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明治安田生命J1リーグ第7節の試合開催に関する共同記者会見

267月
7月26日(日)、明治安田生命J1リーグ第7節のサンフレッチェ広島対名古屋グランパスの試合開催に関して、Jリーグとグランパスによる共同記者会見を実施。Jリーグの村井満チェアマン、代表取締役社長の小西工己が経緯の説明や質疑応答を行いました。

■村井満Jリーグチェアマン


まずは事実関係を時系列でお伝えしたいと思います。すでにご案内しているように、宮原和也選手がPCR検査の結果、陽性であると24日に判明いたしました。23日に発熱し、検査を行ったという内容はすでに公表しております。クラブとしては、チーム内に陽性反応が出たことにより、総数60名のPCR検査をクラブの判断で行いました。その結果、渡邉柊斗選手とチームスタッフ1名が陽性であると、昨日25日の時点で判明しております。逆に言えば、58名が陰性であるということです。本日アウェイでの広島戦がある関係で、陰性である17名がそちらに向かっています。そうしたステイタスの中、本日朝8時から私と名古屋グランパスの小西(工己)社長、そして専門家の三鴨(廣繁)先生を交えて協議となりました。最終的には、濃厚接触者の特定は名古屋市の保健所の管轄になると聞いております。今日の夕方から夜にかけて、濃厚接触者の判定が出るということでございます。広島へ移動している17名が陰性ではあるものの、仮にこの中に濃厚接触者がいるとすれば、確実に安全という状況ではありません。朝の協議の結果、今日の試合は中止にしようと決めた次第でございます。


一連のプロセスについてチェアマンとして評価しているわけですが、7月17日の公式検査が第3回となるわけです。今回の3名含め全員に対して適正に検査が行われていることを確認しております。3名の健康管理や、濃厚接触を避けるような生活、トレーニング、試合を施していたという認識がありますので、クラブとして大きな瑕疵があったわけではないと認識しております。ただ、新型コロナウイルスの難しいところで、こうした厳格な行動管理をしていても、3名は7月17日以降になにかしらのルートで感染したと思われます。こうした状況は本人に感染の責任があるわけではなく、新型コロナウイルスの難しさを再認識する次第となりました。幸いにも3名は平熱です。渡邉選手とスタッフは自覚症状がない状態で、チーム全体がPCR検査を行う中で陽性反応が出たわけです。3名とも自宅や寮で静養しています。今回のPCR検査の判定前までの段階において、クラブは適切に対応していたと認識しております。そして宮原選手に陽性判定が出たあと、急きょクラブの判断で全員のPCR検査を実施するということは妥当だろうと認識しております。試合再開においては陽性判定者が出た場合、ガイドラインにはGK1名含む14名を用意できるならばなるべく試合に向けて努力するべきであると定められています。クラブは陰性であると判断した上で、広島に選手たちを送り出しています。その判断はガイドラインに基づいたものだと認識しております。クラブとリーグの協議の中、濃厚接触の判定タイミングから今回の試合を行わないことを確認いたしました。今後はチームの状態を注視しながら、8月1日の試合に向けて準備していくことになります。本日の試合の代替日程につきましては、なるべく速やかに、状況を注視しながら判断してまいりたいと考えております。公式検査の結果の中ではありませんが、チームから陽性判定が出ているということで、今後も引き続きしっかり感染防止対策などに努力していく必要があると認識した次第でございます。


■小西工己


昨日に引き続き、本日も大変急なご案内を申し上げました。また皆さま方に多大なるご心配をお掛けしていることを誠に申し訳なく思っております。


クラブで実施したPCR検査におきまして、新型コロナウイルスの陽性判定者が発生いたしました。この件につきまして、私からご報告させていただきます。7月25日に実施いたしましたPCR検査の結果、渡邉柊斗選手とトップチームスタッフに新型コロナウイルス感染症の陽性反応が出たことが確認されました。


渡邉柊斗選手の経過と症状をお伝えします。7月21日にチームトレーニングに参加。この時の体温が36.6度です。リリースに記載のとおり、25日まで平熱、無症状でした。PCR検査を25日に実施いたしまして、陽性判定が出ました。トレーニングはリハビリのためすべて別メニューでした。トップチームスタッフの経過と症状は、7月21日のチームトレーニングに参加。体温は36.7度でした。以降、渡邉選手と同じく平熱、無症状ということでございます。22日はJ1第6節大分トリニータ戦に帯同し、23日に大分から名古屋へ移動しチームトレーニングに参加。24日と25日にもチームトレーニングに参加しています。25日にPCR検査を実施し、その結果、陽性判定となりました。渡邉選手およびトップチームスタッフにつきましては、宮原選手との濃厚接触者には該当しておらず、直近2週間の行動履歴を確認いたしましたが、練習参加以外は基本的に渡邉選手はクラブの選手寮、トップチームスタッフは自宅で生活し、必要な買い物等外出は最低限にとどめておりました。現状2人とも体調に異常はありませんが、渡邉選手は選手寮内で隔離、トップチームスタッフは自宅で、それぞれ静養しております。また、2人の濃厚接触者につきましては、現在保健所と共に特定を進めています。


チェアマンからもお話がありましたとおり、本日はJ1第7節の広島戦でした。トップチームから3名の新型コロナウイルス感染症の陽性判定者が出たことを受けまして、リーグプロトコルに従い、14名の登録選手で試合に臨める方法を最後の最後まで探りましたが、本日陽性判定を発表した2名の濃厚接触者の特定時間がはっきりせず、特定が試合直前になってしまうことも予想されるため、やむなく14名の登録が難しい旨をJリーグさまにご説明し、協議させていただいた次第でございます。その結果、本日の試合は中止ということでJリーグさまのご判断をいただきました。


■質疑応答


―選手から陽性者が出ることをあらかじめ想定し、その場合はどうするかシミュレーションしてガイドラインを作っていました。実際に陽性者が出たことについて、どのように受け止めていますか? また、濃厚接触者がどの範囲になるのか難しい部分もありますが、今回のケースを受けて今後はどのようにしていきたいと考えていますか?

村井 選手はアスリートである前に社会市民で、すべての社会活動との接点を断つことは難しいです。社会的に感染が拡がっていく中では、選手にも感染するというのは時間の問題であると認識していました。実際に感染者が出たことを受けて、新型コロナウイルスの感染力の強さや、これだけ用心している選手たちが感染するということを現実のものとして受け入れたわけです。恐ろしさを改めて再認識した次第でございます。こうしたことが起こりうることを全選手、チーム関係者、リーグスタッフなどに共有しつつ、感染者を復帰させるように努力していくこと、そして関係者のプライバシーが守られること、スポーツが安定的に継続されることなどに改めて注力していく必要を感じています。


2点目の質問ですが、濃厚接触者の扱いについては、保健所の指導に従うという大原則を維持していくつもりです。保健所の数も多くありますし、地域によって感染状況が異なっていますので、その扱いについて多少の差異があることも認識しています。行政サイドの指導、指示に従うことを考えています。選手や関係者はガイドラインに基づいて行動管理をしっかりしていますので、迅速に行動履歴を提出できると思います。濃厚接触者の判定の協力ができる体制は整っています。宮原選手の場合はなるべく濃厚接触しないような日常生活や練習を維持していたので、特定されることはなかったわけですが、今回の2名に関してはどのような判定が出るかわかりませんが、なるべくクラブの活動に大きな影響を与えないように、濃厚接触の定義に基づいて行動していこうと考えている次第でございます。


―8月1日の試合に向けて活動するという話がありました。今後のリーグへの影響はどのようにお考えでしょうか?

村井 今回の件を受けて、ガイドラインの修正や判断についてもう少し丁寧に細かく詰めていく必要があると認識しています。ベースは2週間に1回のPCR検査という公式検査を運営していくことになると思いますが、7月17日以降の1週間の間で感染しているということが今回明らかになりました。例えばチーム内に陽性者が出た場合、チーム内への影響を考慮して、1カ月になるのか、どのように刻むかは専門家の意見を聞きながら、例えば週次でのPCR検査を一定期間行っていく必要がある可能性があると思います。チーム内でのさらなる感染を早期に把握するためにはそういうことも必要かもしれません。今回はたまたま25日に約60名検査し、次の第4回の公式検査が1週間後の31日になりますので、1週間のインターバルで確認することができるわけですが、次の8月1日の試合に向けてこのインターバルでいいのかどうか。明日、NPB・Jリーグの連絡会議(日本野球機構・日本プロサッカーリーグ連絡会議)の中で専門家のご意見を聞く機会がありますので、検査体制のインターバルが妥当かどうかの判断を詰められるかなと考えております。影響としてはこのようなことがございます。ただ、原則として14名の登録があれば試合を行っていくというルールがありますし、仮に14名を下回ったとしても、クラブとリーグで協議して妥当と判断できれば試合の実施は可能です。実際に今回は60名のうち58名が陰性であったり、数多くの選手が濃厚接触の定義から外れていました。直前の検査で問題なければ試合ができると現段階では認識しております。ただ、この状況は同時進行で精査していく中で都度判断していく内容だとも思っていますので慎重に対応してまいりたいと思います。


ー公式検査以外で陽性判定が出ることは想定されていましたか?

村井 今回の宮原選手のように、発熱があり翌日に検査を受けにいくということは2週間のインターバルの間に起こり得ることです。こうした症状が出た場合はチームドクターなどから適切な医療行為を受ける中で、検査を受けることも当然起こり得るので、公式検査以外で、医療上の対処としての検査があり得ることは十分認識していました。


ー今回の陽性判定者について、選手以外にチームスタッフ1名と発表がありましたが、名前は公表されないのでしょうか? また、チーム内で複数の陽性者が出ている原因についてはどのように考えていますか?

小西 1点目につきましては、トップチームスタッフの中には監督も含まれますが、監督ではございません。それ以上の詳細につきましては個人の特定、プライバシーに関わる部分ですので、申し訳ありませんがご容赦いただきたいと思います。複数名の陽性者が出ていることに関しましては、保健所さまのほか、県や市当局のご指導に従いながら、それぞれ厳正に対応しています。今のところそれぞれのつながりは確定、確認されていないので、まずは本日陽性が判明した2名の濃厚接触者の特定に全力でご協力させていただきます。仮にそこでなにかのつながりがあるということが判明しましたら、そのつながりを断つための対策をすることになります。まずは今日、全力で保健所さまとしっかりコミュニケーションを取っていきたいと思います。


ーリーグ再開前に2選手の感染が発覚し、クラブとして感染症対策を徹底してきたと思います。クラブとしてどういうところに気をつけてきたのか、これまでの対策について教えてください。

小西 日常生活におけるマスクの着用や手洗い、消毒などの基本的な感染症対策は徹底的に行っています。不要不急の外出を避けること、外食をしないこと、ゲストを家に招かないことなど、プロトコルを社内で作成し、実際に行っています。そのほかにも、クラブハウスにおいて毎朝の検温の実施、ロッカールームを分けるなどの感染症対策を行っています。週一回は感染症対策についてミーティングを行い、注意喚起を行っています。情勢によってはその頻度を増やしてその都度喚起を行っています。今回陽性判定が出た2名も生活に必要な最小限の外出に留めていたので、改めて感染リスクはどこにでも潜んでいることを実感しています。これからもさらに感染予防対策の強化、徹底を図りながら皆さま方にご迷惑を掛けないように、Jリーグさまが掲げている、「試合をやりきる」ということを目指したいと思います。


ー今回、宮原選手以外の2名は無症状でした。世間的にも無症状感染者が多くいる状況で、無症状感染者への対処についてどのように考えていますか? また延期になった試合について、過密日程の中で中止になる可能性もあるのでしょうか?

村井 今回の新型コロナウイルスは無症状でありながらウイルスに感染しているという人が存在していることが、感染拡大を招いている一つの要素だと思っています。ですので、Jリーグとしては全員に定期的にPCR検査を実施しています。保険適用外ではありますが、PCR検査を実施しているのはそういう背景があります。逆に言うと全く症状のない人が感染しあっている可能性もあり、今回の2選手が自分に症状がないからといって距離間を縮めたり、外出を重ねたりすると、2人が他者へ感染を拡げる可能性もありますし、チーム内に蔓延させる要因になります。ですので、症状がない人間同士でもガイドラインを守りながら、一定の距離間を保つなどの行動をしていくことが重要だと改めて認識しました。2点目の代替日程についてですが、当該クラブ同士でスタジアムの日程などを協議していくことになります。本日は休日ですので、週明け以降に具体的なスタジアム関係の調整、手配に入っていくと思います。今のところは数日の候補日が見つかると認識していますので、中止という判断には至らないと思っております。


ー次節の対戦相手である柏レイソルは監督が70歳ということもあり、新型コロナウイルスへのリスクを考え、再開前に練習試合を行っていないクラブです。この1週間でどのような話し合いをして試合に向かっていくのでしょうか?

村井 柏に限らず、すべてのクラブがこの感染症に対して不安を感じ、感染拡大をしないように努力をしていると思いますので、柏というところに関して特別な対処策があるわけではありません。今までどおりしっかり行動管理をしながら、今回は特に保健所等の濃厚接触の定義を確認しながら、そして次の試合の前にもPCR検査がありますので、そうした結果を踏まえながら十分な対処をして臨んでいきたいと考えています。


小西 今、チェアマンがお話したとおりでございますが、我々はJリーグさまのプロトコルに則り、試合を成立させること、そのために健康であり続けることが大事です。そして、選手たちには試合に向けて、最高のパフォーマンスができるように全力で準備してもらうことも含めて、これらが我々グランパスとしてのミッションだと強く思っております。感染状況に関して、名古屋市当局として保健所さまとコミュニケーションを取りながらしっかりと対処してまいります。濃厚接触者ではない、健康な選手たちで柏さんと対峙するのが我々のミッションだと思っています。


ー8月1日の柏戦は有観客開催の予定となっています。試合開催に際し、なにか変更があるのか、またその判断はいつまでになされるのか教えてください。

村井 Jリーグとして8月1日から8月10日までは超厳戒態勢、いわゆる「収容率50パーセント」、もしくは「5000人以下」いずれか少ないほうの形での運用を継続することを決めております。8月1日は決めているとおり、有観客、超厳戒態勢扱いでの試合運営になると認識しております。政府のほうより、「8月いっぱいはこの状況を続けてほしい」という要請がありましたので、明日の専門家会議を受け、Jリーグは政府方針に従っていくのが基本路線かと考えております。お客さまのお迎えに十分に配慮しながらの試合運営になる状況だと思っております。


小西 豊田スタジアムでは「5000人以下」が適用されるかと思います。5000人近いお客さまを安全、安心にお迎えできるように最善を尽くしたいと思います。


ー8月1日の試合がリモートマッチとなる可能性はありますか?

村井 リモートマッチ、いわゆる無観客での試合を想定しているわけではありません。


ーJリーグでは、「GK1名を含む14名以上」という試合開催の規定があります。こういった規定の中で、「濃厚接触した可能性のある選手はエントリーが不可能」とは定められていないかと思います。今回、ルールの変更を行うのか、協議の結果こういう決定に至っているのか、経緯を教えていただけますか?

村井 試合エントリーの条件としては、「GK1名を含む合計14名がそろう場合には試合を開催する」とあります。14名のエントリーを下回る場合、リーグとクラブで協議しながら可否を判断することになります。例えば、11名もしくは10名しか集まらないという場合は、リーグとクラブで協議をして判断します。濃厚接触者のエントリーが可能か不可能かというところの取り決めはありませんが、クラブから「濃厚接触者がわかっていない中で、14名を組むのは難しい」という申し出があったため、リーグとクラブの間で協議を行いました。協議の結果、濃厚接触者が確定していない状況でチームを編成することは非常に大きなリスクを伴うということで、今回の判断とさせていただきました。現状、ガイドライン上は「濃厚接触者はエントリーしてはならない」と明言されているわけではありませんが、協議の中に含まれている概念と理解しております。


窪田慎二Jリーグ理事 私から補足させていただきます。2020明治安田生命J1・J2・J3リーグ戦試合実施要の中で、試合エントリーに関しては第13条に記載されています。村井チェアマンの発言を一部訂正させていただくのですが、「前􏰒に定める各􏰇試合にエントリーできる者􏰗は、以下各号に定める要件をいずれも満たす者􏰗に􏰃限られるものとする。ただし、チームスタッフのうち、ドクターについては第􏰜1号の􏰙規定を􏰝適用しないものとする」とあります。検査を受けて、陰性判定を受けている人、エントリー時点での体温が37.5度未満の人は出られるということです。「いわゆる濃厚接触者の認定や入国制限地域からの入国等により、公的機関から自宅待機等の指示を受けている状態でないこと」という記載もさせていただいております。まずはこれが前提でエントリーできるかできないかを判断します。現時点では濃厚接触者の指定がない状況ですが、それがいつになるかわからないという状況なので、それを踏まえて今回判断をさせていただきました。そういった場合にはエントリー資格委員会で判断するという手順もあるのですが、今回は開催しておりません。その次の段階として、先ほどから出ているとおり、第13条では「新型コロナウイルス感染症の影響下での試合開催可否判断方法」というものがあります。「当該チームにおけるエントリー可能な選手の人数が、トップチーム登録の選手14名(ゴールキーパー1名を含む。以下「基準選手人数」という)以上である場合、当該試合は予定通り開催される」とあります。そこで「現時点で濃厚接触者が何名になるのかわからないという状況のため、まずこの14名がそろわない可能性がある」という相談を受けました。「当該試合開催の2日前の正午時点からエントリー開始時点までの間に基準選手人数に満たない可能性がある場合、当該チームは直ちにJリーグに連絡のうえ、試合開催に向けて最大限努力しなければならない」ということで、名古屋グランパスとJリーグの間で協議を続けてまいりました。「前号の努力にもかかわらず、当該試合の開催が困難であるとチェアマンが判断した場合、当該試合は中止することができる」ということになっていまして、その結果チェアマンが今回は試合を中止する判断に至ったという流れです。


村井 改めて訂正させていただきます。保健所が定めた濃厚接触者は試合にエントリーすることができないという情報がございました。今回は濃厚接触者が判明しておりませんが、その可能性があるため今回の協議に至ったという流れです。


ー例えば、週末のPCR検査は翌週の火曜日または水曜日に結果が出るかと思います。ミッドウィークに試合があり、1名の陽性者が出た場合、その濃厚接触者を当日に特定するのは難しいかと思います。濃厚接触者だけでなく、濃厚接触した可能性のある人もペンディングとなる、このような解釈でよろしいいでしょうか?

村井 あくまで公式検査は2週間のインターバルであり、試合などさまざまなものがある中で行っていくものです。検体数が3000近くある関係で、検査を行い、検査結果を発表するインターバルというのは、試合にあわせて都度コントロールできるものではありません。検査を行い、判明したものを直近のものから反映していくための一つの参考として使っていくものです。今後、今回のように試合の直前で協議の中で回避することもあるかもしれません。そうでない場合は、濃厚接触の定義を踏まえて試合を行っていくこともあるかもしれません。都度、日程を見て判断することになります。最終エントリー人数に関するクラブ側とリーグ側の協議は、専門家を交えて行われる中で決めていくこともあり得ると考えております。


窪田 一点、補足させていただきます。残念ながら陽性となってしまった選手がどういう行動を取っていたかに関しては、ケースバイケースになるかと思います。例えば、今回で言うとケガをされていて、チームとは一緒に行動していません。そういうこともあり得ると思いますし、これまでに事例としてなかったことですから、その都度状況を見ながら判断をしていくことになると考えております。


ー宮原選手の陽性が判定して以降、チームトレーニングのやり方を変えたのでしょうか? また、今後変えることを考えているのでしょうか?

小西 チーム統括部スポーツダイレクターの大森征之から回答させていただきます。

大森 宮原選手が24日時点で発熱をしまして、PCR検査を実施し、陽性判定が出ました。25日は移動日にあたり、午前中の10時から練習を行いました。宮原選手の陽性というのはチームに共有した上でトレーニングをして、その後に選手、スタッフ約60名にPCR検査を行いました。26日の広島戦に向けて、選手が監督と共に調整をした状況でありました。私は外からチームを見ており、いつもと変わらないような形でやっていたものの、監督からは「選手は不安を感じている」という報告を受けております。今後のトレーニングに関しては、保健所さまのご指導のもと、監督を含めたコーチングスタッフと検討していく形になります。


―ガイドラインの修正について、どのように検討しているのでしょうか?

村井 陽性判定がクラブから出た場合は今回の判断を土台としながら、専門家の意見を明日にも拝聴しつつ、必要に応じて修正していくことになるかなと考えております。17日からの1週間で3名の感染があったことから、同一チームでさらなる感染の可能性があるので、当該クラブで当面の間は短いインターバルでの検討が必要ではないかと個人的には考えております。最終的には専門家の意見を踏まえて、最終化していきたいと思います。その他のトレーニングに関しましては、修正すべきものは具体的にはありませんが、必要に応じて協議していく可能性はございます。


―スポーツくじに関する影響はどのように考えていますか?

黒田卓志Jリーグフットボール本部長 この件につきましては先ほどご連絡しております。このような事態を想定して、日本スポーツ振興センターさまと事前の準備をしてまいりました。主催であるJリーグが開催可否を判断することについては一定のご理解をいただいておりまして、「Jリーグの決定を受けて、日本スポーツ振興センターとして対応していきます」と回答をいただいております。ですので、今回の件で今回のくじや今後のくじについて、懸念事項などは伺っておりません。


―感染の可能性がある選手が公共の交通機関を使って移動することのリスクをどのように考えていますか?

村井 濃厚接触の判定が出ていない状況ではありましたが、PCR検査を実施して陰性であることを確認した上での行動でしたので、社会に対して無責任な行動であったと断定しかねるというふうに認識しております。選手は遡ること2週間、またはそれ以上の期間で厳格な行動管理をし、定期検査を行っております。クラブ判断による25日の検査も受け、いずれも陰性である選手が移動しております。公共の交通機関の移動の仕方に関しても、十分に配慮した上での行動だったと認識しております。ですので、最低限の社会的責任は果たしていたと認識しております。


清水克洋名古屋グランパスエイト専務取締役 昨日の移動時点では、一昨日の宮原選手の陽性判定が確定しておりました。ですので、移動した選手は宮原選手との濃厚接触者ではないことが確定しておりました。移動ののちに2名の陽性が判明しまして、彼らに紐づく濃厚接触疑いについて現在調査中です。昨日の移動時点では濃厚接触疑いではなかった、という認識です。


―選手の移動に関するリスクを低減するために、どのような方策が考えられますか?

村井 選手の移動に伴うリスクを回避するための取り決めは、すでにガイドラインで定めております。そのガイドラインに留意しながら進めていくことになります。今回、広島へ移動した選手の戻り方に関しては十分配慮した上で戻ってほしいと考えています。チャーターバスの検討をするのか、万全の配慮をした上で公共の交通機関を利用するのか。ここはすでにクラブとリーグで協議しております。ガイドラインをベースとした対応が原則となると考えております。


―8月の試合様式に関しては、明日の実行委員会で決定するのでしょうか?

村井 まずは明日のNPB・Jリーグ連絡会議にて専門家の意見を拝聴したいと考えております。推測ですが、おそらく政府から8月いっぱいは現状の対応を継続してほしいという要請が出ているかと思います。それをベースに、野球界とも判断進めているかと思います。あくまでも明日の時点での判断を聞いた上での決定となりますが、推測するところ、8月いっぱいは現状の運営を継続することになるだろうと想定しております。明日の専門家会議の内容によっては、改めて実行委員会を開催するまでもない可能性もございます。その場合はJリーグのほうから実行委員会へ継続のご案内をお出し、明日の実行委員会は行わない可能性もございます。ただし、今回の名古屋のような件もあるので、協議するべき内容があれば実行委員会を開催する可能性もございます。NPB・Jリーグ連絡会議後に私の会見を行わさせていただきますが、実行委員会を行わない場合は、その後に予定しているJリーグとしての会見は行わない可能性がございます。いずれにせよ、明日の判断になります。


■小西工己

明日、全員に対して再度のPCR検査を実施し、31日のJリーグ全体の定期検査の前にも複数回PCR検査を実施いたします。安心安全を確認した上で、全力を挙げて8/1の柏レイソル戦に臨ませていただきたいと思います。なにとぞ、皆さま方のご理解をお願いいたします。