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明治安田生命J1リーグ第17節 浦和戦 前日監督会見

295月
5月29日(土)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、30日(日)に行われる明治安田生命J1リーグ第17節の浦和レッズ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ー前節は敗戦となりましたが、攻撃の迫力が出たところや、チャンスをたくさん作ったところなどポジティブな部分があったと思います。良かったと感じている点を教えてください。

過去にも似たような話をしたことがあると思いますが、分析をする上では、もちろんまずは敗戦したことについて、なぜ負けてしまったのかを考えますが、それと同時に、その次以降に持ち越す際に、各プレー、一個一個を分けた状態で、こういうプレーは今後もするべきだ、というような分析の仕方をしなければいけません。そういった意味で、(前節は)一方的な展開と言っていいような流れになりかけていましたし、今おっしゃられたように次以降に持ち越さなければいけない、これを続けてやっていこうと思えるようなシーンが多くありました。


少し前の段階で皆さんとこうやって話をする時に、私が来てからこういう方向に持っていこう、こういう方向づけでやっていこうと言っていたような内容で、結果を伴っていた時には、すべてがうまくいっている、正しい道を歩んでいるという評価をいただいたと思います。ただ、今みたいな状況だからこそブレてはいけません。全勝できるわけではありませんから。時期的に少し難しくて、試合結果を見るとうまくいっていないように映る時もあるかもしれません。でも、実際に部分部分を見ていくと、やりたいことをちゃんとグラウンドで表現できていたり、組織として方向性が崩れていることもない。今はケガ人が出てしまったり、残念なことがありますが、その中でもそこをどれだけ続けていけるかが、長期的な意味で強いチームになれるかどうかだと思います。


ータイトな日程の中で、練習ではどのようなことに取り組んだのでしょうか?

この日程をこなすのは、「こなしますか? どうしますか?」ということではなくて、これでやれと言われている日程でやらなればいけません。それはチームごとに少し差はあるかもしれませんが、各チームに与えられていて、その時期によってどのチームがキツイ日程で、このチームが楽でというのは入れ替わることもあるのでどのクラブがという話ではないと思います。ただ、結局その状態でプレーさせられていることでパフォーマンスや試合のクオリティは間違いなく下がりますし、キレのある状態でプレーできないと思います。浦和(レッズ)戦に向けてどのように取り組んだのかという質問に対しても、やはりどうしてもリカバリーがメインになってしまいます。いろいろなゲームをこなしていく中で、こういうところを課題に取り組んで、チームとしての質を上げるための作業をする時間があるかというと、この日程の中ではそういうところを優先するよりも、選手がケガをしないために必要な時間を使ってあげたいというところがどうしても出てきます。その中でも残念ながら大きなケガが出てしまったり、(ガブリエル)シャビエルも日程がキツかったり、疲労が溜まってくると筋肉系の故障が出たりするのは過去を見ると繰り返し起こっているので、少しそういう状況になってきているのかなと思います。(日程について)問題提起しても結局変わらないのはしょうがないですけど、「言ってもしょうがないものだから」、「みんな同じ条件だからそこは言うんじゃない」というようなことを周りから言われても、私は言い続けなければいけないかなと。「そこは無視できないことだよ」と。「なんでいつもどおりのプレーができていないの?」と言われれば、それは「この日程だから」。「なんでこういう部分が改善されないの?」、「それは改善する時間がないこの日程だから」というのは絶対なので。みんな同じだからといって無視していいことではないと思います。


言い訳を言わずになにかに取り組んでいるように見える話し方のほうが、美と感じるようなことが日本ではあるのかもしれないですけど、私はチームを預かって、選手のためにもいろいろな発言をしていきます。あるいはファミリーのためにも事実をきちんと話していくことが大事だと思います。さっきもそういったような話をしましたけども、昨年のACL(AFCチャンピオンズリーグ)組を見ても、(FC)東京や(横浜F・)マリノスなど、最後まで優勝争いをするようなチームが、日程の煽りを受けてあの順位になってしまったのは誰が見ても明らかです。今年、我々が影響を受けているか受けていないかというところも、これだけ日程がコロコロと変わり、我々にとっては変わるたびに厳しい日程になることが多くて、それはたまたまなのかもしれないですけど、影響は受けていると思います。順位表を見た時に悔しい思い、残念な思いをする影には、そういった理由があると思います。そこは逆に、そういう話をすると一部分だけを見て、みんな同じ条件なのだからとか、そういうような返しになってしまって根本的なところを見ないのではなくて、本当にすべてのことが、勝てるか勝てないか、リーグ戦で優勝できるか、上位にいけるかに関わってくるので、そこはまず我々自身もそうですし、このチームに関わっている方は全員がそこに対して同じようにムキになって声を挙げてもらいたいです。ほかのチームの方も同様に思っていることが本当は多いのではないかなと。日本ではそれを言わないことが美とされていることは理解していますけども、私はちゃんと言っていきたいと思います。それは自分自身を守るためでもありますし、チームを守るためにも言っていきたいと思います。


ー次節対戦する浦和のキャスパー ユンカー選手は、加入してから連続でゴールを挙げていて非常に好調です。彼がいる浦和を封じるためにどういった対策を考えていますか?

シーズン開幕直後と比べると、やり方、サッカーの仕方を変えている印象があります。まず相手陣地側に多くのスペースを残した状態でボールを持てる機会を狙うために、我慢強く待って待って、少し受ける形にして前にこさせて、奪った時にはそのスペースを使いながらエネルギーを爆発させていく。その中で、真ん中でフィニッシュをしっかり仕留めるユンカー選手が新しく入ってきて、そういった形ができつつあるのかなと感じています。


どういう内容で、どういう勝ち方を探してやっていて、こういう選手の特徴を生かしてというところが、そのままきれいに出て結果にも表れていると思います。逆に言うとなにをやらせてはいけないかがはっきりしているという言い方もできると思います。準備の段階ではそういう彼らの良さを選手たちにはっきりと伝えた上で、それをやらせないためにどうサッカーしようと準備をしています。