NGE

6/17(木) マッシモ フィッカデンティ監督コメント

176月
6月17日(木)、チームはトヨタスポーツセンターでトレーニングを実施。練習終了後、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ーAFCチャンピオンズリーグ(ACL)開幕を目前に控えた現在の心境を聞かせてください。

短期間で6試合という濃い日程になっているので、気持ち的にどれだけ充実した状態で大会を迎えて、勝つために闘えるかという準備を丁寧にやりたいと思います。


ーACLとJリーグではフィジカルコンタクトなどに違いがあると思います。Jリーグとの違いをどのように捉えていますか?

対戦相手もですし、暑さもですし、グラウンドコンディションについては同じ試合会場をずっと使うということなので、後半に進むにつれて難しい部分が出てくると思います。あらゆることを想定して、あらゆる状況を瞬時に対応する能力が問われると思います。対戦相手については質問いただいたように、フィジカル的な部分がJリーグよりも大きく異なると思います。試合が始まって見た時の肌感覚で、自分たちが「こういう方向性の試合だな」と瞬時に理解すること。対戦相手以外の部分でもしっかりと理解して闘う必要があると思います。


ー対戦相手以外の要素でもJリーグと違って、イレギュラーな部分があると思います。最も気を遣っている部分は?

結果的に一番大元の部分で、気持ちが入るということを先ほど言いました。チーム内の雰囲気としては「勝ちにいくんだ」という気合が入っています。その状態で大会に挑めるのはすごくいいことかなと。あとは選手と同じ感覚、どちらかというと私がそういった雰囲気を作って、そういったものが選手に伝わった上で同じような雰囲気になってもらいたいところです。あとは試合が始まってしまえば、グランパスの選手なら全力を出すということはわかっていますし、そこは信頼しています。普段とは違って、3日に1回のペースで試合があり、それが6回も続く。それがいつもとは違う異常な日程だと思います。後半になるにつれて、そういった部分をどのようにまわしていくか。選手をグラウンドに送り出せば全力を出してしまうので、そこをどのようにマネジメントしていくかは、私が特に気をつけなければいけないポイントだと思っています。


ー今日の練習ではU18の選手が参加していました。ACLについても今日のメンバーで臨む考えですか?

彼ら2人もACLの参加メンバーとしてチームに帯同し、一緒に動いていきます。なので、皆さんが把握している、サッカーをできる状態ではない大ケガを負っている選手以外は全員が参加する形です。


ー日程面はもちろん、環境面でも厳しい戦いが予想されます。戦いを通じてチームとして持ち帰りたいものは?

まずは予選突破という結果を持ち帰りたいと思います。この日程では結果以外のなにかを狙って持ち帰れるものはないと思いますので。結果を持ち帰った上でほかになにかあるかもしれないですけど、チームとして狙いにいくのは結果だけです。


ーバブルでの生活を強いられるなど、帰国後も難しい対応をしなければいけないと思います。監督としてはどのように受け止めていますか?

現時点でここから始まるタイでの3週間の日程に集中したいという思いはもちろんありますし、そこを集中して考えています。ただ、ご質問いただいたように、そのあとの流れをある程度は聞かされています。2週間の隔離期間に、現時点での予定ではアウェイ戦が組まれていたりする部分もあります。コロナ禍においては愛知県や豊田市の保健所などとやり取りをした中で、「いろいろと決めてください」と言われてきています。今回、日程だけポンポンと決まって、組まれた日程をこなすのが正しいものなのかどうかは、しっかりと保健所の方々の意見もいただいた上で、その時の状況に合わせて行動するべきだと思っています。私としてはそういった日程があるとわかっていますけど、「はい、わかりました。ではやります」と言えるような単純なものではないのかなと。だからこそ、そこが近くなってから検討するとして、まずはタイでの3週間に集中していきたいと思います。


ーこの大会はハードな日程に加え、現地では行動制限もあると思います。メンタルケアも重要になると思いますが、どのように対処しようと考えていますか?

サッカーの世界ではいつも新しい局面に対応しなければいけない、というのが監督としてマネジメントする上で求められている仕事だということを前提として言わせていただきます。すばらしい質問をいただいたと思います。メンタル面でのケアは絶対に考えていかなければいけないのかなと。ただ、Jリーグの日程で我々が前半戦と位置づけた、ここから中断期間があってほかの大会をこなしていくという一区切り。次はACLを考える前に、天皇杯に集中しようという一区切り。そしてここからACL。帰ってきてからの日程についても先ほどの質問でお答えさせていただきました。我々はそれぞれの大会を区切りながらこなしていく中、ステップ・バイ・ステップという言葉のように段階を踏んで、「そのあとどうやっていこう」と。帰国してから今のところ予定されている試合を含めた約40日間を考えると、その試合にどのようにもっていこうと考えていても、帰ってきた時にいろいろな事情でその試合が延期されたり、プレーできない状況になったり、あるいは予定どおり開催されるかなどはわかりません。今のところは先ほども言ったように、タイでの3週間の試合に集中していきたいです。その中でもしっかりと今までの経験をもとに、確実にコントロールできる部分としては体力的な消耗、疲労面をケアすることはやっていきます。ただ、精神的な状況は、試合結果なども伴った上でいろいろな影響が出てきます。ホテルの部屋がどういったものなのか、現地はどういった環境なのか、どういった1日の流れになるのかなどは、始まらなければわからない部分もあります。全員が前向きに取り組める環境があること。最初に申し上げたように「気合が入っていて、前向きな気持ちでこの大会に挑める状態にある」ということは、選手に対しても頼もしいと思っています。どのようにして回していくかはほかのいろいろなことと同時に、私が監督として感じ取って、その場、その場でやるべきことを対策としてうまく当てはめたいと思います。


ーお話を聞いていると、大会への気合がすごく感じられます。グランパス、監督にとってACLを勝ち抜くことはどのような意味があるのでしょうか?

やる前から「勝てると思います」、「負けると思います」という感覚でやるスポーツではないのがサッカーです。その中で今名古屋グランパスが最初に、このチームがずっと勝ち続けるチームとしてやっていくためには、すべての戦い、すべての試合において、絶対に勝利以外を受け入れてはいけないのだという感覚でゲームに入ること。どんな相手だろうと、絶対に勝ちにいくのだと。そういったメンタル面は一番に植え付けたい部分です。ACLのみならず、帰ってきてからのリーグ戦は可能性がある限り一番いい結果を残せるようにやりたいですし、天皇杯やルヴァンカップなどすべての大会で可能性が残っています。その中でそのような気持ちでやっていきたいと思います。ただそれをひっくり返していくと、「すべての大会で優勝します」と宣言するのではありません。現実的にどういった部分、戦力的にどうなのか。今は金崎(夢生)というエースがいつ戻ってくるかわからない状況で、キャプテンの丸山(祐市)というチームの中で一番重要な選手がケガをしてしまっている状況。今のこの戦力のままどこまでいけるのか。私が「この戦力だからここまでを目指そう」とは絶対に言いませんが、私の中で現実的に同時にしっかりと見ていかなければいけない部分があります。すべての大会において、その時に一緒に闘えるメンバーで、その試合をどのように勝ちにいくかということだけに頭を使うことが大事です。その感覚を理解していただけたらと思います。


ーコロナ禍の状況と過密日程に加え、バンコクのこの時期の平均気温が約30℃くらいで、スコールが発生する可能性もあります。チームにとってどのような影響を与えると思っていますか?

タイで試合を行う状況の中、暑さに加え、気温よりも湿度がどうか気になるところです。サッカーというスポーツで考えていくと、時間帯的に陽が落ちる頃、現地時間の17時、もしくは21時から試合が行われます。1日の中で気温が落ち着いている時間帯でプレーさせてもらえるような設定なのかなと。ただ、湿度に関してはそこまで変わらないと思うので、その部分がどれだけ選手の疲労度に影響してくるのかという心配があります。コロナ禍、隔離状態、暑さ、慣れていない国……。そういった話を先ほどからしていますけど、自分自身でずっと感じているのが、極限の状態に置かれたサッカー選手がどこまでプレーできるのか、そういったテストをやらされている感覚ですよね。タイに行く前から未知の状態で、そういった環境でプレーしていくことになると。さらに試合数が進むにつれて、そういったことが重くなってくると思います。先ほどご質問いただいた部分もありますけど、気持ち的な準備を充実した状態で行く必要があると思います。この準備期間でも選手たちがストレスを感じることなく、なるべくいい状態でチームとしてまとまってタイに乗り込めるように取り組んできました。そういった作業がいい形でできたと思っています。