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JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第3節 徳島戦 前日監督会見

253月
3月25日(金)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、26日(土)に行われるJリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第3節の徳島ヴォルティス戦に向けて、長谷川健太監督がオンラインでの記者会見を行いました。

長谷川健太監督


ー明日の試合は、リーグ戦が中断となり、中1週間ということもあって起用に幅を持てるかと思います。どのように位置付けていますか?

勝たないと非常に難しいグループステージの戦いになると思いますので、なんとしてもホームで勝点3を獲りたいと思っています。


ー前節はいい部分も見えました。さらに良くしていきたいところや試したいことはありますか?

良かったとはいえ、見直すともっともっとクオリティーを上げなければいけない状況があったと思います。相手どうこうというのも大事なことですが、自分たちがやろうとしているサッカーのクオリティーを上げていくことができるかどうか、という試合ではないかなと思っています。ルヴァンカップのグループステージ3試合目で、折り返しの非常に大事なゲームということもありますし、チームとして手応えをつかみつつある中で、その手応えをさらに深めることができるかどうかという非常に大事な試合。そういう位置付けの試合だと思っています。


ービルドアップでスピードを上げて、いかにいい攻撃につなげていくかという部分でのバリエーションも増えてきている手応えもあると思います。そういった部分での発展についてどう感じていますか?

たしかな手応えにするためには、紆余曲折を繰り返すというか、「少し良かったかな」と思うと、またダメになってしまうということを繰り返しながらだと思います。前回はわずかながらでも自分たちがやろうとすることをできた中で、それをさらに進歩させることができるかどうかというところは、先ほど言ったように少しでも慢心、「やれるんじゃないか」という気持ちがあると、すぐにつかんだ手応えが吹き飛んでしまうと思います。しっかりと90分間、自分たちのサッカーを意識しながら、アグレッシブに闘えるかどうかが非常に大事。勝負に徹しないと、勝点3を簡単に獲れない試合だと思います。徳島(ヴォルティス)はリーグ戦の間の試合で、メンバー的にどうなるかわかりません。ただ、そういう時は「J1のチームに一泡吹かせてやろう」とか、「自分の力を少しでも出してもう一度監督に認められたい」など、非常に士気の高い試合をしてくることが多々あります。「簡単な試合にはならない」という覚悟を持ってしっかりとやれるかどうかだと思います。


ーチャンスを増やせていると思います。その先のフィニッシュについて求めていきたいことは?

少しずつ、しっかりと自分たちで決定機を作れるようにはなってきたので、あとは精度を上げるという部分と、さらにその回数を増やしていくという作業を継続してやっていきたいと思っています。


ーシュートの打ち方や狙い方など、細かい部分について監督から話すことはありますか?

いや、あまりそういう話はしていないですね。そこは個人の感覚によると思うので、こちらの考えを強要することはしたくありません。それぞれの感覚を研ぎ澄ましていってほしいと思います。全体トレーニング後に残って、それぞれの選手が個人トレーニングをやっています。最後の局面で自信を持って、どれだけ冷静にゴールネットを揺らせるかだと思います。


ー明日の試合では日本代表の中谷進之介選手が不在のため、藤井陽也選手にチャンスが巡ってくるのかなと思います。彼にどういった期待をしていますか?

シーズン前から期待していましたし、出た試合でしっかりと仕事をしてくれていると思っています。途中から出た(サガン)鳥栖戦では、準備の部分でまだまだなところがあったのでそういう話はしましたが、非常に落ち着いてプレーしてくれていると思います。あとは彼の課題である継続というか、集中力が非常に高い時はいいんですが、それがなかなか長続きしないというところがあります。出続けるというのは本当に大変なことで、今言ったように集中力を持続させるのは経験を積まないとなかなかできないことだと思いますので、今年はそういうウィークな部分にチャレンジしながら克服してほしいなと思っています。


ー選手層に厚みを持たしていく上でも彼の成長は不可欠なものですか?

そうですね。丸山(祐市)も徐々に練習してきていますので、ハルもここが勝負どころではないかなと思っています。


ー監督の方針もあり、昨シーズンまでは自主トレーニングをできる機会が限られていました。今シーズンは各選手が自分で考えていろいろなトレーニングをしていると思います。そういった光景をどのように見ていますか?

一番いい練習になるのではないかと思います。こちらから要求する選手もいますが、基本的には個人で考えてやっているので、それぞれの身になるのではないかなと思っています。ただ、連戦の時には気をつけなければいけません。放っておくとずっとボールを蹴っていますから。サッカー小僧の選手が多いので、そこはしっかりとコントロールしていかなければいけないと思っています。


ー個人トレーニングの時間にもコミュニケーションを取っていると思います。そういったリラックスした雰囲気も使いたいという思いもあります?

今言ったように本人が考えて、自分自身のウィークなり長所なりを伸ばすトレーニングが一番身になると思います。そういう時にいろいろな話をしながら、時間を取りながら、という形で、意識的に作っているわけではないですが、結果的にそういう形になっているのかなと思っています。


ー少し前から、選手たちからコミュニケーションについての話が出ることが多いと感じています。そういったところが高まってきた手応えはありますか?

こちらでは大枠の話をしていますので、細かいコンビネーションの話は選手たちがグラウンド内や空き時間にしてくれています。そういう姿を見ていますので、非常にいいコミュニケーションが取れているのかなと思っています。やはり選手たちが自分たちで、自発的にしっかりと話し合うのは非常に大事なことです。それが試合の中でのコンビネーションのクオリティーを上げる一つのポイントだと思いますので、そういう光景が見られているのは非常にいいことだと思います。


ーゴールはケチャップみたいなものだと言うこともあり、最近のグランパスはチャンスは作れているだけにあと少しでドバっと出る気がしています。監督としてはそういった感覚はありますか?

FWに得点が生まれてくると勢いが出てくると思いますので、マテウス(カストロ)にゴールが生まれたのは一ついい兆しだと思っています。あとは酒井(宣福)や金崎(夢生)らトップを張る選手、または仙頭(啓矢)や柿谷(曜一朗)、阿部(浩之)などトップ下をやるような選手にまた当たりが出てくるとチームとして勢いが出てくると思います。彼らの得点にも期待していきたいです。


ー昨晩の日本代表の試合で森保一監督は、点を取った三笘薫選手を送り出す時に「点を取ってこい」と声を掛けたそうです。明日選手たちにどんな言葉を掛けたいと思っていますか?

毎試合、交代選手には「点を取ってこい」と言っているんですけどね(笑)。なかなか期待に応えてくれないというか、森保監督のほうが選手に伝えるのがうまいのかなと思っています。もっと気持ちを伝えるように、「点を取ってね」というような形で言えればなと思っています(笑)。


ー選手のモチベーションを上げることも監督の仕事の一つだと思います。どういったことを意識していますか?

人によって感じ方が違うので、同じ言葉をすべての選手に言っても、同じように伝わるかはわからない部分があります。ただ、選手を見て話を変えるというよりかは、自分自身の言葉で選手に伝えていきたいと思っています。伝わり方が良くなければ伝え方を変えていかなければいけません。いつでも交代選手には期待していますし、交代選手が試合を決められるようになってきたらもう一段、チームに勢いが出てくると思います。もちろん交代選手が点を取ったり、試合の流れを変えてくれるとうれしいですが、まずは先発メンバーでしっかりと先制点を取ることが大事だと思っています。


ー先制点を取れれば波に乗っていけるような状態ですね。

ここ2試合は先制点を取られていて、川崎(フロンターレ)戦は追いつけませんでしたが、柏(レイソル)戦は追いつくことができました。逆転までいければ非常にいい流れになり、勢いがつくと思いますが、追いついたことはポジティブに捉えたい結果です。まずは先発11人で先制をして追加点を取る。そして、ダメ押しを交代の選手で取れるようになってくるとチームとして非常に勢いが出てくると思います。


ー選手への伝え方について、試合中は集中しているため、聞いているようで聞いていない時もあると思います。試合中やハーフタイムの声掛けについて意識していることはありますか?

今は収容人数や応援に制限がある影響で声が通りますので、必要であれば大きな声を出して、選手に聞こえるように指示を出したいと思っています。制限がなくなると、豊田スタジアムであれば4万人以上入るスタジアムで、声を出してもなかなか通らなくなるので、試合中に声を出すことはあまりありません。プレーが止まった時に指示を出す形になると思います。ハーフタイムについては、時間ギリギリまで話し倒してしまうと、選手が自分たちで噛み砕く時間がなくなってしまうので、そういう時間をなるべく作るように心掛けています。今おっしゃられたように伝え方はすごく難しいですね。聞いているようで聞いていない時もあれば、聞いていないようで聞いている時もあるので、少しでもポイントが残るように話をしないと、試合中の興奮状態の中で冷静に、チームとしてしっかりとした戦いをできなくなってしまいます。どのポイントをしっかりと伝えるのかというところは非常に悩ましいところです。「ちょっと話しすぎたな」と思ったことは何度もあります。なるべくそうならないように、なるべく選手たちにポイントが伝わるように映像も使ったりしていますが、毎試合映像を使うわけではなく、使える試合は使いながらという形です。ハーフタイムにどう伝えるか、どうやって交代の時に現状をしっかりと伝えるか、中にいる選手にもどう伝えるかというのは本当に難しい作業だすが、それが試合中の監督の重要な作業の一つだと思いますので、しっかりとやっていきたいと思っています。