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明治安田生命J1リーグ第9節 鹿島戦 前日監督会見

164月
4月16日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、17日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第9節の鹿島アントラーズ戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー先日のサンフレッチェ広島戦で採用した3バックのシステムについて、改めて狙いや、実際にやってみた手応えを教えてください。

メンバーが変わる中で、特に後ろのビルドアップをしっかりさせるために、という狙いもありました。後ろからしっかりと組み立てるというところで、広島のプレッシャーをどうやって回避するかが一つのポイントでもありました。逆に後ろが3枚になったからといって重くなってしまったらなにもならないので、(北海道コンサドーレ)札幌戦でできなかった、自分たちからどんどん仕掛けて取る守備ということもあわせて行わせたいということで前回はああいう形でやりました。一定の手応えはつかめたのかなと思っています。ただ、それがどの相手にも通用するとは限らないので、自分たちの一つの形としてしっかりと使えるようにはしていかなければいけないなと思っています。


ー選手の距離感が良くなったように思います。

今までと攻撃の狙いなどはあまり変わらないので、おっしゃるとおり、シェイプを変えることによって自然と距離感が良くなった部分はあったと思います。阿部(浩之)のシュートまで至った形は、非常にいい形でシュートまでいって、あれが決まっていれば追加点という場面でした。非常にいい展開からいい崩しができたと思います。ああいう時間帯を長くするというのがこれからの鍵だと思いますし、いい時間帯で勝負を決める得点を奪えるかどうかも非常に大事だと思います。失点が続いていますので、締めるところはしっかり締めて、守備もさらに強化していかないと、勝点の上積みは難しいと思います。もう一段攻守ともにレベルを上げられるように試合をしていきたいと思っています。


ー4バックに戻した時に同じような距離感、アグレッシブさを出していくためにどんなことを指示していこうと考えていますか?

前回の札幌が特殊なチームで、札幌に前からプレッシャー掛けられるようになれば、どんな可変システムの相手でもプレッシャーを掛けられるようになると思います。それまでも掛けられなかったわけでは全くないと思いますので、前回の試合は札幌の可変に対して必要以上にナーバスになってしまったところがあったと思います。札幌の可変に対してすぐにアジャストしてガッとプレッシャーを掛けるというのはそんなに簡単ではありません。試合が終わったあとにも話しましたけど、もう少し練度がいるのかなと思っています。もちろんチェイスする選手のタイプも非常に大事になりますので、適材適所でしっかりと選手を置けるかどうかも大事な要素になるのかなと思っています。


ー復帰が発表された石田凌太郎選手選手の起用法や役割を教えてください。また、マテウス カストロ選手のFW起用が当たったと思います。彼らの可能性についてどのように考えていますか?

石田に関しては複数ポジションをできるということで、メンバーがそろえばいると思いますが、また新型コロナウイルス(の陽性者)が出て、少しそろっていない状況の中で、彼の復帰はチームにとって非常に心強いです。ただ、起用できるのが来週の清水(エスパルス)戦からなので、登録の関係上この2試合は使えないということで、一番使いたい時期に使えないのは非常に残念なことです。サイドバックやサイドハーフ、時にはFWもできそうなタイプだという話を聞いていますので、そういう意味ではチームにとってまた一つオプションというところを増やしていきたいと思っています。マテウスに関してはFWとして、これからいろいろ分析されると難しい部分も出てくると思いますが、現状前線のタレントという部分では少ないので、マテウスを前線で使えるというオプションができた、やれるというのはこの連戦の中大きいと思います。状況を見ながら使っていきたいと思っています。


ーマテウス選手をFWで起用したのは、前線の人数の問題だったのか、物足りなさがあったための起爆剤的な意味があったのか、どういった意図があったのでしょうか?

両方です。(金崎)夢生に関しても、酒井(宣福)に関してはルヴァンカップで1点取りましたが、柿谷(曜一朗)もルヴァンカップで1点しか取れていないという現状の中で、やっぱりもうちょっとFWになんとか仕事をしてくれるようなタイプを探していかなければいけないなと。決定的なチャンスはどの試合もあると思うので、それを決めきる個の力も必要だと思っています。そういう意味ではずっと言い続けているチャンスを作るという部分も大事ですが、決めきるプレーヤーをしっかりと見定めていく作業も大事です。今名前を挙げた3人は点を取るところ以外は本当に頑張ってやってくれているのですが、最後のフィニッシュのところで少し物足りない部分があります。マテウスのスピードと左足はどのチームにとっても脅威になる武器だと思いますので、彼の武器をどう使うのかというところで、札幌戦でFWをやった時に良くて、練習でも真ん中をやらせると意外といいなと思っていました。ただ、やっぱりサイドのイメージが強いので、中央で使うというイメージをあまり持てず、今までもそういう形で起用してこなかったので、コーチたちもイメージがないということで手をこまねいていたのですが、使ってみると意外とやるなと。彼を前線で使える目処が立ったのは、現状の選手たちの刺激になってくると思いますし、彼の良さというところもサイドだけでなく中央で生かしていきたいということで、両方の効果をこれから期待していきたいなと思っています。


ー前節は2トップに変更しましたが、どういったところに2トップのメリットを感じていますか?

柿谷をトップ下に置けばほぼほぼ2トップのような形になりますが、柿谷のプレーの性質上、(前線に)張るタイプの選手と組ますとどちらかというとトップ下みたいな形になるので、あまり通常と変わらないというか。柿谷と酒井の組み合わせでもやっていますので、それがマテウスと柿谷という並びになり、表記上2トップになっているので2トップという形になると思いますが、実際の動きは4−2−3−1でも2トップのような形の動きもあれば、縦関係になってトップ下みたいになります。3−5−2と表記される形でも前の2人が縦関係でプレーすることもありますので、前線の2人の関係は4−2−3−1の時とそんなに変わらないイメージを持っています。


ー今年は新型コロナウイルスに苦しめられているところがあります。メンバー選考、戦術の落とし込みで難しさがある中で、明日に向けてどうカバーしていくかを教えてください。

これはチームで乗り越えていかなければいけないところで、それぞれが感染対策に気をつけていると思いますけど、どこで罹ってしまったのかはわかりません。その後PCR検査を2回やって止まったので、それは一安心かなと思っています。闘えるメンバーでしっかりと意思統一して、鹿島(アントラーズ)戦に向けて2日間準備してきたつもりですので、それを思いきって出していきたいなと思っています。


ー前節は長澤和輝選手が足を吊るくらいハードワークしたり、中盤の厚みが増したことでいい流れに持っていけたのかなと思います。手応えや鹿島戦に向けて同じシステムを試したいなどの思いはいかがでしょうか?

状況によって、どちらのシステムでもいけるような準備をしていこうと思っています。コロナで何人か削られていますので、現状いる選手のベストを見定めながらシステムを考えていきたいと思っています。


ー嫌なタイミングでアウェイ4連戦を迎えます。

厳しい日程だと思っていますが、厳しいところを一つになって乗り越えることができれば、自分たちにプラスの風が吹いてくると思っています。本当にここが踏ん張りどころだと思います。チーム全体の力を結集して闘っていきたいと思っています。


ー鹿島はオーソドックスなシステムだと思いますが、サイド攻撃が強力でリーグ前節の横浜F・マリノス戦でも執拗に裏を狙っていました。

2トップに限らず、サイドハーフもしくはトップ下気味に入ってくる和泉(竜司)など非常にパワーを持った選手がいます。チームで崩せなくてもセットプレーであったり、個人の力でこじ開ける力を持ったチームだと思います。どこがというよりはチーム全体がアラートに闘っていかなければいけないと思っています。