夏のウインドーが終わり、終盤戦に向けた陣容が整った。チームを統括する山口素弘(ゼネラルマネジャー)がインタビューに応じ、今シーズンの補強やチームの戦いぶりを振り返り、今シーズン終盤戦に向けた意気込み、今後の展望を語った。
インタビュー・文=INSIDE GRAMPUS編集部
先日行われたルヴァンカップで見事に準決勝進出を果たしました。現地で観ていていかがでしたか?
山口 久しぶりに興奮しました。選手たちと監督、スタッフが「勝ちたい」という強い気持ちをピッチで表現してくれましたし、それを後押ししてくれたのは、広島まで駆けつけてくれた方々、画面越しも含めてさまざまなところで応援してくれた方々なのは間違いありません。グランパスファミリーの皆さんのおかげで勝ち上がれたので、本当に感謝しています。
何度もピンチを迎えましたが、全員で闘い切りました。
山口 (サンフレッチェ)広島さんはすごく好調で強い相手ですから、ああいう展開になるだろうなと思っていました。でも、アウェイで0−1からの戦いというのは、本当に厳しいものです。そのなかでも我々の根本にあるのは、「熱い試合をしたい」、「観ている人に熱くなってほしい」というところで、それを体現してくれたと思っています。
準々決勝の2試合で菊地泰智選手や徳元悠平選手、ホセ カラバリ選手が出場しました。今夏加入した新戦力のプレーはどう映りましたか?
山口 やはり早くチームに合流した選手はなじむのがより早いなと。菊地は(サガン)鳥栖でサイドバックやボランチ、シャドーなどさまざまなポジションをやっていて、主に中央でいろいろなことができる選手だと思っていました。体は小さいですけど、非常にエネルギーのある選手なので、チームにとって大きな力になってくれているなと思っています。
徳元選手も能力の高さを見せてくれました。
山口 そう思いますね。徳元はアウトサイドでもセンターバックでもしっかりとできますし、攻撃の面でも武器を持っている。うちには今までロングスローという武器はなかったので、それができたのも大きいです。それにメンタルの部分が強くて、プレー面で闘ってくれる選手ですし、“元気印”ではないですけど、チームを盛り上げる部分でも期待をしたいと思っています。
改めて、クラブとして今シーズンのルヴァンカップをどう位置付けていますか?
山口 リーグ戦は少し厳しい状況になってしまったので、なおさらこのルヴァンカップは獲りたいタイトルです。昨シーズンは準決勝で敗退したので、まずは絶対にそこを超えたい。ですから夏のウインドーでは、ルヴァンカップも含めて戦力になる選手を獲得したいと考えていました。また、我々だけではなくてグランパスファミリーの皆さんがタイトル奪還を望んでいることは重々承知しています。アウェイでも時間があれば、小西(工己/代表取締役社長)や清水(克洋/専務取締役)らとスタジアムに駆けつけてくださった方々をお迎えしているのですが、広島では「信じている」、「勝ちましょう」という言葉を多くの方から掛けていただき、大きな熱を感じました。それもあって広島戦は絶対に勝ちたいと思いました。
グランパスファミリーはアウェイの地にもたくさんの方が駆けつけてくれています。
山口 本当にありがたいことです。なおかつ、相手よりも人数が少なくても関係ないような応援をしてくれて、今回の広島戦はゴール裏のあの声が全てだったのではないかと思っています。それを選手が感じたからこそ闘えたのだと思います。
改めて、今シーズンの新戦力の評価をお聞きします。昨シーズンからディフェンスラインがガラッと変わるなど、大型補強を行ってシーズンに臨みました。
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