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明治安田生命J1リーグ第7節 湘南戦 前日監督会見

54月
4月5日(火)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、6日(水)に行われる明治安田生命J1リーグ第7節の湘南ベルマーレ戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー前節は残念な結果となりましたが、決定機は多く、いい形も作れていました。決めきることは個人によるところかもしれませんが、決定機をより良いものにしていくために感じていることはありますか?

サッカーではゴールが一番難しい作業だと思いますので、簡単ではないですが、チャンスを決めきることは選手に求めていきたいと思っています。前回も話しましたが、選手たちはトレーニングしてくれていますので、あとはそういう数を増やすという部分と、最後の質というところで、個人の意識をさらに高めてほしいなと。失点シーンばかりクローズアップされると思いますが、全体でしっかりとつないだ形でチャンスを作れています。立ち上がりの仙頭(啓矢)の決定機はしっかりとビルドアップしながらチャンスを作れていますので、前線の選手には、ああいったみんながつないできたボールを、最後に決めきるというところにこだわってプレーしてほしいなと思います。失点シーンは会見でも言いましたが、まだまだ出しきれていない部分があると思います。やることをやった上で点を取られるのはしょうがないですが、まだまだ出しきれていません。次の湘南(ベルマーレ)戦は両ゴール前で、しっかりと最後に決めきる、体を張ってなんとか守るということを体現しなければいけないと思っています。


ーボールを奪う部分に関して、もう少しタイミングが合えば、もう少し意思が統一されていれば奪えるという場面があると思います。どう改善していきたいと考えていますか?

改善が先か、結果が先かというところもあると思いますので、結果が出てくれば自然とそういう質も上がっていくと思います。ただ、今はうまくいかない時間帯、状況を許容しながら、しっかりと我慢強く闘うということをやっていくしかないのかなと思っています。


ー前節は仙頭選手をボランチに入れ、選手の配置を変えました。仙頭選手をボランチに入れた状態の評価、そして今後も配置転換で目線を変えていくことを考えていますか?

仙頭のボランチは開幕前から考えていました。非常に技術のある選手なので、ああいう形でつなぎのミスは減ると思います。ただ、稲垣(祥)のボール奪取力やゴールに対する嗅覚というのは、ボランチであれだけできる選手はなかなかいません。基本は稲垣とレオ シルバ、長澤(和輝)でボランチは回していきたいと思っています。どうしても試合の流れが悪かったり、点が取れないという状況でなかなかスムーズに試合を運べないという時には、仙頭のボランチも試合の中では使っていきたいと思っていますが、先ほども言ったようにベースの部分では名前を挙げた3名がしっかりとプレーしてくれるのが一番だと思っています。


ーもっとこういうシーンが出てきてほしいという場面はなにかありますか?

クロスですね。相馬(勇紀)がまだなかなか乗りきれていない部分があると思います。サイドにマテウス(カストロ)、相馬という看板選手がいますので、彼らがもっともっと輝いて、サイドをぶっちぎるというシーンをさらに数多く作っていきたいなと。そういうシーンが出てくれば、さらに迫力のある攻撃になるのではないかと思っています。


ーここ3試合は先制される試合が続いていて、前節は失点を重ねてしまいました。守備への意識が出てきてしまうかと思いますが、攻撃的なところを貫いていくために選手に掛けた言葉や整えた部分があれば教えてください。

失点するまでは自分たちでしっかりボールを動かして、相手が来たら剥がしてチャンスを作っていて、ああいう展開になるような内容ではありませんでした。ただ、点を取られたことで相手が勢いに乗ってしまい、自分たちは少し気落ちしてしまって、なかなかうまく運べない時間帯があったと思います。その後は前半の途中でしっかりと盛り返して、またいい形を終盤に作ることができました。そういう意味では先ほども言ったように出しきれていないというか、例えば2点目のシーンはもっとスプリントをかけて戻れる選手がいたと思います。左サイドで森下(龍矢)が攻撃参加してボールを取られたわけですけど、相手のショートカウンターに対してもっと早く帰陣するのは可能だったと思います。マテウスはスプリントして戻って、なんとかあのボールに触っていて、それが宮原(和也)に当たってオウンゴールになってしまったのはしょうがない失点だったと思います。ですからマテウスを責めるつもりは全くないですが、それ以外の選手で、さらにスプリントをかけられる選手がいたと思いますし、3点目のシーンでも、もっと早く帰陣することは可能だったと思っています。取られたあとのリアクションではないですが、もっと意識を高く持って切り替えの部分をやっていけば防げる失点はあるんじゃないかと思っています。逆に失点シーンばかりフォーカスしないようにとも言っています。少しネガティブになったりとか、ダイナミックさがなくなってしまったら後退だと思うので、引き続きアグレッシブに闘っていきたいと思っています。


ー前節は丸山祐市選手がメンバー入りしました。起用できる状態と捉えていいでしょうか?

みなさんも(エリートリーグの)清水(エスパルス)との試合を観たと思いますが、45分間やってということで、現状はいろいろな影響でベンチメンバーがいなかったということで急遽メンバーに入れました。もちろん非常事態ではありますが、本人もやれる状態であるということで、ベンチ入りさせました。ただ、本調子かという部分に関してはやっとこの前45分間出場して、オペをしてからかなり試合から離れているので、入れざるを得なかったというところが正直なところです。


ーベンチにいるだけで頼もしい存在だと思います。

エリートリーグの時にも一番声を出して、チームを統率しながらプレーしてくれたので、そういうベテランの経験値というところは非常に頼りにしています。さらに状態を上げて、早く本当の意味でプレーできるように、いろいろな意味で整えてほしいなと思っています。


ー中谷進之介選手の見通しはいかがでしょうか?

もうトレーニングはしています。状態を見ながら起用するかどうかを考えていきたいと思っています。


ー前日の会見で「前を向いていきたい」という話をされていました。選手たちにはどのような言葉を掛けましたか?

一緒です。先ほど言ったように失点シーンばかり、なんで失点を重ねたのかとか、ネガティブなことを言い出したらキリがありません。得点という部分で、1点取れたのは大きな結果だと思いますが、勝つためには先制しなければいけないと思いますし、先制される前にチャンスはあったと思いますので、ああいうところで決めきるとか。後半の頭にも追いつくチャンスは作れていたので、あとは決めきるだけというところまではきています。前線の選手の奮起というか、気持ちを十分出してくれていると思いますので、あとは結果を待ちたいと思います。だからといって攻撃的になって失点を重ねていいかといえばそういうわけではないので、防げる失点をチームとしていかに防いでいくかというところもチーム全体でやっていきたいと思います。


ー明日対戦する湘南は、ここまでリーグ戦では無失点の試合がありません。攻撃陣の真価を問われる部分もあると思います。

今やれていることに自信を持って、思いきってやってもらいたいと思っています。チャンスは必ずあると思いますので、そこで決めきれるかどうかではないかなと思っています。


ー2020年から5人交代制になり、交代選手を投入するタイミングや戦術変更がポイントになっていると思います。前節も稲垣選手に代えて仙頭選手をボランチに入れましたが、試合中の戦術変更などのバリエーションが充実してきたような印象はありますか?

交代は難しいですね。5人交代できるからといって簡単に交代して、パワーが上がっていけばいいですけど、逆にパワーダウンしてしまう試合もあると思いますので。基本的にはどの監督も一番いい11人をスタメンで送り込んでいると思います。もちろん連戦になってベンチに切り札を持つような形で先発を選ぶ監督もいらっしゃいますけど、基本的には送り出した11人で試合が終わるのが一番理想的だと思います。野球でも先発ピッチャーが完投、完封がベターではあると思うので、サッカーでも送り出した11人でしっかり終えるのが一番だと思います。もちろんこういった過密日程、特に4月はそういう形なので、みんなで負担をどれだけ軽減しながらチームとしてうまく闘っていけるかというところも大事なポイントになると思います。そういう意味では、稲垣の前半での交代は早かったかもしれないですが、その日調子があまり上がらない選手を引っ張るよりは、調子のいい選手というところで、柿谷(曜一朗)も最近のゲームで調子が良かったので。連戦ということもあり、次にまた稲垣に頑張ってもらえればいいという割り切りはしやすいのかなと思います。そうしないと回していけないと思いますので、キャプテンですし、彼とも話をして、前回は前半で代えましたけど、本来であればあまり代えたくはありません。システム変更するということは良くないということなので、しなくて済むならそれに越したことはないと思いますが、しないとどうしようもないということであれば、そういう形というのを、試合の中でうまくやっていくしかないと思います。トレーニングで確認した部分を大胆に試合の中で試していかなければいけない状況はあるかもしれませんが、できればそういう形にならないようにまずは先発の11人がしっかりと試合を作ってほしいなと思います。


ー湘南戦のポイントをどのように考えていますか?

気持ちの部分だと思っています。調子の上がらない状態だと思いますので、それを上げていくためには空元気でも元気を出して、闘うことが一番大事だと思います。選手それぞれが強い気持ちを持ってホームゲームで湘南と闘えるかどうかというところが一番大事ではないかなと思っています。 


ー長谷川監督は現役時代、クロスの名手でした。クロスを上げる回数もそうですが、クロスの質も重要だと思います。こういうクロスが増えてくればもっとチャンスにつながるというイメージはありますか?

もっと深いところから上げたいですね。マテウスのアーリークロスからオウンゴールにつながったシーンがありましたけど、あれもすばらしいクロスだと思います。ただ、もっと深い位置までえぐるというか、ドリブラーがサイドにいるわけですから、深い位置までえぐって、そこからクロスというような形が出てくると、本当の意味で相手を崩すようなシーンになってくるのではないかなと思っています。そういう意味ではまだ深いラインまで崩しきってクロスを上げた形からのゴールはありません。(ヴィッセル)神戸戦の1点目は相手のボールを奪ってから酒井(宣福)が左サイドの深いところからクロスを上げましたけど、もっとサイドの関係を作りながら、サイドをもっとえぐるような形ですね。甲田(英將)を含めて個の力がある選手がいますので、ドリブルで切り裂いてクロスを上げるようなシーンをもっともっと出していきたいなと思っています。


ー開幕前に比べて、クロスの場面で中に入る人数が増えてきている印象があります。

人数はいるんですが、中の動きがまだ少ない状況もあると思います。もっともっと中の動きをつけなければいけないと思っていますが、選手たちはそういう意思を非常に高く持ってくれています。特にボランチの稲垣がプラス1で入ってくると迫力はあると思いますし、チャンスであればサイドバックがプラス1で入ってくるというようなシーンを作っていかないと、なかなかゴールは奪えないと思います。ボックス内での人数は非常に大事な要素になりますし、クロスを上げる状況も、ただ放り込むのではなくて、切り裂くということが非常に大事になるのではないかと思っています。