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マッシモ フィッカデンティ監督 5月20日囲み取材

205月
5月20日(木)、トップチームのグループトレーニング再開を受け、マッシモ フィッカデンティ監督がテレビ電話での取材に応じました。取材の模様をテキストでお届けします。

マッシモ フィッカデンティ監督


―グループトレーニングが再開しました。

グラウンドでサッカーに取り組むことは、我々にとって生活の一部です。そういった日常にほぼ近い状況を作れて、みんなで一緒に過ごせたことを喜びたいと思います。選手たちもやる気に満ちた状態でした。喜びに満ちた1日でしたね。


―活動休止中や自主トレーニングの期間はどのようにコミュニケーションを取っていましたか?

在宅でのトレーニングではビデオ電話をつなげて行っていましたし、自主トレーニングでも必ずスタッフが確認するようにしていました。さまざまなツールを使って情報を集めて、常に管理をしながらトレーニングをしていました。ですから、(グループトレーニング再開にあたって)「みんな元気だったか?」というような感じではありませんでした。


―さまざまな情報をもとにトレーニングを設計しているのでしょうか?

選手がどういった状態なのか、試合ができるようになるまでどれくらい必要か、ということは感覚として持っています。公式戦の再開に向けて、さまざまなことがスムーズに決まればいいのですが、我々次第ではありません。これまで我々にできることを続けてきました。今日からはまた違った環境でできることがあります。闇雲にやることはせず、その時その時で一番いい方法を、段階を踏んでやっていきたいと思っています。


―今日はどのようなトレーニングを行いましたか?

フィジカルトレーニングやテクニックのトレーニングです。1人でボールを扱うだけではなくて、パスや動きの中でボール受けるトレーニングを行いました。その中でも距離を意識しなくてはいけないですし、戦術や実戦に近い動きは様子を見ながらやっていく必要があります。多くの人数でトレーニングができるようになっても、最初の数日はこういったトレーニングがスタートになるので、制限されているという感覚はありません。気持ちよくトレーニングができています。


―選手たちは通常に近い形でトレーニングできることに喜びを感じていると思います。監督はいかがでしょうか?

彼らはサッカー選手としてこの期間にやるべきことに取り組んできました。本来の仕事はグラウンドで試合をすることです。それに向けて、サッカーに特化したトレーニングが再開できているので、充実感はあると思います。もちろん、これまでも強い気持ちを持ってトレーニングを続けてきたと思いますが、今日はその気持ちに加えて喜びという感情も持ち合わせているように見えました。個人的には、人数制限があるものの、自分がトップとしてグラウンドの中で指導することで、「仕事が戻ってきたな」、「再開したな」と感じることができました。苦しい時期が続きましたが、今日からいい方向に向かっていけばいいなと思っています。


―選手のフィジカル面、メンタル面のケアについて考えていることを教えてください。

フィジカルに関しては、しっかりと追い込んで、闘う準備ができたところで中断となりました。普段のオフよりも長い中断期間でしたので、「どうやって取り戻すか」という課題はサッカーに関わる人すべてにとって新しいものです。これは最初で最後であってほしいですね。新しいことに取り組んでいるので、「こうやってやればいいよ」という形ではなくて、選手の状態をチェックしながら最善の取り組みしていくと。メンタルに関しては、我々サッカー界の人間だけではなく、すべての人が大変な思いをしています。我々は幸いにも外でのトレーニングが再開となり、気持ち的にもオープンで明るい雰囲気でトレーニングができています。他業界の方々よりも、もしかしたら元気な状態で取り組めているかもしれません。恵まれていることに感謝しなくてはいけないですし、皆さんに元気を届けなくてはいけないと、今日のトレーニングを通して感じました。


―選手とはどのようなコミュニケーションを取りましたか?

以前からビデオ電話などのツールを通してコミュニケーションを取ってきました。なので、「久しぶりにみんなと再会した」という感覚ではなくて、毎日一緒にいたかのような感覚です。選手の情報もありましたからね。リスタートできるという喜びはありましたが、特別な再会の喜びはありませんでした。


―公式戦が再開された国も出てきました。今後に向けて不安に思う点はありますか?

規模に関係なく犠牲者や感染者がいらっしゃるので、国や地域ごとに比較するのはどうかと思いますが、実際にサッカーを再開にするにあたって議題には上がる数字だと思います。日本と比較すると、ヨーロッパはより危険だと位置づけられているかと思います。サッカーを再開できると判断しても、かなりケアした中で試合が行われていました。日本で再開される場合は状況が改善されていて、よりサッカーに合った雰囲気で再開されればいいなと、ヨーロッパの映像を見て感じました。


ー普段から熱心に分析をされているかと思います。映像を観る時間はありましたか?

サッカーに関して映像を観て分析することは当たり前のことで、それは「仕事をする時間を増やした」という発言の中に含まれています。今年の試合に関しても、何度観たかわからないぐらい観ています。隅々まで何度もチェックしましたよ。情報をアップデートする作業をする上で、古い試合を観ることもありました。1人の時間を楽しいものにするのか、それともつまらないものにするかは、想像力を働かせられるかどうかで変わってくると考えています。


ー選手たちの状態について、開幕時が100パーセントだとしたら現在はどの程度だと考えていますか?

ゲーム形式の練習など、そういった強度のトレーニングをやれなかったので、そういう部分は見ることができていません。もし、そういうトレーニングや試合をやらせても動けたかもしれません。我々が思っているよりも選手たちは元気かもしれませんしね。負荷の高いメニューを行っても選手の無理にならないよう、段階的にやっていきたいと思っています。


ー本日、実際に選手の動きを確認されました。それを踏まえて、今後の練習と休養のバランスについて考えたことがあれば教えてください。

再開のスケジュールがどこで出るのかわかっていない状況です。再開初戦がいつになるか、そのあとの日程がどうかということにあわせてトレーニングをしていかなければなりません。今のところ、週5日はトレーニング、2日は休みというペースで少しずつ取り戻していく予定です。ただ、どこでトップに持ってくるかを設定することができていないので、今は少しずつ上げていくようなイメージで練習を組む必要があると思っています。


ー最後にメッセージをお願いします。

メディアの皆さんを通じて、ファン・サポーターの皆さんにメッセージを伝えていただきたいと思います。大変な時期をどう過ごされているか、皆さんのことをすごく心配しています。ファン・サポーターの皆さんがいない練習場でトレーニングをすることを不自然に感じており、早く戻ってきてほしいと思っています。また、スタジアムでなるべく多くの方と一緒に闘える日が早く来ることを願っています。皆さんもそれぞれ大変なことがあるかと思いますが、頑張って過ごしてください。ありがとうございました。