップをあまりしてこないだろう、シンプルに(前線に)放り込んでくるだろうと思い、後ろは構えてしまったんですよね。前線の選手も「どうせ蹴るだろう」と思って、いつものような形でプレッシャーにいけなかったと。多少プレッシャーを掛ければ蹴るだろうということで、後ろはロングボールに対しての準備、中盤の選手も長いボールに対しての準備というところで、なかなか前線から圧力を掛けることができなかった。逆にいい形で放り込まれて、そのセカンドボールを拾われて、ゴリゴリと持っていかれて失点してしまった。(アビスパ)福岡もフィジカルを生かしたサッカーをしてくるチームだと思います。下がったらいいボールを前線に入れられてしまうと思うので、前線からいく時はしっかりといくということをしないと我々の良さは出ません。(前節は)試合開始時になかなか自分たちのペースに持ってこられなかった。前がいくのかどうするか、というような形で後ろ髪を引かれながらになり、逆にパトリックと(レアンドロ)ペレイラのフィジカルを生かされてしまいました。ガンバが優位になるような試合展開にしてしまったので、そこは大きな反省点です。あとは、攻撃の部分で点を取ることができなくて、福岡も強固なブロックを作ってくるチームなので、そこを何とか打ち破る術を(見つけないと)。「マテウスがいなくなってなかなかできません」では話にならないので、チームとしてどれだけ研ぎ澄ませてそういう術を明日のゲームで出せるかどうかというところだと思います。


ーそういう意味では、G大阪と福岡は共通点があるということですか?

福岡は長谷部(茂利)監督が長くやられているので、しっかりとしたチーム作りをされていると。ルヴァンカップでベスト4に残っているという点もそうですし、昨シーズンの成績を見ても、きっちりとした成績を残しています。前線にフィジカルが強い選手がいるという意味では、(G大阪と福岡は)似通ったチームかなと思います。そこを生かすサイドからの(ジョルディ)クルークスや田中達也など、ワイド(のポジション)にタレントがいるチームです。現状のガンバよりしっかりとしたチームだと思いますが、ガンバも松田(浩)監督になって3戦目で結果が出だしたので、どちらが、ということではなく、似通った特徴を持ちながらも、福岡はチームとしてのソリッド感があるチームだと思います。


ーレオナルド選手は実戦の機会が増え、プレースタイルが段々と見えてきました。彼を生かすためには、どういったプレーをさせたほうがいいと感じていますか?

ここ数試合、できたところとできなかったところがあると思います。できない部分は「もっとこうしよう」というアプローチをしているので、早く結果が出るようにこちらもサポートをしていきたいと思います。


ーマテウス選手が中盤でタメを作り、そこから生まれるチャンスが多くあったと思います。彼がいなくなることで、チームの攻撃で変えないといけない部分はありますか?

(マテウスがけがをして)1戦目ですし、これまでもマテウスがスタメンで出ていない試合も当然ありますので、基本的にはチームの戦い方を変えようとは思っていません。ただ、スペシャルな選手なので、スペシャルなプレーを期待できなくなる分、チーム全体でそこを補っていかなければいけないと思っています。


ータメを作れる選手がいない分、細かい連係が必要とされるのかなと思います。

そういうのはマテウスがいなくても同じです。マテウスはタメを作れるところもすごいですが、一発で試合を決める力がある選手だと思うので、それがない分、全員で点を取る作業をしなくてはいけません。チームとしての狙いをしっかりと持ちながら、さらに連係を高めていかなければいけないと思っています。


ーマテウス選手のけがは軽傷ではない?

軽傷だったら(リリースを)出さないと思います。内側(左膝内側側副靭帯)のけがと出しているので、それを聞けば皆さん(期間の)だいたいの予想はつくと思います。その中で個人差があるということなので、あえて期間は出していないですが、ここ数試合は難しいということは間違いありません。


ー今週はマテウス選手がいない中で練習をされていたと思います。攻撃陣にはどんな声を掛けましたか?

それぞれに声は掛けています。具体的な内容は控えさせてください。


ー今節対戦する福岡はフアンマ デルガド選手が出場停止です。前線の長身の選手を1人欠くわけですが、どんな影響が出てくると思いますか?

「背の高い」ということはあまり関係ないと思います。フアンマは献身的で非常に動く選手だと思うので。山岸(祐也)とともに外せない選手の1人だと思います。そういう選手が出られないというのは、福岡にとっては痛いと思いますが、それを埋めるルキアンやジョン マリなど、山岸を含めてフィジカルの強い選手が3枚もいます。そういう意味では、フアンマの穴を埋める選手はいるのではないかなと思います。


ーG大阪戦では2失点してしまいましたが、ディフェンスはいい状態が続いているのではないかと思います。

ディフェンスラインだけではなく、全体の守備の意識をより高めなければいけないと思っています。先ほども言ったように、マテウスが出られないということも当然ありますし、それを超えるような選手がいるのであれば初めから使っているわけで、マテウスを超えるような選手が現状でいるわけではないので、全員で補って、連係面で高めていくと。それは守備の部分も含めてですけど、しっかりとインテンシティーの高い試合ができるかどうかが非常に大事な要素になるのではないかと思っています。


ー今節と次節は下位が相手となり、その後に上位との3連戦があります。下位との2試合でしっかりと勝てれば、3連戦は上を見て闘うことができると思います。

前にも話しましたが、あまり先を見ないで(やりたいです)。(ミハイロ)ペトロヴィッチ監督の「6試合で勝点12」という話を誰かがされたと思いますが、そうやって計算しても計算どおりにはいきませんし、今のJリーグは下位と上位の力の差はないと思います。下位だからしっかり勝てるという保証は全くないですし、上位だから勝てないという保証もないので、一戦一戦、全力で闘っていくことが大事だと思います。この5試合を見据えてというよりは、一戦一戦、全力で闘っていく姿勢で臨んでいきたいと思います。


ーここ数試合ではウイングバックの迫力が以前と比べて減っているというか、元気がなくなっているような気がします。

おっしゃるとおりだと思いますが、森下(龍矢)は元気だと思います。元気がないのは相馬(勇紀)かなと。代表であれだけ活躍して、期待も大きかったと思いますし、相馬自身の中でも期待していた部分があり、それに対して思いどおりのプレーができていないというストレスが溜まっているのではないかと思います。相馬にはもっと生き生きとしたプレーを、マテウスがけがをして、今はよりやってもらわないといけません。いつも期待していますが、明日の試合も相馬には期待したいと思います。試合後に相馬が「やりました!」と帰ってくるのが、チーム状況の中では一番いいことだと思います。あいつが乗らない顔をして、なんとなくフラストレーションが溜まっているような時はチーム状態も良くないと思います。相馬が生き生きとプレーできるような、試合が終わって笑顔で皆さんの前でコメントができるような試合を期待したいと思っています。