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明治安田生命J1リーグ第22節 札幌戦 前々日監督会見

1210月
10月12日(月)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、14日(土)に行われる明治安田生命J1リーグ第22節の北海道コンサドーレ札幌戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


-吉田豊選手の負傷が発表されました。離脱して影響のない選手ではないと思います。

予期していないケガでしたし、サッカーというスポーツでは起きる必要がないケガだと思います。誰がケガをしても残念ですが、このタイミングでグランパスにとって彼が欠けてしまうのは戦力的に大きな痛手です。ケガの種類としては、またサッカーをできるまでというより、リスクがある部位になってきますので、そういったケガが起こらないようにしたいです。最近はこういった話が続いていますが、グラウンドの中での各選手の振る舞いや、サッカーというスポーツをやっていく上で「どういう部分に気をつけなければ対戦相手を傷つけてしまう」ということを意識してプレーしてもらわなければいけません。今回も膝を高く上げた状態で吉田豊と競り合う必要があったのかなと。グランパスの選手に対してだけではなく、サッカーの中では膝を上げながら競り合い、その膝が相手に当たったらどうするのかということを考えなければいけません。それは膝でも肘でもそうです。グランパスの中でケガをさせられてしまうことが起こったので、すごく残念に思っています。


サッカーというスポーツに関わり、サッカーの世界に長く生きてきていますので、スポーツリアリティーという部分と少し違うところまでいってしまっているのではないかなと。我々がC大阪と対戦した先週、ほかの会場でもさまざまなことがあり、「なぜサッカーの試合の中でそのようなプレーが起こるのか」と。具体的には言いませんが、そういったことが起こっていて、週末は話題になっていた気がします。サッカーは闘志と闘志がぶつかり合う接触プレーのあるスポーツで、それは試合の各シーンではっきりと見えます。それが本当は魅力でなければいけません。サッカー選手は少年たちの目標にならなければいけないですし、人間としてもリスペクトされ、夢を与えるべき存在です。そういったところまで話がつながっていると思います。原点に還らなければいけませんし、どんなプレーでも見られているんだという意識が必要です。陰でやれば良かったというわけではありませんけど、よりそういった自覚を持って、振る舞わなければいけないと、サッカー界全体に求めたいですね。


-前節ではオ ジェソク選手が途中から左サイドバックに入り、いいプレーを見せていました。

代わりに入った選手がいろいろな仕事をするのは、今年のJリーグで全チームが強く意識していることだと思います。ベンチにいる選手もそういった意識が強いと思います。試合の流れの中でいろいろな状況への対応力を求められていると選手もわかっています。前節は成瀬(竣平)もいい入り方をしてくれました。オ ジェソクが左サイドでプレーするのは、彼のキャリアの中で初めてではないことです。いいプレーができることをわかっていましたけど、本当によくやってくれました。吉田の負傷があった中、質が下がってしまった印象はないと思います。「交代で入ったから、ポジションが変わったからレベルが下がった」と見られたくないという気持ちを持っていたと思いますし、意地を見せてくれました。オ ジェソクが気持ちの強い選手なのは、誰が見てもわかることです。良さを出してくれて、ああいったシチュエーションにも対応してくれました。


-オ ジェソク選手はディフェンス面での活躍はもちろん、オーバーラップからクロスを上げるシーンもありました。

8月の移籍ウィンドウでチームに加入して、合流してすぐにケガをしました。G大阪での開幕戦を最後にフルコートでの試合をやっていなく、試合勘もなく、スムーズに合流できませんでした。やっと試合に絡み始めて、探りながらではなく、「こういう部分はこうでいいんだ」と。距離感や感覚、アイデアの部分でも周りと合ってきたと思います。このチームのやり方が見えてきたので、もともと得意である守備に加え、攻撃の部分でもさらに力を出してくれるのではないかと思います。


-前節は途中出場のガブリエル シャビエル選手が決勝点をアシストしました。彼に求めていることと評価を聞かせてください。

広いスペースがある中で、なにができて、なにができないか。C大阪戦ではあの時間帯でプレスの感覚や相手の距離感をつかめて、ある程度押し込めていた一方、プレースペースが狭くなっていました。そこで阿部(浩之)を含めた2人の能力がかなり有効だと思い、あのタイミングで起用しました。ほかの試合でも素晴らしいプレーを続けてくれています。シャビエルに関しては、彼の高いクオリティーをいい形で反映させるためにどういった使い方をするか。最近は途中出場が続いていますけど、先発で使ってはいけないと思っていません。試合の展望によっては、スタートから出るべき試合もあります。彼はどちらで試合に出ても、その時々でチームに対してやるべきプレーを意識してやってくれます。今年はいいシーズンを過ごしているのではないでしょうか。


-札幌との前回対戦は、首位の川崎Fに勝利したあとに迎えました。今回も上位のC大阪を下したあとの札幌戦です。試合のポイントや相手の印象を聞かせてください。

前線の選手一人ひとりに個の強さがあり、それを相手にぶつけています。両サイドの選手は攻守においてしっかり走って、どちらのサイドからも闘えます。そこへの対策をやっていかなければいけないと思います。札幌は理想的なシーズンを送れていないと思いますし、若い選手を使わざるを得ない状況もあったと思います。だんだんとチームとしての調子を取り戻してきたのかなと。直近の試合では、我々と対戦した時とスタメンが数人替わっていて、メンバーも戻ってきたと思います。今まで札幌でプレーしてきた選手が多く試合に出ているのかなと。前回の対戦からいろいろあったとはいえ、ほとんど同じような状況になり、しっかり準備してくると思います。今の順位は関係ないです。Jリーグのほかの試合を見ていても、毎週のようにサプライズはあります。自分たちがそのサプライズをされる側になってはいけません。そのために最大限に警戒し、準備すること。これはいつも言っていることですが、今後もずっと言っていかなければいけないと思います。札幌戦への準備というのは、ほかの試合と同じようにやっていきたいです。


-両チームともにいいキッカーがそろっています。セットプレーが一つのカギになるのでは?

セットプレーの準備をしていく中、攻めるにしても、守るにしても、いろいろな要素が大事になってきます。素晴らしいキッカーがいても、中での強さを持っている選手がいないと、最終的にいい形にならないこともあります。それは守るほうも同じですよね。どれだけ練習をしても、高さがなければ、高さのあるチームに上からやられてしまいます。そういった意味ではどちらも強みを持っていて、欠かすことができないキッカーもいます。セットプレーという観点でも見ごたえのある試合になると思います。


-2試合連続で完封勝利を収めています。センターバックでコンビを組む丸山祐市選手と中谷進之介選手についてどのように感じていますか?

「絶対にやられない」という自信があり、いかに相手にとどめを刺すかという角度からサッカーに入っていくことが、勝つべきサッカーのやり方だと思います。もちろん、彼ら2人の成長もあります。去年と比べてチームとしてどのように守れているかは、GKを含めて後ろの選手が声を掛けて、あるいは声を掛けられなくても、チーム全体をオーガナイズした守り方ができているかがポイントになると思います。そういった部分でも2人が中心となって、そういう組織を作り上げて守っていると思います。守りやすいシチュエーションを作るのは守りのうまさだと考えると、そういった部分の成長をかなり感じます。相手に好きなようにやられている感覚がありませんしね。「自分たちがこの形にはめ込めば、守りきることができる」というシチュエーションをよく作れていると思いますし、そういった部分が彼ら2人の一番大きな成長です。グランパスは21試合で20失点。首位の川崎Fは得点力があり、守備でも素晴らしいものがありますよね。まずはしっかり守ること。そして相手がなにもできなくなったら、しっかりととどめを刺すというサッカーができると思います。