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明治安田生命J1リーグ第29節 仙台戦後 監督会見

1910月

10/19(土)、明治安田生命J1リーグ第29節が行われました。名古屋グランパスはパロマ瑞穂スタジアムでベガルタ仙台と対戦し、0-2で敗北。試合終了後、グランパスを率いるマッシモ フィッカデンティ監督が監督会見に臨みました。


マッシモ フィッカデンティ監督


試合の経過に沿って、最初から話さなければいけません。まず、開始早々に失点する試合展開となりました。試合への入りとして、選手はどのようにやるべきかを理解しながら、バランスを気にしながらプレーする姿が見えていました。しかし、失点をしてしまってからは、相手にスペースを与えながらも同点を狙う形となってしまい、その状況はチームとして良くなかったと思います。我々にもチャンスがありましたが、相手にもチャンスを与えてしまっていました。追いかける展開となり、残り時間を考えても、そういう戦い方になってしまったことは良くなかったと思いますし、反省点です。


試合の展開として、相手はしっかり守ることを優先して戦っていたと思います。そこでゴールが決まるか決まらないかで試合の展開が変わりますが、今日は残念ながら運も悪く、ゴールが決まりませんでした。こういった展開において、守っている相手に対してできることは、チャンスを作り、攻めることしかありません。「チャンスを決めていれば試合展開が変わっていたが、決めきれられなかった。では次こそ決めようという捉え方をしていては、グランパスはずっと勝てないままのチームになってしまうぞ」と選手に伝えました。追う展開になっても、自分たちがしたたかに同点、逆転という展開にするために、どう戦うべきか。その点でできなかった部分をより反省することが必要です。実際に、今日のようにすぐ失点してしまう展開は今後もあり得ることですが、それを想定して戦うことはありません。もっとチーム全体で賢く戦えるようになれば、今日のような展開でも、逆にリードして始まるような展開でも、試合を支配することができます。「常に自分たちがやりやすいように支配することが必要だ。そのためにこのような状況でどう戦うべきかチームとしてもっと考えていこう」と選手たちに伝えました。


選手は最後まで闘っていましたし、まだ光が消えていない状況ですから、選手には自信を持って「まだまだやろう」と声をかけるつもりです。冷静に見えている部分はここまで話しましたが、私自身もまだ試合が終わったばかりで、試合中の気持ちが残っています。ですので、試合直後に分析をしないようにしています。改めて各シーンを分析し、今日のような試合を繰り返さないよう、分析した上で選手たちにも伝え、次の試合への準備をしたいと思います。


―後半の早い段階で赤﨑秀平選手、エドゥアルド ネット選手を投入しました。選手交代の意図をお聞かせください。

試合展開や相手の出方を見て、相手は後半もしっかり守るということを優先していました。時間が経てばより難しくなってくるということが見えていたので、早めに手を打ち、チャレンジする人数を増やしました。赤﨑だけでなくネットも、自身の役割を理解しやってくれました。宮原(和也)にはあまりプレーする時間を与えてあげられず、交代したタイミングは試合展開としても難しい状況でしたが、短い時間の中でも彼の特長が出ていたと思います。途中で入った選手たちは状況を理解し、プレーしてくれたと思います。


―前半はサイドからのクロスが多く、後半はつないで崩すシーンが多かった印象です。監督自身の狙いだったのでしょうか?

ここまでに話した試合展開とつながってくると思いますが、前半は自分たちもスペースを与えてしまいましたが、仙台が後ろで守っていたため、少ないパスでクロスを上げられる状況が多くありました。後半はよりパスを回してからやっとクロスを上げられる展開となりましたので、クロスの数では違いがあったと思います。後半の45分は、仙台としてはただ守るのではなく、我々の足元へのパスを引っ掛け、そこからのカウンターを狙っていましたし、それがサッカーのセオリーです。それにつられず辛抱強く状況を見ながらやっていましたが、結果にはつながりませんでした。後半はよりチャンスを作り、相手にPKを与えてしまうまではいつ追いついてもおかしくない展開でした。点が入らなかったことが信じられないくらい、チャンスを作っていたと思います。


―ゴール前まで迫りながら決めきれないのは監督が就任する前からの課題となっています。そこで決めきるために、何が必要だとお考えでしょうか?

もちろん質問されている意図はわかりますが、私としては今日の試合についてと、次の試合に向けてどうするかということを考えなければいけません。点が入らない時は入らないものですから、それよりもなぜ失点してしまったかということに考えがいっています。選手時代も含めて35年ほどこの世界にいるのですが、実際に試合をライブで観ていて、試合中に「今日はこういう試合かな」、「あの試合に似た空気だな」という経験からくる感覚がありました。今日はレフリーがあと1時間プレーする時間を与えてくれたとしても、ゴールに入らなかったかもしれません。サポーターも今日だけではなく、何試合にもわたって、「そろそろ決めるだろう」という雰囲気があると思います。今日の結果は本当に真摯に受け止めるべきです。選手たちも、なぜ決めきれなかったのかということを自分たちに問わなければいけません。赤﨑がヘディングしたシーン、ジョーのポストプレーからシュートしたシーンなどは、もう一度やれば入るようなシーンだったと思います。それをどう取り組めば結果につなげられるか、答えは実際にはわかりませんが、私はメンタルな部分だと思います。選手が頭の中でどう準備をするか。失点したシーンも得点できなかったシーンも、自分たちでそういう流れに持っていくしかありません。サッカーの世界に長くいますが、こういうシチュエーションではメンタルを強く持った者が抜け出せますし、そうでない者はそのまま終わってしまう。とにかくそこはやっていこうという話をしました。言葉でどうやるべきかということを話しましたが、その作業はとてつもなく難しことだとわかっていますし、それは選手にも伝えています。それでも、できなければこの世界にいる資格はありませんし、その中でどう取り組むか。まず第一に、今日の試合後の姿勢で、サポーターが残念に思っていることは選手にも私にも伝わりました。最後の1秒まで応援してくれていることを感じましたし、それを大きな力として使わせていただき、さらに「自分たちはこの世界でやっていきたいんだ」、「J1でやっていくんだ」という想いをエネルギーとして、取り組んでいきたいと思います。