長谷川健太監督
ーここ3試合で失点がかさんでいて、前節の試合後には「減らせる失点を減らしていかなければいけない」という話がありました。これだけ失点している要因についてはどう分析していますか?
特に(ヴィッセル)神戸戦の2失点目に関しては防げる失点だったと思います。あれはケネディ(三國ケネディエブス)の対応で、大迫(勇也)の右足をしっかり切るという部分と、体が流れているのでそういうところをしっかり対応すると。こうやって言うと個人攻撃になってしまうので(言及するのは)避けたいところです。当然、失点は最終ラインの選手であったりキーパーが絡むので、「要因は何ですか?」と聞かれるとどうしても名前が挙がってしまいます。グランパスファミリーの方も読まれると思うので言っていますけど、彼らのせいとは言い切れません。原因としてはやはりそういう対応が甘かったという部分で、これはもうチームの反省点ですので、そういうところを撲滅していかないと。同じことを何回もやられてはいけないのでそこはしっかりやっていきたいです。
前節の1失点目はあり得る部分だと思いますが、切り替えが遅かったのでもっと早くしなければいけません。2失点目に関してはこれも「誰が」となってしまうとあれなんですが、クリアの仕方です。面でしっかりとクリアしなければいけないところでアウトサイドでクリアしてしまって味方に当たってしまったと。体が流れていたので左足は難しいと思うので、右足のインサイドで面を作ってしっかりと一山を越すような、大きくクリアできなくてもパンっと一山越すようなボールを蹴っていれば、ああいう事故は起きなかったと思います。事故が起きる原因は自分たちで作ってしまっていると思います。3失点目に関しては、まだ回答が届いていないですが、あれはファウルだと思います。内田(宅哉)が完全に仲川(輝人)と足が絡んでいますから。内田が前に入って、仲川がクロスする形で来て足が絡んで転んでいます。試合が終わった後、向こう(審判団)の解釈としても絡んでいることは間違いないという話でした。ただ、それがわざとではない、意図的に仲川が絡んだわけではない、仲川はボールを見ていて内田と接触したんだと。正式な回答ではないですが、試合が終わった直後にはそういうようなことを言っていました。絡んだことは間違いないと認めているわけで、それがわざとなのか、意図していないのかというのは関係なくて、絡んでいるのだからファウルだと思うんですよ。だから3失点目はファウルかなと。これをファウルではないと言われてしまうと、意図しなかったら何でもファウルではないのかと。ペナルティーエリアの中で手に当たったとき、意図していなくてもちょっと広がっていればハンドを取られるわけじゃないですか。意図していなくても足が絡まったらPKを取られますし、意図していなくても肘が入ったら退場になるわけなので、意図しているか意図していないかは関係ないと思います。接触して死に体になっていて、その当たった選手がゴール前でシュートを打っているわけですから。まだ回答はきていないですが、間違いなくファウルだと思っています。
ただ、あの3失点目に関しては、1点取らなければいけない状況で(攻めに)いっている時間なので、ああいうカウンター自体は起こり得ることです。それよりもやはり2失点目ですね。あれは防げる失点だったと思うので、ああいう防げる失点を防ぐことが大事です。決して組織が崩れているわけではないですし、前の選手が守備をサボっているわけでもないですが、当然原因はありますし、アンラッキーな部分もあることはありますが、今言ったようにアンラッキーで片付けられない部分があるので、そこはしっかりと改善すべきです。例えば、この間の試合でもパントキックやロングボールの処理は決して褒められたものではなかったと思うので、精度をもっと上げていかなければいけないと思います。結果論になりますが、そういうことができていて、この間の(FC)東京戦も2失点目の場面でしっかりと対応できていれば、1点は取れているわけなので、負けなくていいゲームだったと思います。試合後の会見でも言いましたが、やれていることとやれていないことをしっかりと選手たちに伝えて、やれていないことの原因は当然あるので、その原因を明確にして、同じ轍を踏まない、同じ失敗を繰り返さないということをやっていくしかないのかなと思います。チャンスを作れていないわけではないですし、昨シーズンの初めみたいになかなかゲームにならないというような形でもありません。システムも決まっていないというわけではないので、あとはディテールの部分をどこまで突き詰めてやれるかどうかではないかと思っています。
ー個人の部分は意識してくことで変えられると思いますが、チーム全体としていつものような自信を持てていないだとか、失点したときのダメージがいつもより大きいということを感じる部分はありますか?
この間の東京戦で1点を取られた後にガクっとした感じがしました? 私は1点を取られたからといって開幕戦みたいに落ち込むわけではなく、選手は最後まで闘ってくれたと思っています。2点目を取られた後にもゴールを奪いにいって1点を取っているわけですからね。失点を重ねてみんなが落ち込んで、自信をなくして、ということではないと思っています。やはり一番は勝ち星だと思います。勝つことが一番の薬になると思いますし、自信になると思います。勝てていないので大きなことは言えませんが、選手は前向きにやってくれています。開幕戦で失点を重ねてしまってちょっと落ちた部分があったのは否定しませんが、2戦目以降はみんながしっかりと闘ってくれていると思っています。
ー勝つためには勢いに乗っていくような攻撃が必要だと思います。山岸祐也選手が好調で、彼に対するサポートがもっと増えれば攻撃の厚さが出てくるのでは思っています。攻撃の構築について、もう少しこうしていきたいと考えていることは?
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