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明治安田生命J1リーグ第18節 G大阪戦 前々日監督会見

219月
9月21日(月)、チームはトヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、23日(水)に行われる明治安田生命J1リーグ第18節のガンバ大阪戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督がオンラインでの記者会見を行いました。

マッシモ フィッカデンティ監督


ーリーグ戦も折り返し地点です。今節で対戦するG大阪についてどのように感じていますか?

すごく悪い状態であるかというと、そうではないと思います。しかし、こういうふうな過ごし方をしたいという理想的な時期ではないかなと。我々もそうでしたけど、主力であるべき選手に残念ながらケガ人が出ています。残念ながらというのは、もちろん誰がケガをしても残念ですけど、特に過去に一緒プレーしていた選手が大きなケガをしたこともあって、あえて「残念な」という表現にさせていただきます。やりくりが難しいところもあり、ベストな状態ではないというふうにG大阪を見ています。ただ、選手層が厚く、レベルの高い選手もそろっているので、十分に強いチームなのではないかなと。今の状況やどのような時期を過ごしているかなどを一切考慮せず、「やっぱりG大阪は強いんだ」と考えています。かなり強いチームと試合をするイメージです。


ー前線からのプレスだけではなく、自陣で守りを固めることがあると思います。守備のやり方を変える判断はどのように下しているのでしょうか?

なるべくゴールに相手を近づけないため、前からプレスにいくことは大事です。時間帯や試合の流れ、疲労の溜まり具合などによって、前からいくというやりたい形ができないこともあります。ただ、相手の特長によっては、ゴール前で守りすぎてしまうのが危ないこともあります。どのような相手かというのはもちろん大事です。相手がどのようなところを狙ってくるのかは、試合が始まってみないとわからない部分もあります。その場その場での判断が大事になってきます。最近の試合に関しては、もっと少ない失点数を求めます。しかし、チャンスの数やシュートの本数は相手が少なかったですし、打つとしても無理やり打たざるを得ない状況でのシュートになっています。この間の試合も枠内シュートがすごく少なかったと記憶しています。得点を取らせないためにどうするかということを大事に、ディフェンスのやり方はその試合、その時間帯で常に判断しています。


ー先制点を許すのは厳しいことです。取られないためにはどのようなことを意識させて、防ごうと考えていますか?

そのような質問をいただくと、サッカーはそもそもどのようなスポーツなのかという幅まで話がズレてしまいます。どのチームも先制点は奪いたいもので、先に失点することは絶対にあってはいけないという位置づけで取り組んでいると思います。それでも失点してしまうことはあります。見ている方にとっても、「こっちのチームが絶対にゴールを決める。反対のチームは絶対に点が入らない」というものだったら、サッカーというスポーツはつまらないものになってしまいます。ほかのスポーツと比べると、サッカーはかなり力の差がある相手に対しても、まさかということが起こる確率が一番高いと思います。その中で失点の確率を下げるために、攻撃と守備のどちらに重きを置くかという話もあるかもしれません。しかし、「しっかり守って入ろう」と言った試合でも失点をするというのは、グランパスだけではなく世界中のサッカーチームに共通すると思います。予測不可能というのがサッカーのおもしろさなので、「なるべくそうならないように、慎重に入ります」としか言えないですね。


ーG大阪とは今シーズン2度目の対戦です。前回の対戦をどのくらい参考にしているのでしょうか? また、それを踏まえて変化をつけることはあるのでしょうか?

選手1人が変わるだけで、チームのやり方は変わってきます。G大阪は直近の試合で4バックを採用しています。我々と対戦した時と違う形になっていたり、同じ形になっていたりして、変えながらやっているのでどちらでくるのかわかりません。横浜FM戦では準備していたものと違った形で相手がやってきましたけど、そのようなことはいつでも起こると準備しています。試合が始まってからパニックになったわけではないですし、「こうきたらこうする」ということを頭の中で整理できています。我々と前回対戦した時はこうだったと分析するより、最近のチーム状況、誰の調子がいいのかを優先に見ることが多いです。「おそらくこうだろう。でもこうやってくるかもしれない」ということをいくつか考え、複数の準備をして備えたいと思っています。


ー神戸戦の失点は「あってはならない形だった」とおっしゃっていました。守備的な選手たちに対し、どのようなアプローチをしたのでしょうか?

失点は決める側のいい部分があって、そこまですごくなくても攻撃側に得点を決める理由が絶対にあります。失点する側にも、失点してしまった要因があると思います。得点を決めた選手を手放しで褒めなければいけないことは数少ないです。相手が9、我々が1という割合のゴールだったら、「なにもできなかった」、「あれは相手が素晴らしかった。褒めるしかない」と声を掛けます。そのくらいのゴールでなければ入れられないという守り方をしなければいけません。神戸戦の失点シーンだけではなく、失点にならなかったシーンも見直しました。相手の素晴らしさがもっと高ければ、相手がチャンスを生かすことができれば、ほかの選手やほかのシチュエーションだったらやられていてもおかしくなかったという捉え方をしています。それは選手に振り返ってもらい、一緒に映像を見ながら修正しました。半分以上の割合でプレゼントしてしまったゴールが最近多かったです。もっともっと突き詰め、相手が素晴らしいプレーをしなければ得点は入らなかったというシチュエーションを作っていかなければいけません。最近の失点はそういった形が多いので、今回だけではなく引き続き話しています。


ーリーグ17試合目を前に、ここまでの評価を聞かせてください。

ここまでの戦いについて、比較するべき一つの対象として去年の成績があると思います。数字的に見ても去年の勝ち星に並んでいますし、去年よりもいいシーズンを送ることができるのかなと。その部分については評価していいと思います。内容に関しても、もっともっと良くしていきたいという意思を選手から感じていますし、目指しているサッカーに近づけていると思います。向上心を感じながらやることができています。そういった部分は選手たちから感じ取るだけではなく、こちらから問い掛け、「もっともっと」と煽りながらやっていきたいです。16試合を終わった時点で、今の状況は決して悪くないのかなと。簡単な試合は絶対にありません。試合の流れの中で隙を作っている時間帯もあり、勝てるはずがそうではなくなったり、負けるような流れではなかったのに負けてしまったり。多くの試合で心の隙を作ってしまった部分があると思うので、そういった厳しさも求めたいです。「グランパスと試合をする時には呼吸する余裕すらない」と感じさせる厳しさがある中で、もし試合に敗れるならば、それは相手を褒めるしかない時だけでなくてはなりません。「グランパス相手には楽な試合に絶対にならない」、「負けた、本当にこてんぱんにされた」、「あのシュートがもしかしたら入ったかもしれないけど」なんていうシーンすら作らせない、そういった厳しいサッカーをしたいと思っています。そこに向かっていくためには、もっともっと厳しい感覚を持って取り組まなければいけないかなと。私がわざわざ言わなくても、選手ができるようになった時、本当に強いチーム、負けないチーム、勝ち続けるチームになると思っています。メンタルの部分で成長を促したいと思います。