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明治安田生命J1リーグ第28節 湘南戦 前々日監督会見

1911月
11月19日(木)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、21日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第28節の湘南戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ーFC東京戦は内容も良く、最後に勝利を手にしました。FWを本職としている選手がいない状況が続くと思いますが、前節からのプラスアルファとしてどんなことを今週の練習で落とし込みましたか?

この問題は今シーズンの最後まで抱えながらやっていかなければいけないと思いますので、そこはうまくやっていくしかないという位置付けをしています。前節は、東京に対してどのようなサッカーをすることが相応しいかと考えて、準備をしたとおりに選手がプレーしてくれました。いい戦いができたと感じています。次節対戦する湘南はまったく違った特長のあるチームだと思います。今いる戦力の中で、選手たちと協力しながら今できるやり方の中で、どういった戦い方をすることで、より勝つ可能性が高い試合にできるかということは、まだ時間がある中で、探していかなければいけないなと。探りながら練習で色々とやっているところです。


ーFC東京戦で前線に入った阿部浩之選手とガブリエル シャビエル選手にどのような役割を求めていたのでしょうか?

プレースタイル的にタメを作れる選手がいないという中で、ただボールを預けるというやり方ができない状況でした。ただ、それはあくまで最前線、本来FWのポジションでというところで、という話です。阿部もシャビエルもしっかりとボールを持てる選手です。ほかの選手との組み合わせも考えると、今のこの戦力の中で生かすべきは、テクニックとスピードだと思います。そういった中で、その2人だけに限らず、前田(直輝)やマテウスもある程度、近い距離でプレーすることで受けどころを増やすようにしました。相手が囲いきれない、我々の選手を孤立させることができないという形を作るということで、2人だけがなにかをしなければいけないというかよりかは、2人の特長を生かしたうえで、全員がその役割をこなしてくれました。また、前線にボールをなかなか入れられないという問題が出る可能性があった中で、シャビエルも阿部も後ろでボールを回してポゼッションしなければいけない時にはポジションを下げて手伝う、前線に行ったら彼ら自身が受け手になる、人を使う側になるという役割をこなしてくれました。2人の中でどちらかが下がったらどちらかは前線に残るといういい関係でできていましたし、本当によく理解してやってくれたという印象を受けました。


ー湘南は激しいディフェンスを仕掛けてくることも予想されます。こちらがボールをつなぐ中で蹴らせることも意図として持ってくる可能性もありますが、そういった守備への対処はどのように考えていますか?

前節はサイズ的に大きな選手が多い東京相手に蹴らざるを得なかった時に、もちろん弾かれることもありましたが、そのあとの狙いを持ってロングボールを使えていたと思います。今回もそういった工夫をして、蹴らざるを得なかったとしても、蹴ったあとにどのような展開が待っているかという狙いを持って蹴れるように準備したいと思っています。


ー選手交代についてですが、前節は終了間際の1枚だけでした。今節、交代で意図したいことやベンチメンバーに期待することはありますか?

当たり前の答えになりますが、なぜ選手交代をするかと言うと試合の流れを変えるためです。今グラウンドにいる11人のままだと、勝ち試合に持っていけない、あるいは勝っていてもそのまま逃げきれるかわからないという時に交代枠を使います。私は、交代枠が残っていて、せっかく交代できるから交代しておこうという感覚で交代枠というものを見ていません。前節は交代枠を使わずに引っ張って、あの時間に点も取れたという流れの中ですと、あの交代しか必要なかったと思います。ただし、いろいろな展開が予想される中で、こういった選手がベンチにいてくれているから今の戦い方を引っ張れる。そこでもしもの場合は、というような計算をするうえでベンチにいる選手も役割を担っていますので、そういった意味で全員がしっかり準備してくれればいいと思います。


また、疲労の回復具合もこれまでのような週に2試合あるのとは変わってきます。シーズン終盤なので蓄積された疲れもあるかもしれないですが、スタートから出る選手をどれくらい引っ張れるかという意味でも、選手交代の位置付けが変わってくる可能性もあります。今後も交代に関しては、するべき交代をしっかりするというふうにやっていきたいと思っています。


ー現在3位につけ、2位との勝ち点差が3になりました。ただ、勝ち点3差で5位にいるセレッソ大阪が2試合少ない状況です。今のこの状況をどのように感じていますか?

前節の東京戦に向けた意気込みとしては、“すべてを懸けた一戦”という気持ちでしたが、試合前に「もし結果が悪くても、いろいろな目標が消えてしまうわけではない」と、そういうことを言ったと思います。もし悪い結果になったとして、なにを目標に頑張るかと言ったら、残ったシーズンでACLに出るために、なるべく上位にいくためにという位置付けは変わらないと思いますと言いましたが、幸いすごくいい結果で東京戦を終えることができました。ただ、ご質問いただいたとおり、まだ先はありますし、今3位なだけであって、ほかのチームの結果にもよります。我々の、1試合1試合闘っていくというスタンスを変える必要はまったくありません。次の試合に勝つことだけを考えてやっていくだけだと思います。


ー湘南との前回対戦は苦しみながらも試合終了間際の得点で勝利を収めました。次節はどんなところがポイントになると考えていますか?

私も前回対戦で苦しんだ印象を持っています。また、今の湘南を見るとすごくポジティブな時期を過ごしていると思いますし、それは皆さんもわかっていると思います。これから先、湘南が残りのシーズンでなにかを失うという可能性はないと思いますので、来年につながるものを作り出している状況だと感じています。そういった意味では、いい力になるような、プレッシャーしか掛かっていないと思います。そういった部分でメンタル的にもそうですし、プレーを見ているとフィジカルコンディションもいいと思いますので、すごく充実しているチームとやるということを選手たちも頭に入れておかなければいけないと思います。


ー前節は吉田豊選手を左サイドバック、オ ジェソク選手を右サイドバックで起用しました。

結果がどうだったかというところから話をすると、ジェソクが右サイドでどれだけすばらしいプレーをしたかということは見ていただけたと思います。後半には私が期待していた以上のスーパープレーも飛び出しました。彼を見ていると(左右)どちらが得意というよりは、チーム状況やその試合の中でどういう役割を持ってプレーしなければいけないかという、そこまでゲームの準備をできる選手だということを見せてくれたのかなと思います。これからも必要なポジションで彼に役割を伝えたうえでプレーしてもらうだけかなと思います。


また成瀬(竣平)もずっといい準備をしていますし、試合に出ればいいプレーを見せてくれています。宮原(和也)や太田(宏介)も手術があったところから、まだ彼らのベストな状態とは言えない状況でプレーする時もありましたが、サイドバックは誰を使っても安心してグラウンドに送り込めるという状況です。すごくいい競争を彼ら同士でしてくれているのかなと思います。見ていてグランパスの面白い部分だと思います。