マッシモ フィッカデンティ監督
―現在のチームの状態をどのように見ていますか?
今の途中経過は関係ありません。試合の当日に、どうだったかという答えが出ると思います。目の前の試合が最も重要で、そのために取り組んできました。ここまでの3試合で、気持ちの面で準備した通りにできたかというと、良くできていた時もあれば、そうでなかった試合もあります。結局のところ、準備をどうしてきたかということは結果に尽きると思います。次の試合では、その部分を確実にクリアしてプレーしてほしいですね。
―前節で出た課題を修正することはできましたか?
自分たちのミスや相手のチャンスシーン、失点シーンを見直すのは当然のことです。同時に、こちらが得点に至らなかったところも突き詰めてやっていきます。ゴールを取らないと試合に勝つことはできませんから。自分たちができなかったこともミスだと捉えてやっていかなくてはいけません。
―シュートを決めきるために必要なことは?
どうすればゴールになったか、と答えることは難しいと思います。より強いシュートを蹴れるように、より早くボールをコントロールできるように、より良い状態でそのシチュエーションに対応できるようトレーニングするしかないですね。入る時は入るし、入らない時は入らないものです。
―別メニューを課すこともあったジョー選手の状態は?
ジョーについては、シュートシーンで動きのキレをより上げるためのトレーニングを多めにしました。ゴールを取ってもらうためのトレーニングです。重要なのは、良くなっていると思うかどうではなく試合で結果が出るかどうか。時間は掛かったと思いますが、自分が来る前から別メニューで調整していたこともあり、コンディションはかなり上がってきていると思います。
―就任当初、チーム全体の課題としてフィジカルコンディションを挙げていました。
フィジカルコンディションについては、試合の結果に関わらず、トレーニングしています。90分間闘えるスタミナがついてきていると思いますし、そうなるのはわかっていました。ただ、本当に大事なのはそこではなくて、繰り返し言っているように気持ちの部分で相手を上回らなくていけません。気まぐれに気合を入れるのではなく、どのように闘うメンタリティーを作りあげていくか。名古屋のユニフォームを着てプレーすること、J1のレベルでユニフォームを着ることへの執着心をもっと見せてもらいたいです。また、サポーターの声援に感謝の気持ちがあるのなら、それをどうグラウンドで表現するか。今出しているもの、あるいは100パーセントの先を、どれくらい引っ張り出せるか。そういう気持ちは勝手に出るものではなくて、自分たちからそれが出るように持っていかなければならないし、そのための準備をしなくてはいけない。そこが一番大事だと思います。
―札幌のイメージを教えてください。
質の高い選手がそろっています。実際にリーグ戦でも上位にいるし、カップ戦でも決勝戦を闘っています。PKでの決着でしたから、カップ戦を取ったチームと対戦するのだと想定して準備します。どういう闘い方をするのか、どういう気持ちで試合に入るのか。そういう相手に対してどう勝利するかを考えて準備をしています。相手の良さを理解をした上で、集中してやっていきたいですね。
―選手とスタッフを交えた食事会が行われました。
今まではグラウンドで、仕事のスイッチが入っている状態でしか話をしていませんでした。なので、みんなでディナーを食べたことは初めてです。そこでどういう話をしたのかというよりも、いつもと違う雰囲気で、全員で時間を過ごしたということが大事です。もちろん、こういう状況ですから、結束力については普段からグラウンドで強く言っています。それにプラスして、今週は短いながらもプライベートな時間もみんなで過ごすことができました。いい影響があることを願っています。
―ここまでの3試合で、セットプレーから2失点を喫しています。
最初の失点から放置していたわけではありません。練習の中でより工夫をして、隙がないように準備と作業していくつもりです。
―セットプレーに強みを持つ札幌に対し、グランパスはセットプレーからの得点が多くありません。
おっしゃる通りです。数字で勝負をしているので、それは結果につながる大事な部分だと思っています。ただし、準備していた形が、次の試合でうまくいかなかったからといって、すぐにやり方を変えるようなものではありません。もちろん、なるべく早く結果が出たほうがいいと思いますが、攻撃なので。守備ではすぐに結果を出さなくてはいけませんが、攻撃は根気強く続けて、必要なら変化を加える。その中で、結果に表れたらいいと思っています。
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