マッシモ フィッカデンティ監督
10分ほどになるのか、あるいは6、7分だったのかはわかりませんが、試合当初は相手の時間を長く感じるような、C大阪のボール回しを見せつけられるようなゲームでした。最初の10分ほどは苦しい始まりだったと思います。C大阪は誰が見てもいい状態にあり、強いチームです。彼らを相手に勝利できたことは、自宅から応援してくださっている多くのグランパスファミリーの方にとっても、本当に良かったと思います。C大阪相手に勝利できたことを普段の何倍にもうれしく感じます。
自分たちの良かったところとしては、つなぐべきところで短いパスをつなげ、逆にスペースを埋めてくる状況ではカウンターから裏を取れました。時間帯によって、さらに相手の対応に応じて、常に相手の先手を取ってゲームを進める判断が非常に良かったです。実際にそう動くためのコンディションも前の試合より上がってきていると思います。勝利を喜びながらも、巧さやコンディションなど、すべてにおいてもっと上げていけるということを選手たちへ伝えました。
―後半開始にあたり、守備を強く意識して入ったように感じましたが、それは監督からの指示だったのでしょうか? そして早い段階で米本拓司選手を投入した意図をお聞かせください。
後半のスタートから強くディフェンスをすること、相手の陣内からプレスをすることをやろうとし、できていました。そのためには、中盤での走力が必要になってきます。「疲労が見えればすぐに代えるからやれるだけやってこい」、「節約せずにプレーしてほしい」と伝えていた中で、(ジョアン シミッチ選手に)疲れが見えたので交代させました。米本選手を入れたおかげで前でボールを奪ってからチャンスにつなげ、状況をひっくり返すシーンを多く作れました。とても良かったと思います。
―10分を過ぎてからゲームが落ち着き、ボランチの位置でしっかりとボールを奪えていたように感じました。チームとしてなにが良くなったのでしょうか?
極端に言うと劣勢な状況で試合が始まったように見えたかもしれません。しかし、実際にはそれほど危ないシュートを打たれていたわけではありません。選手たちはまずしっかりと受けよう、バランスを崩さずに自分たちの時間を作ろうという意識で、結果として慎重な入り方だったと言えると思います。そして時間の経過とともに相手のやり方を理解していったと思いますが、選手がグラウンドの中で調整するまでに10分くらいが掛かったのだと思います。それくらいの時間を必要だと理解した上で、しっかり受けきって対応ができたと思います。
―その対応は、監督の狙ったとおりのものだったのでしょうか?
非常に強いチームと対戦するというイメージを持って大阪まで来ました。慎重になりすぎるくらい慎重に試合に入るということは練習から準備をしてきました。こういうゲームではそのような対応が必要になる場合があると思います。今日のゲームは選手たちがそう対応し、このようなゲームになったのだと思っています。