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明治安田生命J1リーグ第32節 横浜FC戦 前々日監督会見

1012月
12月10日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、12日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第32節の横浜FC戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


―先週はフレッシュな状態だと判断した相馬勇紀選手を起用しました。今週の選手たちの状態をどのように見ていますか?

もちろんそういった部分は選手を選ぶところに関わってきます。今週は全員がすごくいい状態です。前節は「絶対に勝つんだと」いう意志を持って、柏相手に勝つことにこだわり続けた90分ができました。それがすべてだと思います。今節も、それぞれの選手がなるべくいいコンディションに仕上げなくてはいけないのは同様ですし、気持ちの面でどれだけ残り2試合の勝利にこだわれるか、どういったシーズンの終わり方にこだわれるかが勝負だと思います。


―守備で相手をコントロールできている印象です。

数字に表れているか、勝ち点をあげられているかという点から見て結果を出せています。なかなか勝ち点をあげられていないけど、得点数も失点数も悪くないからそのうち良くなるだろう、ということではなく、結果につながっていることはいいことだと思います。シーズンの中にさまざまなエピソードがありましたし、最近はFWのケガもありました。そういう影響があると周囲から見られている状況でも、選手たちはすぐに違ったやり方に向かっていきました。勝つために一つになることが重要だ、そのためにいろいろな手段を使えたほうがいいんだという捉え方ができています。数字に戻ると、失点数ではいい守り方をしている川崎Fと1点差ですし、得点に関しても2位争いをしている大阪の2チームと同じだけ取れています。ほかにより多くの得点を取っているチームもありますが、その順位はどうなのかなと。勝利につながる攻守のバランスが取れているので、どちらも悪くない数字が出ていると思います。


―攻守で重要な役割を担っている2ボランチの評価をお聞かせください。

どう守るかと捉えるか、どう奪いにいくかと捉えるかです。我々はどちらかというと待ち構えて、守備の包囲網を作るというよりは、どんどん奪いにいく形です。ただ、ボールを奪うために、組織としてどうゾーンを作るかは変えています。直近の試合では低めに作ったということもあり、より待って守っていると見えたかもしれません。対戦相手は毎回ゆっくりボールを持っていられるという感覚はないと思います。相手が少しでもリスクを犯してきたら、そこを確実に奪って攻撃につなげるという戦い方をしています。シーズンの頭からやろうということをやれていて、先ほど変えているところもあると言いましたが、この時期になっても、チームとしてどう奪うかの感覚は変わらずにやれていると思います。今年のスタイルとして、今後も続けていかなくてはいけないやり方なのかなと。誰が、というよりも、チーム全体でやれていると思います。


―横浜FCとの前回対戦を踏まえて、どういう戦い方を選択しますか?

結果としてあのような試合になってしまったと位置づける必要のあるゲームだったと思います。我々が良くないゲームをしたという印象だけが残っているわけではありません。失点に関しては普段ではしないよう形でした。得点に関しては、何点でも取れたのではないかというくらいチャンスがありました。「決めきらないと」と、負けたあとによく言われるセリフを言わなくてはいけない展開になってしまい、もったいなかったと思います。チームとしてどれだけチャンスを作り出すことができたのか。全くチャンスがなく、シュートも打てず、ボールを前に運べず、なにもできずにスコアどおり負けたという感覚は全くありません。締めるところは締めて、我々の持っている強さをしっかりとぶつけることで、しっかりと試合をものにできると思っています。


―週明けのトレーニングで中谷進之介選手が腕に包帯を巻いていました。今節の出場に問題はないのでしょうか?

問題なくプレーできます。


―今節で出場すれば、ランゲラック選手がJ1通算100試合出場を達成します。彼への評価をお聞かせください。

すべての面でいい評価しかできない、というレベルの人間です。まずはプロのサッカー選手として、すばらしいGKだと思います。日本に来てから出られる状態の時はすべての試合に出てきた中で、これだけプレーしていても彼には向上心があるのだと、この1年間一緒に仕事をして感じました。1年前と比べてよりいいGKになったと見ています。あまりスタッフ個人のことを話す機会はなかったのですが、その背景にはGKコーチの河野(和正)さんがすごくいい仕事をしてくれています。こういうコーチがいるから、ミッチ(ランゲラック)も落ち着いてやっていられるのだと、1年やってみて感じました。こういった機会にそこにも触れたいと思います。「もっとこうしてほしい」という話をした時に、すぐに練習に取り組んだり、ミッチが前向きに捉えて、試合の中に具体的に改善されてかたちで反映されているところなどは、すごく取り組み方がうまいです。ミッチにとっても、グランパスに来て良かったのではないかなと、そういった関係を見て感じます。やはりGKはGKだけで練習する時間が長いので、問題なく100試合まで辿りつけた背景には、ミッチと河野さんの関係が大きく影響しているのではないかと思います。


―狙いとするサッカーに合わせて、監督からどのようなGKに成長してほしい部分を伝えたことはあるのでしょうか?

世界中でGKにどういうことが求められているかに加えて、個々のGKがどういうプレーをするのかには各監督の考えがかなり反映されていると思います。私としては、まずはしっかりとゴールを守ってくれと。守ることに集中しなくてはいけないのに、自分たちがボールを持っている時のプレーでゴールを離れたところでの仕事が増えることで、そういった形での貢献もGKの役割として持てることもわかりますが、毎節のようにGKが組み立てに関わった中でミスをして、プロとしてこのようなレベルでいいのかという失点があります。どちらかというとミッチにそういう部分の貢献を求めることはなく、相手のシュートをブロックする、我々のゴールを守ることに全力を尽くしてほしいと。マイボールの時にはシンプルな役割を担ってもらい、それを確実にこなすために余計なストレスをなくして、彼の一番の良さであるゴールをしっかりと守れるところを引き出せるように。それが彼の役割であると、就任当初からはっきりと伝えています。彼もそこに自信を持って、やりがいをもってやってくれていると思います。


―試合の中で修正する力が高いと感じています。選手個々もしっかりと相手を分析するような雰囲気ができているのでしょうか?

お互いのいろいろな指示が混乱を招くようであれば、それは間違えた指示になります。情報をどんどん味方にインプットしていくということが、判断を早めるもの、サポートするものであればあるべきもの、なくてはならないものだと思います。そういったことがいい方向で行われている、というのが今の状況だと思います。決して、私がグランパスに来た時にそれが悪かったということではありません。今、いい形でやれていると見ています。その部分は成長していかなくてはいけないと思います。それがすべてではなく、自分で判断しなくてはいけないところももちろんあります。チームで助け合うということは、走ること、いいプレーをすることでもできますが、声を掛けることでもできます。そこだけを意識して選手を見たことはありませんが、いい部分だと思っています。


―終盤でも運動量が落ちていないと思います。今シーズン、監督が求めてきた水準に達していると考えていますか?

通常のシーズンと比べてどれだけ走れているかはわかりませんが、今シーズンにおいて他のチームと比べると、しっかりと走れているのかなと。日程が厳しいということは常に言ってきました。試合の日もそうですし、トレーニングに臨むコンディションも厳しいものがありました。途中で日程が変わることもありましたが、2カ月、3カ月単位で、予定がある程度わかった上で取り組んでいました。そういった単位ではプログラミングされたトレーニングをこなし、試合日のコンディションを計算した上で取り組んできました。選手たちがしっかりと取り組んでくれたことが結果に出ているのではないかなと思います。こちらがどれだけいいトレーニングを用意しても、選手たちがやるべき感覚、努力で取り組まなければ効果は出ませんから。