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代表取締役社長小西工己 広島戦後コメント

1912月
本日12月19日(土)に行われた2020明治安田生命J1リーグ第34節サンフレッチェ広島戦をもって、2020シーズンの全日程が終了。2020シーズンを終え、代表取締役社長 小西工己が取材に応じました。


代表取締役社長小西工己


―本日をもってJ1の3位が確定し、AFCチャンピオンズリーグ出場権を獲得しました。この結果をどのように受け止めていますか?

天皇杯の結果次第ではございますが、リーグ戦で3位ということで、ACLへチャレンジする権利を得ることができ、うれしく思っています。「本当に34試合できるのか」というところから今シーズンは始まりましたが、皆さま方から熱いサポートをいただきました。ファミリーの皆さま方のご支援のおかげだと思っています。34試合すべてを実施できたことに感謝しながら、来年はアジアで闘い、アジアでより高いところを目指して、チームももう一皮むけて、新しいステージに立つことができるように最善の努力を尽くしてまいります。今後もご支援をよろしくお願いいたします。


―来シーズンも引き続きマッシモ フィッカデンティ監督に指揮を執ってもらいたいとお考えでしょうか?

はい。そのとおりでございます。


―今シーズンの監督への評価をお聞かせください。

名古屋城の石垣を堅牢に築き上げてくれた1年だったと思います。その例えが正しいかはわかりませんが、やはり土台がなければ天守閣は立ちません。来年は天守閣の構築に向けて手腕を発揮してくれると思います。縦に速い攻撃を含めた攻守一体のサッカーを監督に期待したいですし、監督もそこに向けた意欲を持っています。期待したいと思います。


―今シーズンのJリーグで最多となる年間入場者数を記録しました。

これはファミリーの皆さま、メディアの皆さまのおかげだと思います。このような状況ですから、我々が一生懸命対策をしていても、スタジアムに足を運びにくい、どうしても足が遠のくという状況だったと思います。我々は最大の努力をしました。ただ、その努力が生きるかどうかは、ファミリーの皆さまのご協力、スタジアムに来られた時のご協力、そしてグランパスへの強いご関心のおかげだと思っています。ありがとうございます。とてもうれしく思います。経営、営業的には入場者数が一番大事なKPIだと考えています。


―ACL出場にともない、試合数や日程にあわせて戦力が必要になると思います。来季のチーム編成について、現状ではどのように進めているのでしょうか?

決まり次第、契約でき次第発表させていただきます。今、一生懸命手掛けているところです。決まったらすぐに発表させていただきます。皆さまが今年ご覧になって、選手層の厚みが必要な部分を感じられたかもしれません。センターラインを中心に強化したいということで、一生懸命チームに動いてもらっています。ただ、グランパスの経営状況は舵取りが非常に難しい状況です。お金がなければ、強化には限りがあります。ですから、これは我々の自助努力の中でやれる範囲になります。その中で、最大限の効果が出るような補強をして、来年に新しいグランパスとして、皆さま方の前に登場させていただくことを目指したいと思っています。


―今シーズンは新型コロナウイルスの対策、対処へ気を配られたと思います。そういったことをとおして、クラブ全体として得たものがあれば教えてください。

監督も私も、かなり厳しく新型コロナウイルス対策をしたと思います。選手はご家族やチームメイト、友人と外で食事をしたかったと思いますが、グランパスから感染者を出してしまったということもあり、(日常生活に関しては)私のほうから口酸っぱく言わせていただきました。そのあたりのストレスはあったかと思いますが、それに負けずにスタジアムで、皆さま方の前で、プレーで結果を出してくれましたから感謝の念に堪えません。マッシモ監督も安全、安心に対してストイックな男でして、チームマネジメントにおいて手綱を取ってやってくれたので感謝しています。


―クラブから新型コロナウイルス感染者が出てしまったことで、再開するリーグ戦への準備期間が短くなってしまったかと思います。当時、社長としてどのように感じていましたか?

皆さま方、ファミリーの皆さまにご心配を掛けてしまったことに関して、申し訳ないという気持ちが第一にありました。ただ、感染者が出てしまった以上、その次になにをするかが大事だと思っていました。また、オープンでフェアな情報開示をさせていただこうと思っていましたので、隠すことなく徹底してやらせていただきました。皆さま方にも我々がお伝えしたいことをニュートラルに、正しくお伝えいただき、なんとかその時期を乗り越えられたと思っております。本当に皆さま方のおかげです。ありがとうございました。


―先ほど、名古屋城に例えてお話しいただきましたが、「攻守一体の攻撃サッカー」はフィッカデンティ監督が就任する前から掲げていたものかと思います。このコンセプトは来シーズン以降も継続していくということでよろしいでしょうか?

はい。しっかりと継続していきます。いろいろな方から、「総得点が少ないのではないか」という声をいただいているのは存じ上げています。しかし、城は一朝一夕に成るわけではありません。戦国時代には「一夜城」というものがありましたけど、サッカーの世界はそう甘くないと思っています。今年は失点数が「28」でした。これは川崎(フロンターレ)さんよりも少なく、リーグで最も少ない数字です。石垣としてしっかりと築けたのではないかと思います。あとはそこに乗せるだけです。乗せることにどれだけ注力し、キャンプを通じて選手に浸透させて縦に速いサッカーができるか。一歩ずつではありますが、来年はその歩幅を大きくしながらしっかりと闘っていきたいと思います。得失点差は「+17」とリーグ2位です。手前味噌ではありますが、監督、選手を褒めたいと思います。


―監督の働きぶりについて、外からは見えない部分もあると思います。今年のフィッカデンティ監督の働きをどのように評価されていますか?

体の心配をするくらい朝から晩まで働き詰めです。在宅勤務の時もありますが、私がいる時は必ずと言っていいほど朝から晩までいて、試合の反省や次に向けてのスカウティングをしています。因果関係はわかりませんが、結果として勝ち点を取れなかったチームがありません。同じチームに2度負けていないということです、これはスカウティング、寝ずの調査、相手の長所や短所の研究の結果だと思います。ただ、わかったからと言って、それを試合で出せるかは別問題です。戦術を選手たちに伝えて、動いてもらう、落とし込む能力は卓越していると思います。やはりセリエAで監督をやっていた厳しさ、そして一つの試合にかけるこだわり。1センチ、1メートル、1步、そこができるかできないかで結果が変わるというような、粘り強い指導などを非常に高く評価しています。


ーフィッカデンティ監督に来季も、という話がありましたが、契約はこれからという状況でしょうか?

はい。まだ今日(シーズンが)終わったばかりですから。


―条件面を除いて、来季も継続するということは監督からも返事をもらっているのでしょうか?

そういうところも含めて最終的に決まれば皆さまにご報告したいと思います。ただ、2人とも笑顔で場内を一周した。そういうことだと思います。


―小西社長は「観て楽しいサッカー」ということも掲げていると思います。そういう点に関しては今シーズンをどのように評価していますか?

これも手前味噌ですが、「観て楽しいサッカー」に関しては十分できていると思います。もちろんこれで満足していては成長がないので、あえて言えば7合目といったところでょうか。ただ、やはり楽しさは攻撃がすべて、守備がすべてという世界ではないと感じました。流れるようにスライドし、流れるように連携し、楽しそうに守備をし、そこから一気に攻撃に出る躍動感。これも含めて観て楽しいサッカーだと思います。浦和戦のような6−2みたいな試合も楽しいですし、今日みたいなウノゼロ(1−0)の試合も、これもまたわくわくする試合だと思います。緊張感で言うと、ウノゼロのほうが緊張感が漂って、観ていて楽しいと言っていただけるお客さんもかなり増えているというところもあると思います。いずれにしてもそういった攻めも守りもしっかりとできて、皆さま方のペンがより走るような、映像がより楽しくなるようなサッカーを来年も披露させていただければと思っています。