マッシモ フィッカデンティ監督
今日の試合に限って話をするならば、まず前半の30分から35分くらいの時間帯までは、すごく狙いを持った形、狙いどおり用意した形で試合を作り、すごくいい展開のサッカーができたのではないかと思います。残りの10分で押し込まれる展開に変わったのですが、鹿島アントラーズ相手に自分たちがずっと好きなようにやれることはないとわかっていましたし、そこは耐えるということにしっかりと切り替えられたのではないかと思います。ゴールもあり、良かったと思います。
後半も入りがすごく良く、自分たちのペースで進み、相手がバランスを崩して攻めてきたことでこちらもカウンターを狙う展開となりました。2-0と2点リードしたスコアで、こういう試合展開になるという考えはあったのですが、しっかりとコントロールできているという範囲内で試合を終えられたのではないでしょうか。
ただ準々決勝のこの2試合、ホーム&アウェイでまた4日後にすぐ次の試合がありますが、大きな意味での前半と後半、90分+90分で行われるのがトーナメント戦のホーム&アウェイです。「まだまだ鹿島はやるぞ」と、なにも浮かれずしっかりと警戒し次の試合に臨むべきだという引き締まった雰囲気がチームにはあります。次の試合もしっかりとやりきり、準決勝に勝ち進みたいと思います。
ー先制ゴールはセットプレーから、すごくデザインされたような形での得点でした。これは鹿島に対して準備してきたものなのか、それともこれまでも取り組んでいた形だったのでしょうか?
あの状況で、マテウスのキックの特長として速いボールを蹴るということがあります。ただ、あの距離では普段と違った緩いボールを蹴り、(キム)ミンテの強さを生かすという考えがすごく良かったと思います。なによりも、柿谷(曜一朗)がこれまでチームのためにずっと試合に出続けている中で、今日は得点が記録としてもついたことは、関わった全員にとってもうれしいゴールだったと思います。
ー今日は試合の入りから相手に主導権を渡さなかったことが大きかったように感じました。監督はどのように感じていますか?
同じような感覚で試合に入っても、対戦相手がうまくそこを上回ってしまっては、選手たちがいいプレーをしていて、褒めてあげたいようなプレーでも結果が出ない時もあります。今日は準備したとおり、「積極的にこちらからプレーをしよう」、「受けずに仕掛けよう」ということを、特に前半はボールを持った時にやってくれました。それができない時に、チームとして全員で(戦い方を)どっちにするのか、もっと攻めるのか、この時間は守ると決めるのか、チームとして統一し全員で闘おうということを最後までやりきってくれました。押し込まれている時間も、選手がそう判断したのならそこで守りきるというふうに安心して見れましたし、それが良かったと思います。