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明治安田生命J1リーグ第12節 横浜FM戦 前日監督会見

65月
5月6日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、7日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第12節の横浜F・マリノス戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー毎試合、課題が出てくることは普通だと思いますが、ここ最近は勝敗に直結するようなものが増えてきていると思います。そういったことはいいことだと思いますが、監督はどのように捉えていますか?

そこは年間をとおして一番ポイントになるところだと思いますので、やっとそういうところまできたのかなと思っています。最後の局面の質というところは、チーム全体でもっと点が入るように、逆にちょっとした隙を突いてくる選手がどのチームにもいますので、ディテールの部分でどれだけこだわれるかがすごく大事になると思います。やっとできるようになったからといって気を抜いてしまうとまたできなくなるので、引き続きいい緊張感を持ってそういう部分にも刺激を与えていかなければいけません。最後の部分というのは改めて大変な部分なので、チームとしてどういう形で点を取るのか、守るのかというところは時間がない中でもミーティングをしながらしっかりと積み上げていかなければいけないと思っています。


ー攻撃とセットになるかもしれませんが、守備にもまだ改善点があると思います。ここ2試合失点が続いているという点も含め、守備の課題についてはどのように感じていますか?

3バックのギャップというところで、前回は失点にはならなかったですけど危ないシーンを何回か作られました。「5枚いるからいいや」となりがちなので、3バックでもしっかりとチャレンジ&カバーを意識しなければいけません。4人の時には1人のギャップが非常に大きな穴になってしまうので目立ちますが、5枚で後ろに構えている時はあまり目立たないので「いいや」と思いがちです。どのチームもそういう3バックのギャップを突いてくると思いますので、そういうところは引き続き修正すべきところを修正していかなければいけません。次の(横浜F・)マリノスもそういうギャップを突いてくるのに長けたチームだと思いますので、しっかりと対応しなければいけないと思っています。前節喫した1失点のクロス対応については、藤井(陽也)を責めるのはちょっとかわいそうだなと、映像を見返しても感じています。(得点したピーター ウタカには)その前にレオ シルバが付いていたので、レオ シルバがそのまま付くのか、もしくは藤井のところにいた選手がプルした時に(ピーター ウタカを)藤井が引き取って「自分が見る」ということをもっと発信しなければいけなかったと思います。ただ、下がりながらのヘディングであのコースに飛ばしたというのは、シュートを打ったウタカを褒めるしかないというところもあります。ですから、チームとして2点目を取れるようにしていかないと勝点3はなかなか取れない。2点目を取った試合は勝点3を取れていますので、追加点にこだわりながら試合を進めなければいけないと思っています。


ーディフェンスは前からいく時と、相手によっては裏のスペースを消すような判断をしながらブロックを構築しています。下がったあとに前に出て行く勢いを出すための判断力についてはどのように感じていますか?

前節はコーナーキックからのカウンターがありましたが、相馬(勇紀)が丸山(祐市)の方ではなくて、逆側のマテウス(カストロ)の方に流せばビッグチャンスになっていたシーンでした。あとは前半にミッチ(ランゲラック)が取ったあとに柿谷(曜一朗)がすぐに反応して、柿谷のスーパーなプレーでワンタッチでマテウスに流し、ゴール前に運んだシーンとか、ゴールキックからの形でもチャンスになっています。下がったところからグッと押し上げて運ぶというのは、コーナーキックのシーンでは4、5枚がゴール前に上がっていたので、そういうのはだいぶ出てきているのかなと。ただ、選択というところで、(相手にとって)一番危険な選択はできていないところがあると思っています。飛び出す動きはだいぶ出てきて、そこを使って惜しいシーンもだいぶ出てきました。開幕当初に言っていたような、動いてもなかなか出てこないとか、使えないという状況からは改善していきていると思います。まだまだそれが結果に結びついていないので、しっかりと積み上げていかなければいけません。


ー試合をマネジメントしていく部分では、特に中盤の選手が重要になると思います。中盤の選手に期待していることは?

レオ シルバがいますので、ゲームマネジメントは彼に任せている部分があり、彼とも話をしています。ただ、今はマネジメントをするというような状況ではないと思います。ガンガンとゴールに対していかなければいけないので、1点勝っているからといってマネジメントしながら守りきると考えるわけではありません。本当に終盤になってサイドでキープするとか、ショートコーナーで始めるとか、そういう本当の意味でのマネジメントをしなければいけない状況であればしっかりとしなければいけませんが、今はそういう状況ではないと思います。あくまでも追加点を取りにいくという姿勢を、チームとして持ったほうが今はいいのかなと思っています。


ー少し苦い思い出になりますが、次節対戦するマリノスは、長谷川監督が昨年悔しい思いをさせられたチームです。チームは変わりましたが、リベンジする試合にもなると思います。

そうですね、あれは悔しいというか。退場者が出ていましたが、行けと言ったのは私で、選手が果敢に1点を取りにいってくれた結果、ああいう大敗につながった試合でしたので、責任を取らなければいけないと思って辞任しました。それくらい迫力があるチームだと思います。一度エンジンが掛かってくると、いろいろな意味でゴールを取れるだけのタレントがいるチームだと思います。昨年とは状況が違いますが、辞めることが決まっていた中での試合ということもありましたし、そうはいっても一戦一戦大事に闘おうと思っていた試合でああいう結果になってしまったというのは自分自身の至らなさだったと思います。またあのピッチ、スタジアムに入ればいろいろなことを思い出すのかもしれませんが、今は名古屋の監督として浮上のための1勝を挙げるために、選手と共にしっかりと闘っていきたいと思っています。


ー昨シーズンの得点王である前田大然選手が移籍した影響があると思いましたが、今シーズンも強さを見せています。今シーズンのマリノスをどのように見ていますか?

大然がいなくなっても、アンデルソン ロペスなどしっかりと補強がなされていると思っています。ACL(AFCチャンピオンズリーグ)に出場するチームは2チーム分の戦力を用意するというだけあって、前線のタレントだけでも誰が出ても甲乙つけがたいメンバーがいると思います。ディフェンスラインも抜けた穴をしっかりと補填していますので、ACLに出る準備がしっかりとなされているチームだと思います。ACLでの戦いというところも予選を1位で通過してきて、勢い、実力が乗っているチームの一つだと思います。


ー昨日、オンライン取材に応じた酒井宣福選手は自主練を長くやっていたと聞きました。そうした選手の努力を見てなにか感じるところはありますか?

みんな本当によく練習してくれています。やはりFWにはプレッシャーが掛かりますし、どの選手もそのプレッシャーをなんとか跳ね除けて、結果を出したいと思ってやってくれています。一つ結果が出れば、彼らなら必ず結果を出せるようになってくるのではないかと思っています。


ー先ほどの3バックのチャレンジ&カバーについては、藤井選手が相手FWに対してチャレンジして、いいプレーを見せていると思います。

試合を重ねるごとに非常に良くなっていると思います。フィードやディフェンス対応などでいい部分が出ていると思いますので、引き続き集中力を切らさずに一試合一試合大切に闘ってもらいたいなと思っています。


ー3バックの関係性についてはどのように感じていますか?

本当にいい3人の関係を作ってくれている思います。「あの3人がいたら点を取るのが大変だよね」と言わせるようになっていかなければいけないと思いますが、まだまだポロッと失点してしまう弱さも秘めています。もちろんチームとして1失点というのはいろいろな事故があったり仕方ない部分もあると思いますが、もっともっと鉄壁なディフェンス陣という部分と、攻撃の起点になれる3人だと思いますので、攻撃の起点にもさらになってもらいたいなと思っています。


ー藤井選手の相手を1枚剥がすプレーからゴール前に迫る場面も出てきています。もっともっと増やしていきたい部分でしょうか?

そうですね。中谷(進之介)なんかも攻撃参加して非常にいい形を作ってくれています。3人に強いて言うならば、セットプレーで点を取ってくれると非常にありがたいなと(笑)。FWだけではなく、取れる人がチームみんなで取っていくということをやってくれると、ディフェンスもして、得点もして、と非常に頼もしい3人になるのではないかと思います。


ー先ほど名前が挙がったレオ シルバ選手について、最近は存在感がさらに増してきたと思います。現在の彼のプレーをどのように見ていますか?

本当におっしゃるとおりで、良くなってきていると思います。たまに、終盤に疲れているように見受けられる試合もあるのですが、彼とも話をしながら、コンディションの部分でも高いレベルを維持するようにと、ブラジル人のPT(理学療法士)ともうまく話をしながらコンディションの維持、向上に取り組んでくれています。ポジショニングの部分に関しては、こちらの意図と若干違う部分があることもあるので、しっかりと話をして詰めています。前節の京都(サンガF.C.)戦もすばらしくて、最後のミドルシュートが決まっていればスーパーなプレーだったと思います。終盤まで体力に自信があると話をしていますが、コンディションであったりチームの状況などによって、こちらの思っているようなプレーとズレる時もあるので、そういう時には途中交代しながら彼とも話をしています。彼なりに修正しながら、本当にいい時のレオシルバに戻ってきたという感じはしています。鹿島(アントラーズ)での終盤はなかなかスタメンで出られなくて悔しい思いもしたと思いますが、彼とはそういう話もしています。レオ シルバが良かった頃、私は36歳ならボランチだったらまだまだいけると思うので、もう一度いい時代の彼のプレーをしっかりと継続してもらうことがチームの浮上につながると思います。鹿島戦であったり、京都戦であったり、本当にすばらしいプレーをしてくれています。ジュビロ(磐田)戦の前半も彼を中心にパスが回って、スルーパスも出てくるという形で、本当にすばらしいプレーをしてくれたと思います。微調整をしながらですが、欠けると非常に痛いプレーヤーの一人だと思っています。さらに円熟味というのを、36歳からまた見せられるように頑張ってもらいたいなと思っています。


ー 一方で、長澤和輝選手が離脱したことによって、レオ シルバ選手に掛かる負担が高まっていると思います。セントラルMFのやりくりは考える部分になってくるのではないでしょうか。

おっしゃるとおりで、今は稲垣(祥)とレオシルバの2人しか、ボランチで計算できる選手は正直いないと思います。彼らがケガをしたら、というところはなんとか準備をしていますが、なかなか連戦の中で使っていくのは難しい状況です。今のような形でアンカー1人であれば、稲垣をそこに回せますし、インサイドハーフであればやれる選手が少しずつ出てきていると思います。ダブルボランチのような形でやる時にやれる選手というのは、現状ではパッとすぐに名前が出てこないので、そこはおっしゃるとおり、近々に準備をしなければいけないポイントだと思っています。


ー準備というところでは、夏の補強で要望をしているのでしょうか?

まあ、もちろんそういう話はしますけど(笑)。7月とかの話になるので、それまでにたくさん試合があります。それまでになにかがあってもいいように、現場としては準備をしなければいけません。このままなにもなければエリートリーグも開催されますので、そういうところでいろいろな可能性を試していきたいと思っています。