マッシモ フィッカデンティ監督
ー前節のサンフレッチェ広島戦はいろいろな意味でチームを引き締めてくれるところがあったと思います。そういう部分から見て、明日からの試合ではどのようなパフォーマンスをチームに期待したいですか?
いろいろな時間帯があって、いろいろな顔が見えた試合だったと思います。今おっしゃっていただいたように、試合が終わったあとに力が抜けてしまうというよりは、例えば前半の流れの中で点を取っていたらこっちの流れで一気にいって、もっと勢いづいたかもしれませんし、あんな点の取られ方をした中でもまだ死んでいませんでした。あんな取られ方をすると思っていなかった形で取られた中で、やはり引き締めてやっていかないとあのような落とし方をするんだ、ということがチームとして残りました。
そしてまずは(FC)東京戦ですし、東京はディフェンディングチャンピオンですから、カップ戦の勝ち方もよくわかっています。そういった相手とやるので、より引き締めた形で、まずミスをなくすということを徹底してやっていかなければいけないと思っています。
ー前節の試合後には「チームのために全員で走ることをもう一回頭に入れなければいけない」というようなことをおっしゃっていました。
広島戦の内容について、極端に誰がどういうプレーをして、誰がどういうコンディションだったということではありません。ここまでみんなで闘ってきて、去年積み上げてきたものが今年に反映されて、この時期にこれだけの大会に残れている。ルヴァンカップは準決勝、天皇杯はベスト8、ACLもまだ続きがあって、リーグ戦も3位を狙える位置にいるという中で、特にこの10月は本当にハードなスケジュールです。できたらこの選手を使いたいなではなくて、試合ごとに選手のコンディションはいろいろありますので、いい状態の選手がプレーするべきだと。そうでなければみんなで乗り切っていけないという、選手には普段から言っていることをあえてああいった場で口にしたと捉えていただければと思います。
ーFC東京とは2週間前に対戦したばかりです。監督としてやりづらさはありますか?
東京相手に勝利するためには、先ほども言ったようにとにかく自分たちの力を100パーセント出し切ることが大前提になると思います。ですから、最近対戦した相手だからどうかというところでは、簡単とも難しいとも言えません。実際に始まってみないとわかりませんし、お互いさまなので。まず我々がしっかりと仕上げるということを大事にやっていきたいと考えています。東京はJリーグの中でもトップレベルのチーム、チームとしてもそうですし、選手個人個人を見ても、そういうチームだと評価していますので、そういった相手とやることをしっかりとイメージしてやりたいと思います。
ーホーム&アウェイ方式の順序が準々決勝の鹿島アントラーズ戦と同じで、まずホームで試合をしてアウェイに乗り込むという流れになります。180分間の戦い方については鹿島戦と同じような考え方になりますか?
同じ試合をやれるという保証をされるのであればどこにでもサインしますよ(笑)。2試合をセットで闘っているということももちろん大事ですが、結局は最初の90分にしっかりと集中して、すべてを出すこと。自分たちがこだわっている点を取らせないこと、なるべくゴールを決めるというところをやりきった上で、鹿島戦はああいった形で1試合目をものにできて、(1戦目が)終わった時に2戦目のことを考えて、優位なものを生かして闘うことができました。同じことを繰り返すためにも、同じ考え方でこの2試合に対してアプローチするべきだと考えています。鹿島と対戦した時もホームでやる1戦目の前には「2試合をセットで」ということは考えていませんでした。そういうコメントを残しましたし、選手もそう言っていたと思います。まずは明日絶対に勝つこと、点を取らせないこと、その試合をやりきることに集中したいです。
鹿島と東京では、どういうプレーをしてくるかといったチームとしての特長などが違うので、同じように2試合連続でやると言ってもその2試合をどうやるかを含めてガラッと変わる部分が出てきます。まずは明日しっかりとやること、そして明日の結果を踏まえて2戦目の準備をするというようにしっかりわけて1試合1試合やりたいと思います。
ー明日の試合では「ワクチン・検査パッケージ」によるチケットの販売が実施されています。ヨーロッパではすでに観客が戻ってきていますが、観客が戻ってくる流れをどう感じていますか? また、日本のスポーツチームで初めて名古屋がそういった取り組みにトライすることの意義をどのように感じていますか?
一番手としてグランパスが手を挙げてやるという中には、規模が大きいスタジアムがあって、検証できる施設があるというところと、しっかりとオーガナイズされていないといけないので、そういったレベルでも自分たちでしっかりと責任を持ってやれるということから、やらせていただくのだと思います。うまくいくことを願っていますし、うまくいった先には「じゃあもっと(収容人数を増やそう)」となると思います。ただ同時に、このことは慎重に進めなければいけないことだということもわかっています。そういったことをクラブが責任を持ってやることはすごく誇らしいことだと思います。