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明治安田生命J1リーグ第28節 大分戦後 監督会見

510月
10/5(土)、明治安田生命J1リーグ第28節が行われました。名古屋グランパスはパロマ瑞穂スタジアムで大分トリニータと対戦し、1-1で引き分け。試合終了後、グランパスを率いるマッシモ フィッカデンティ監督が監督会見に臨みました。

マッシモ フィッカデンティ監督


前半が良かったという印象です。3つ、4つの重要な局面を作れましたし、シュートも試合を通して多く打ったと思います。その中で先に失点をし、相手にリードされたことで、こちらのバランスは前掛かりになり、大分トリニータも空いたスペースを突く、オープンな展開となっていきました。大分の良さはカウンターの鋭さですし、そういった部分でこの試合に向けて準備をしてきた中、リードを許してしまうと前掛かりとなってより突かれやすくなるのですが、同点、逆転を頭の中に入れながらも選手たちはそのバランスを最後までコントロールしたことを評価したいと思います。


20本を超えるシュートを打ったと思います。それは枠外も枠内もありましたが、前線の選手全員がチャンスを作りました。暑さで体力の消耗も激しい中で、これはお互いのチームがそうですが、暑さと闘うということも含め選手は闘う気持ちを見せてくれました。次の試合まで2週間の間隔がありますが、ここでしっかりとトレーニングをすることでフィジカルコンディションをしっかり上げられると思います。それが伴っていなければサッカーというスポーツは難しくなるので、しっかり取り組みたいと思います。今日は「結果を出すんだ」と気持ちを込め、それにこだわって試合に臨むことが大切だと試合前に選手に伝えました。そこはしっかりやってくれたと思います。


ー失点してからはロングボールが増えました。監督の意図だったのでしょうか?

あの状況となってから、こちらが押し込むたびに相手10人全員がペナルティーエリアに入って守るといってもいいシチュエーションでしたので、どういう指示をするというよりも、クロスを縦に入れるか横から入れるかで空中を使うしかない中で、そういう展開となりました。その中で相手は我々に少しボールを持たせて足元、足元とつないで、ワンツーを使ったり、足元を使ったプレーというのをこちらが選びたくなるような瞬間っていうのを狙って、そこで奪ってカウンターというイメージを持っていたと思いますが、そこで選手が我慢をして、弾き返されるシーンも多くありましたが、うちはジョーが起点となるということもあり、そこをしつこく続けたことは判断として良かったと思います。


ー同点ゴールはディフェンスの選手が積極的に前へと上がりパワープレーのような形から生まれました。状況を考え、監督から指示をしたのでしょうか?

あのようなシチュエーションで私がどのような指示をするかは、丸山(祐市)なら言わなくてもわかるところもありますし、状況的にも正しい判断だったと思います。その理由としては、ボランチに(エドゥアルド)ネットを入れ、2人のボランチが少し引いた位置で左右に振ることを求めていました。ボールを失ってもボランチ二人を後ろに残している状況でしたし、センターバックの2人が前に残るのもチームのバランスとして大丈夫だったと思います。


まだこのチームを率いて2週間ほどですが、素晴らしい選手がそろっていると改めて思います。この世界にいれば、今の自分がどう評価されているか、チームがどう見られているかなど、もちろん敏感に感じるようにしていますが、私が就任する前に16試合で勝ち点を「11」しか獲得していなかった状況でしたので、「こういうサッカーをやりたい」という理想を言っている場合ではないと選手には伝えています。もちろんグランパスの今シーズンの試合はすべて見ていますが、今日のような展開でバランスを崩してしまったり、0-1から1-1へと追いつくのではなく、0-2、0-3と点差を広げられてしまう試合も、これまではもしかしたら多かったかもしれません。そういった中で、今は勝ち点を積み上げることでチームとしてやりたいことにフォーカスをする。とにかく泥臭いサッカーになったとしても、勝ち点を獲得することにこだわらなければいけない、瞬間瞬間で「こういう試合をしたい」ではなく「こういう試合をするべき」と状況を読んで判断しようと。サッカーでは運というものも絡み、すべてがうまくいかない時もあれば、なぜがすべてうまくいく時もあります。すべて自分たちが悪いせいではありませんが、それでも自分たちができることがやれているのか、そこに取り組もうという話をしています。シュート1本を打って入る時もあれば、4本打っても入らない時もあります。大分トリニータはいいチームだと思いますし、今シーズンはすごくいいサッカーをしています。今日のような天候の中で対戦したくない相手でしたが、失点をしてもバランスを失わず、まずはやるべきことをやる。リードされているのならまず同点としなくてはいけない、点差を広げられてはいけない。でもゴールを狙う。常にそのようなことを考えながら選手たちが難しい状況の中でやった。博打に出たのではなく、ちゃんと考えてプレーしたことは評価できると思います。なにかを大きく変えて、それが上手くいったのならいいですが、そうではなくて「残念だったね」というようなことは、私が今やるべきことではありません。