いかなる時も己と向かい続け、
つかみ取った出場機会で確かな爪痕を残した。
試合という最上の経験が、彼らの成長を加速させる。
“高卒ルーキー”の視線の先にあるものとは––。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
ここまで藤井選手がリーグ戦4試合、ルヴァンカップに1試合出場、成瀬選手がリーグ戦1試合、ルヴァンカップに2試合出場。高卒1年目にして出場機会を確保しています。現時点でこの数字についてはどのように評価していますか?
藤井 今シーズンの一つの目標として、プロA契約の締結を目指していました。それを達成するためには、試合に出場することが前提になります。素直にこれだけの試合に出られたことはうれしいです。とはいえプロ1年目ということは関係なく、自分が試合に出場した時は、しっかりと結果を残す。自分がDFの一選手としてもっとチームに貢献しないといけないと感じました。試合に出たからといって評価される世界ではありません。試合に出た上でなにができるのか。これからはそこにもっともっとこだわっていきたいと思います。
成瀬 僕は今季のスタートからケガで出遅れていました。だけど、復帰してから思っていた以上に早く試合に絡めたことは良かったと感じています。ケガをしたのは本当にイレギュラーな出来事でした。開幕前はシーズンの初めからどんどん試合に絡んでいきたいと思っていたので、少なからずショックでしたね。なので自分としては、この出場数を少ないと捉えています。ルヴァンも含めて、もうちょっと試合に出場したかったですね。
藤井選手はシーズンがスタートしてから、なかなか試合に絡めない時期が続いていました。
藤井 そうですね。自分は最初の半年間で試合に全く絡めていなかった。ルヴァンカップどころか、練習時の紅白戦にも全然入れていない状況でしたから。ただし、そういった状況下でも自分が出場した時に「なにができるか」を常に考えるようにしていました。しっかりその準備もしていたつもりです。でも、いざ試合に出場するようになって振り返ると、「もっともっといろいろな準備ができた」と感じましたね。
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