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【動画】明治安田生命J1リーグ第34節 鹿島戦 前々日監督会見

512月

本日12月5日(木)、トヨタスポーツセンターで非公開トレーニングを実施。練習終了後、明治安田生命J1リーグ第34節の鹿島アントラーズ戦に向けて、マッシモ フィッカデンティ監督が記者会見を行いました。


マッシモ フィッカデンティ監督


―残留が濃厚となった状況で迎える試合に対して、どのような心構えで臨むべきだと思いますか?

私が来てからという部分しか話す必要はないと思いますけど、この2カ月間はすごく難しい状況の中で選手たちはプレーしないといけないというプレッシャーがありました。そこからやっと抜け出せたので、必ずいい形で終わりたいと思います。最後まで、これほど多くのチームが残留争いに絡む状況でした。その中で大事なのは、内容が常に悪かったわけではありません。内容として良かったけど勝ち点が伴わなかった、内容が悪くても勝ち点を取れた、内容が悪くて敗れたと、いろいろな試合がありましたけど、その中で必要な勝ち点を上げるということが絶対に達成しなくてはならないミッションでした。それができたからこそ残留という結果になったと思います。他の機会でも話しましたけど、8試合だけ、期間的には2か月と少し。それでなにができるのか。サッカーという世界では、だいたいシーズン前に準備する期間がそのくらいにあたると認識しています。チームが難しい状況の中で残留に導かないといけないというミッションは、私にとって初めての経験と言ってもいいですし、難しい経験となりました。その中でもこの話をいただいた時に、少し考えた上で、それでも「名古屋グランパスだから」と。魅力のあるクラブだからというところで決断しました。また、実際にここに来た初日に、社長とお会いして話をしました。その時に「この状況なのに来てくれてありがとう」という言葉をいただきました。それを聞いて「絶対にこのチームを残留させて、そしてまた新しいプロジェクトに向かおう」と思いました。残留のためだけに私はここに来たのではありません。まずはこのチームを残留させて、その後に別のプロジェクト、別の目標に向かってやっていくというところも含めてこの仕事を受けました。サポーターの方には、我々の事情など関係なくて、毎試合勝利を期待していると思います。我々はすごく難しい状況の中で苦しみながらも残留できたので、一息つきたいところもあります。だけど、サポーターの方の目線で考えると、納得のいかない部分は多いと思います。単純に楽しめなかった部分もあると思います。そういった部分も含めて、最後の試合だけでもここからもう一度準備をし直して、楽しんでもらえるようにしないといけません。このチームに来た時点でも、どこからこういった状態が始まったのかというのは最終的にわかりません。だけど私は6年も日本にいますので、外から見ている限りでも、4年前くらいから名古屋が調子を崩したなと、あまりうまくいっていないのかなと見えていました。そこで私が就任していろいろなことに取り組みましたけど、本当に苦しい2カ月間でした。ただ、先ほど言ったように、名古屋がここを乗り越えたら、どういう目標に向かって取り組んでいくのかを考えました。名古屋というクラブの大きさを考えると、乗り越えた先にすぐまた高い目標に向かえるという魅力がありました。そういったチームでなれけば、リスクのある難しい状況だったので、このミッションは受けなかったと思います。そういったことも含めて、最後の試合で未来を見据えたものを示していかないといけません。


―残留というミッションはほとんどクリアしました。そのプレッシャーからは開放された面があると思います。その上で来季への助走という意味も含めて、監督が見せたいものという観点に、これまでのものから変化は生まれていますか?

張り詰めた、極限の状態で選手たちはプレーをしていました。ミスをしてはいけないという、極端に言えば、怖さを持ってしまうかもしれなかった。そういう状況から開放されたので、一番やってはいけないことは、完全なリラックス状態になって、緊張感のない試合になるということです。そこに持っていってはいけないというのが一つです。他の機会でも触れましたけど、チームを作っていく中でどこから手を付けるか。今回は8試合の中で残留をさせるために、限られた中で最優先にやるべきことはなにかを考えて取り組んできました。本来考えるべき「どういうチームの作り方をするか」というところをスタートさせられる状態になりました。とはいえ、鹿島戦の前の1週間でできるかと言えば、そういうものではありません。逆に言うと、どういうふうにプログラムを立てて、どういうプロジェクトに基づいてやっていくというのは、クラブ側とずっと進めています。そこは来シーズンが始まってから、全く新しく、これまでと違った、私がやりたかったサッカーを目にしていただけると思います。最後の試合は丁寧にやることで、サポーターの方に気持ちを込めて闘っているという姿と、勝利の喜びを与えるために頑張らないといけないというところをしっかりとやらせたいと思います。


―クラブはリーグ3位以内という目標でスタートしました。今は鹿島が3位に位置しています。そういった相手と戦うという部分を、対戦相手の分析も含めて教えてください。

鹿島が強いチームだということを、私はずっと言い続けています。オーガナイズという面でもメンタル面も含めて、クラブとして「日本で一番強いチームはどこか」と聞かれたら、私はいつも「鹿島だ」と答えています。そういうふうに見ているチームです。名古屋グランパスが今シーズンにACLを目指してスタートした中で、それをできておらず、残留をギリギリまで争っていました。そういう目標を持ってスタートした我々が、ACL圏内にいる鹿島と試合をやる。まず言っておきたいのは、私のキャリアの中で、「このチームをどういうところに導くか」という約束をした時には、その目標を達成してきたので。私はできない約束をしません。まずはACL圏内を目指して戦うという目標に、私は一切関わらないでこのチームはスタートしました。そうした中でまず残留をしました。そして3位の鹿島と戦うということについては、強いチームと戦うので、我々も鹿島のようなメンタルを持ち合わせなければいけないと思います。ここ最近、4年間の名古屋は外から見ていてそう思えなかったです。ある意味見習うべきチームと対戦するので、それを肌で感じ取りながら、そういういいチームに勝って一気に目標を切り替えてやっていかなければいけません。そういう思いも込めて鹿島相手に最高の準備をして、いい結果を出せるようにしたいと思います。


―前節の磐田戦では守備の修正に手間取っていた印象です。再び同じ状態にならないように、どのような準備をしていますか?

必ずすべての面においてバランス良くチームを作らないといけません。どこがいい、どこが悪いということはなくて、どの面を見ても隙のないチームを作ることがチーム作りだと思います。このチームは就任した時に、明らかに弱点があるチームだということがはっきりわかったので、まずは「隙のない」という意味で弱点があってはいけないので、まずはそこを修正して取り組んできたつもりです。その試合の中でははっきり出てしまったかもしれませんが、他の試合の中ではそこについては問題ないと思える内容だったかといえばそうではありません。あくまでそういった部分の修正をするようにしましたけども、残留に向かって必要なことをいろいろとやる中で、そこもできるだけやったということです。それが時間を与えられた中で準備をできたら、取り組み方も全く変わってきます。そういった意味でもシーズンオフに入って、明けてから取り組む時に、どういうことを改めてやらないといけないか。そのアイデアはしっかり持っています。


―前節ではベンチ外のメンバーを全員帯同させていました。それは監督のアイデアだったのでしょうか?

選手にはあの試合がどれだけ大事な試合だったかということをわかってもらいたかったです。チーム全員が理解することは、グループの中で試合に出ているメンバー、出ていないメンバーに関係なく、一つのグループとして毎日行動しているわけなので、あの試合がどれだけ大事なのかを理解するためにも必要だったと思っています。サッカーで勝つために一番必要な要素がなにかと言えば、集団でやるチームスポーツですから、まずはチームになっているかどうかということ。どれだけいい選手が集まっていても、チームとして成り立っていなければ、それは勝てないチームだと思います。そういうものをしっかり選手に意識させるためにもいいやり方だったと思います。


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